EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
テクノロジーとビジネス感覚を組み合わせ、一貫性、コンプライアンス、組織の戦略的目標に焦点を絞った税制対策が求められています。グローバルの経済では予測不可能なことが起こり得ます。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ10 アイルランドでは、標準法人税率が12.5%であり、GloBE上の実効税率が15%を下回る可能性がある
アイルランドはEU加盟国であり、かつ法人税率を12.5%と、魅力的な水準に設定しています。特に米国に本社がある多国籍企業が事業拠点を設ける際の場所として機能してきましたが、日本企業でも情報・通信、製薬やライフサイエンス、そして、航空機リースなどの金融サービス業がアイルランドに進出しており、またキャピタルゲインに係る資本参加免税規定や、さまざまな国や地域と租税条約を結ぶなど税制面で大きなメリットを提供しています。今回はアイルランドでのPillar2の適用を受け、日系企業における留意点について解説します。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ9 タイではBOI税恩典が十分享受できるよう軽減緩和措置を導入
タイでは2023年、BEPS2.0のPillar2に沿って、グローバルミニマム課税を原則として導入することが決定されています。タイに所在する日本企業は、必要に応じて実効税率の計算や国内ミニマム課税(QDMTT)に基づく納税・申告などの新たな対応、優遇税制による法人税の減免メリットを享受する企業は、その影響分析が求められます。今回はタイにおける法人税、優遇税制への影響や留意点を解説します。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ8 ベトナムでは従来の優遇税制に代わる新たな投資支援政策を検討中
現時点では投資支援策は具体化されておらず、個別交渉により支援内容が決定されるケースも想定されます。交渉期間は長期になることも予想され、日系企業では早期の段階で関連当局との交渉を奨励。いずれにせよ、投資支援政策の方向性は打ち出されているものの、明確化されておらず、今後も動向に着目が必要です。
協和キリンのグローバル戦略に付加価値を生み出す国際税務のワンシステムとは
事例記事|協和キリン|日本発のグローバル・スペシャリティファーマである協和キリン株式会社が課題としていた国際税務の効果的な管理運用。EYは世界各国に展開する拠点の税務をワンシステムで管理するプロジェクトに構想段階から伴走し、世界に一つしかないシステムを実現させました。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ7 ドイツでのBEPS2.0 Pillar2の法制について-基本的にOECDモデルルールに基づいているが、留意すべき事項もある
ドイツは欧州随一の経済規模を誇り、貿易相手国として日本との経済的結び付きが非常に強い国です。 欧州の中心に位置しているという地理上の利点もある事から、ドイツは日本企業が欧州へ事業展開する際の拠点として非常に重要な国です。そこで、今回はドイツにおけるBEPS2.0 Pillar2(以下「グローバルミニマム課税」)の法制化状況と日本企業における留意点を解説します。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ6 オランダではGloBEルールによる日本企業への影響は限定的であると考えられる
オランダは日本の多国籍企業が地域統括会社や地域持株会社を設立するために最も好まれるヨーロッパの国の1つとされています。EUの加盟国であることに加え、25.8%といった穏健な法人税率、有利な租税条約ネットワークおよび100%の資本参加免税は、企業がオランダにおいて恩恵を受けることができる重要な税制です。
なぜ財務諸表上の税率が15%であっても、グローバルミニマム課税の対象になり得るのか
財務諸表上の実効税率が15%以上であっても、BEPS 2.0第2の柱のグローバルミニマム課税を回避できない可能性があります。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ5 混迷極める米国のBEPS2.0対応と日本企業の留意点
米国では、現時点でGloBEルールの国内法制化のメドは立っていません。2024年11月には大統領選挙もあり、2025年前に導入が検討されることはないと推測されています。2025年以降についても、民主党と共和党のどちらが主導権を握るか、あるいは勢力が拮抗するかで将来のシナリオは異なってきます。では、今後の動向をどのように見ておけばいいのか。米国におけるBEPS2.0の法制化状況と日本企業における留意点を解説します。
EYの調査によると、過去5年間の新しい税務運用モデルは、企業に価値をもたらしました。今後5年間でその価値はさらに高まるでしょう。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ4 英国のMTUTとDTUTの適用について今後の動向に注目
英国は2023年4月1日より大企業に対する法人税率を25%に引き上げたものの、依然として先進主要国であるG7の中では、最低税率を維持しており、欧州における日系企業の主要な投資先国であり続けています。そんな英国もBEPS2.0の新たな国際課税ルールについては、2023年財政(No.2)法案において、第2の柱GloBEルールを英国で施行するための法律を改めて公表し、2023年7月11日の国王裁可をもって施行。23年12月31日以降に開始する会計期間から全世界収入が7億5000万ユーロを超える大規模な多国籍企業に適用されます。今回は、こうした英国におけるBEPS2.0の法制化状況と日本企業における留意点を解説します。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ3 シンガポールでは優遇税制の有効性が制限されるも交渉で打開を図る
企業にとって魅力的な国であるシンガポールでもBEPS2.0への取り組みが進んでいます。2025年度1月1日以降に開始する会計年度からはIIR、UTPR、DTTが導入され、日本企業にも新たな対応が迫られます。イミグレーション関連では2023年9月からCOMPASSが導入され、新規就労ビザの取得がこれまでよりも厳格化。他にも人件費や賃料を含む経営コストの上昇や、人材の流出や獲得といった課題にも直面しています。今回は、そんなシンガポールのBEPS2.0の法制化状況と、日本企業の留意点を解説します。
世界で導入が進む電子インボイスにとってViDAが持つ意味とは
欧州委員会が公開したデジタル時代のVAT(ViDA)に対する提案は、グローバル企業とその税務部門に大変革をもたらすものです。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ2 他地域とは異なった特徴を持つEUの動向を注視しよう
現在、焦点となっているBEPS2.0について、EUは他の地域と異なった特徴があります。まずEUはOECDがリードする国際課税ルールの制定プロセスにおいて大きな影響力を持っていること。もう1つが、EUは主権国家ではありませんが、「指令」という形式でEU加盟各国に指令に基づく国内法令を制定することを求め、域内ルールの調和を図っていることです。今回はこのような他地域と異なった特徴を持つEUの動向について解説します。
主要国におけるBEPS2.0アップデートシリーズ1 GloBEルールに関する各国動向に対応できる体制を構築する
BEPS2.0のGloBEルールは、各国制度の相互作用により納税額や納税地が変化する複雑なルールです。対応するためには各国の動向を常にモニタリングし、変化に即応できる体制を構築することが必要です。そこで今回から主にGloBEルールに関する各国の対応方針、法制化の状況、各国の国内法との相関関係について、特に日本企業が留意する点を解説していきます。
税務リスクと税務係争が増大する時代に税務ガバナンスが鍵となる理由
2023年のEY税務リスクと税務係争に関する調査から、企業は今後2年間で税務調査の件数と厳しさが倍増すると予想していることが明らかになりました。
BEPS2.0対策シリーズ5 BEPS2.0とサステナビリティの観点からの税情報開示
SDGsに沿った成長戦略の策定と実行が求められる中、日本企業ではBEPS2.0によるグローバル課税の枠組みの変化とサステナビリティの観点を合わせた税情報の開示の動きが本格化しています。今後どのようにサステナビリティを意識した税情報開示が必要なのか。今回はBEPS2.0導入以降における企業の税情報開示の在り方について解説します。
BEPS2.0対策シリーズ4 BEPS2.0では本社による海外子会社の税務関与が拡大
BEPS2.0は、恒久的施設がない多国籍企業に対し、売り上げなど市場国で生み出された価値に応じて市場国で課税されるPillar1と、国際的に最低限の法人税率を設定し、子会社の税負担が最低税率を下回る場合には、最低税率に達する分まで親会社所在地国で課税できるとするPillar2の2つに大きく分かれています。これからBEPS2.0におけるPillar1とPillar2、そして日系企業にどのような係争が想定されるのかを見ていきましょう。
BEPS2.0対策シリーズ3 BEPS2.0申告を円滑に実施するためには、プロセスとシステムの業務改革が必要
BEPS2.0のコンプライアンス確保に向けては、必要な情報の確実かつ効率的な収集がこれまでになく重要になります。そのため、多くの企業は、従来のCbCR、CFC税制などの業務プロセスをそのまま延長するだけではなく、新たな仕組みをつくり上げる必要に迫られています。今後、多国籍企業においては、本社によるデータマネジメントを強化し、グループ全体の税務情報をモニターすることで、全社的な税務業務効率化とコンプライアンス向上が不可欠です。今回は、これらを実現するためのテクノロジーの活用について解説します。
BEPS2.0対策シリーズ2 Pillar2では、移転価格により15%の実効税率を目指す税務戦略の構築が必要
今後BEPS2.0 Pillar2の施行により15%を下回る実効税率の達成は困難となり、日本企業へのグループ課税に大きな変化がもたらされることになります。そこで対応すべき課題の1つが「移転価格と税務戦略」です。今回は各国の税務当局に対し、どのような戦略をとっていけばいいのかについて、要点を解説します。
政府が「アメとムチ」でサステナビリティの推進を図る今、税務部⾨は、自社が「ムチ」を避けながら「アメ」を活⽤するために、重要な役割を担うことが求められています。
税務のスマート化は急速にビジネス環境が変化する中でどのように役立つのか
ひたすら日常のコンプライアンス業務に専念する「ブラックボックス」だった税務部門を、戦略的ビジネスパートナーへと変化させたダウ・ケミカル社のケースを紹介します。
RCEP発効を受けて、FTAのメリットを享受するために必要な対策とは
2020年11月に署名された東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が2022年1月に発効される見通しとなりました。ASEAN加盟国に日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドを加えたこのRCEPは、世界のGDPの約30%、世界人口の30%を占め、発効されれば世界最大の自由貿易協定(FTA)となります。
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