EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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グローバルミニマム課税に備える:組織への影響を評価し、確実で実行可能な計画を策定するため、EYが提供するサポートをご活用ください。詳しい内容を知る
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EUは2022年12月15日、域内における多国籍および国内大企業に対するグローバルミニマム課税に関する理事会指令、すなわち、「EU指令」を採択しました。このEU指令は、ある国において税負担が15%を下回る場合、親会社にトップアップ税の納税を求める「IIR:所得合算ルール」を2023年12月31日以降に開始される事業年度から適用すること。もしIIRが適用されない場合は、親会社所在地以外での納税を求める「UTPR:軽課税利益ルール」を2024年12月31日以降に開始される事業年度から適用することを求めています。
指令の具体的内容については、基本的にOECDのモデルルールに沿っていますが、他方で、域内の公平性の観点から、モデルルールとの若干の違いや加わった点も見受けられます。例えば、EU加盟国は自国内における軽課税事業体へ適格国内トップアップ税を導入することができること。そして、その対象となるのは、親会社の過去4年間の連結財務諸表において、2年以上の年間売上高が7億5000万ユーロ以上である多国籍企業または大規模国内グループの事業体であるとしています。
このEU指令の前文では、「指令」というかたちでモデルルールを実施する理由として、EUが緊密に統合された経済体である以上、グローバルミニマム課税が十分な一貫性を持ち、調整されたかたちで実施されることが重要であり、域内で共通の枠組みを用いることで、納税者にルール実施の法的確実性を付与することができると述べています。