EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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OECDが発表している複合平均実効税率がそれぞれ26%と27%であるフランス、ドイツをはじめとするEU諸国や平均法人税率が28%のアフリカでは、企業グループの実効税率が15%を下回る可能性が低く、第2の柱は大きなインパクトを与えないでしょう。しかしアジアの一部の国など、平均税率が20%近くの軽課税の国や地域では、より顕著な影響が及ぶものとみられます。全体として見ると、世界の180の国・地域の法定法人税率の平均は約24%で、GDPで加重平均すると平均税率は25%強となります。
最低実効税率15%を受けて、おそらく一部の企業は事業活動の場を再考することになるとTanは説明しています。「最低実効税率15%ルールにより優遇税制措置が影響を受けるため、多くの企業は事業を行っている国・地域の事業環境を再検討するでしょう。適切な人材を採用できるか、経営環境は魅力的か、現金による助成金やその他のタイプの優遇措置が設けられているか、地価は手頃な価格であるかなどの観点から国・地域を評価するようになります」
サステナビリティに関する優遇措置の未来
EY Global Sustainability Tax LeaderであるCathy Kochは、企業グループと政府が持続可能目標を達成するために、サステナビリティに関して何らかの形の優遇措置が引き続き重要であろうと述べています。
「異常気象への懸念が続く中、国・地域が発信する経済的シグナルは常に迅速であり続けることが不可欠です」とKochは言い、「グローバルミニマム課税が特定の税額控除や優遇措置によるメリットを打ち消すような場合は、例えば、給付金やカーボンプライシングなどのような別の仕組みを通して経済的シグナルを送るべきです」と加えています。
持続可能な農業、再生可能/低炭素エネルギー源、エネルギー効率の高い建築物、電気自動車用のインフラなどへのグリーン投資を対象とした、政府による融資や給付金はすでに多数存在しています。各国政府はまた、研究機関、学術機関、民間研究開発会社を対象に、再生可能エネルギー、炭素回収、廃棄物管理、エネルギー効率といった分野において画期的な技術開発や変革を促す補助金や給付金の用意もあります。