リスクや規制の変化

Banking and capital markets

金融機関は、業務のデジタル化において、規制、リスク、コンプライアンスの課題に直面しています。金融業界にはこれまでにない変化が起きています。

EYの最新の見解

金融庁の「資産運用に関するタスクフォース」の設置により、資産形成の促進に資する顧客本位の業務運営の確保及び金融リテラシー向上にどのような影響があるでしょうか

第1回、第2回の資産運用に関するタスクフォースの会議では、「資産運用立国」実現のため、資産運用力の向上及び運用対象の多様化に向けた環境整備等を通じた資産運用業等の抜本的な改革を進める上で、どのような視点を持ち、どのような課題に取り組んでいくことが重要なのかが議論されました。

欧州サステナビリティ・デューデリジェンス指令の発効 本指令のポイントと日本企業への留意点

2024年7月25日、EUにおいて、コーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令が発効しました。本指令は欧州域内の企業だけではなく、日本企業にも影響があるため、本指令で規定されている義務履行のための取り組みを進める必要があります。

分断の進む世界で、トランジション・ウォッシュのリスクを回避し、金融機関の気候レジリエンスを強化するには

世界の分断により、1.5℃シナリオのハードルが高まってきています。将来の気温上昇に備え、金融機関が気候レジリエンスを強化するにあたり、①トランジション・ファイナンスが「ウォッシュ」と見なされるリスク、②適応戦略を踏まえた適応ファイナンスの機会、の認識すべき2つの新しい課題があるでしょう。

2024年に金融機関はどのように規制に備えればよいでしょうか

金融機関は、未来の状況に対応するために、イベントドリブン型の規制と既存の規制の両方に対して、優先順位を検討する必要があります。

内部統制報告制度の改訂 第4回:内部監査人の資質と技能に関する日本企業の現状課題とその解決に向けた方策

内部監査人がステークホルダーから信頼されるパートナーとなり、組織内におけるプレゼンスを高められるよう、そのために必要な資質と技能、およびそれを習得するために必要な方策について具体例を交えて紹介します。

内部統制報告制度の改訂 第2回:評価範囲の決定 ~リスクの識別・評価から内部統制報告書における記載まで~

15年ぶりに改訂が公表された内部統制報告制度のうち、経営者による内部統制の評価範囲の決定において求められたリスクアプローチの観点につき、リスクの識別・評価から評価範囲の決定、内部統制報告書における記載まで一連の流れとして紹介します。

金融庁の「脱炭素等に向けた金融機関等の取組みに関する検討会報告書」の公表により、ネットゼロに向けた金融機関等の取組みは進むのでしょうか

脱炭素等に向けた金融機関等の取組みに関する検討会において行われた議論を踏まえ、ネットゼロに向けた金融機関等の取組みに関する提言(ガイド)としてまとめたものとなります。

金融庁の「インパクト投資等に関する検討会報告書」の公表により、インパクト投資についての理解は進むのでしょうか

本報告書内の「インパクト投資の基本的指針(案)」では、インパクト投資の要件として、新規性や効果と収益性の明確化等の4つの要件を定め、客観的な指標での開示が求められています。

金融庁の「サステナブルファイナンス有識者会議第三次報告書」により、サステナブルファイナンスの一層の発展は果たせるのか

今後の金融行政におけるサステナブルファイナンス推進を目指し、サステナブルファイナンス有識者会議における議論結果を提言として取りまとめています。

コンプライアンス関連モデルへの対応を踏まえた、金融機関のモデル・リスク管理態勢整備における現実的課題とは

モデル・リスク管理は、けん制役の2線だけではなく1線のモデルユーザー等に対しても求められるものです。これまでの管理対象であったプライシングモデルやリスクモデルよりも広範囲のモデル、特に重要性の高まるコンプライアンス関連モデルの管理態勢の構築のためには、どのような課題があるでしょうか?

経済価値ベースのソルベンシー規制等~ESRに関する検証の枠組みとガバナンスへの影響~

2023年6月に金融庁より公表された「経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する基準の最終化に向けた検討状況について」では、経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する各論点の方向性などが示されています。 本記事では、公表されたレポートからESRに関する検証の枠組みに係る論点を取り出し紹介します。

成長と分配の好循環の実現へ向けた4つの課題―金融庁の「金融審議会『市場制度ワーキング・グループ』中間整理」の公表を受けて

金融庁の「金融審議会『市場制度ワーキング・グループ』中間整理」で示された、金融・資本市場に関する諸施策に関する成長・事業再生資金の円滑な供給、経済成長の成果の家計への還元促進、市場インフラの機能向上、社債市場の活性化という観点からさまざまな提言の要点をまとめました。

金融業界のCROにとってワークフォース・レジリエンスが今重要である理由とは

第11回EY/IIFグローバルバンクリスクマネジメントサーベイ(global bank risk management survey)では、新型コロナウイルス感染症の発生を受けて、ワークフォース・レジリエンスの重要性が高まっていることを明らかにしています。

実効的なサステナビリティ経営戦略のためのESG評価・データに係る問題意識の高まりと、金融庁報告書で提言された行動規範の狙いとは

【EY Japan】サステナブルファイナンスの発展により、意思決定の土台となるESG評価・データ提供機関の重要性が増しています。アウトプットがESGの裏付けとして用いられる中で、その品質に関する議論が起こっており、金融庁も本件に関する専門分科会の報告書を公表しました。その狙いをひもといていきます。

気候変動とリスク:銀行が直面する3つの重要課題

気候変動は今や深刻なリスクの1つとして挙げられていますが、銀行が高いレジリエンスを備えるためには、乗り越えなければならない障害が複数あります。

当局ガイダンスに沿ったこれからのモデルの定義と、金融機関のモデル・リスク管理態勢整備の第一歩

【EY Japan】金融のデジタル化が進み、機械学習などの高度な手法が実用化されるに従い、モデルの誤りや誤使用による潜在的なリスクが高まっています。このような中、モデル・リスク管理の重要性が注目され、日本の金融機関も高度な管理態勢が求められてきています。それはどういうもので、今までとの違いは何でしょうか。

「2021事務年度 金融行政方針」から見る、資産運用の高度化とサステナブルファイナンスの推進に向けて取り組むべきポイントとは

金融庁は「2021事務年度 金融行政方針」を公表しました。本稿では3つの重点課題を示すとともに、資産運用業者に主に影響すると考えられる「資産運用の高度化」、近年注目度の高い「サステナブルファイナンスの推進」についてポイントをまとめています。

金融機関による科学的根拠に基づくゼロ・ターゲティングのための、温室効果ガス(GHG)排出量算定の手法と課題とは

ネットゼロ、すなわちGHG排出量実質ゼロへの計画の策定を行う金融機関には、適切なGHG排出量の算定を基礎とした科学的根拠に基づく手法の適用が求められます。それはどういうもので、足元の課題はなんでしょうか。また、今後の金融機関の経営やリスク管理への影響はどのようなものでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の拡大により最高リスク管理責任者の役割はどう変わったか

第11回EY/IIFグローバルバンクリスクマネジメントサーベイによると、新型コロナウイルス感染症の拡大で、今の金融機関にとってレジリエンスが持つ真の意味が明らかになりました。

気候関連金融リスク計測でのシナリオ分析で、網羅性と比較可能性を高めていく方法とは

脱炭素の取り組みが本格化する中、気候関連リスクの定量的な把握と開示も洗練度を増し、利害関係者の判断に資するものとなりつつあります。ここでは、気候関連リスク計測手法としてのシナリオ分析に関して、金融機関が具体的な計測モデルを検討する観点から、大まかな流れと現状についてまとめています。

    ニュースリリース

    EY調査、ESGは業界成長に伴い重要な岐路に直面

    EYとOxford Analyticaが発表した最新レポート「サステナビリティ情報エコシステムの出現(The emerging sustainability information ecosystems)」によれば、環境・社会・ガバナンス(ESG)への投資および報告は、標準化された基準、規制、共通のパーパスが欠如する中で、存在意義を問われる問題に直面しており、インフレ進行とウクライナをめぐる情勢が問題をさらに難しくしていると指摘しています。