EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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昨今、企業にはESGへの対応が求められていますが、スポーツも例外ではありません。2022年11月より開催されたFIFAワールドカップ カタール大会では、スタジアム建設に従事する労働者の人権問題に大きな注目が集まりました。また、同2022年の1月から北京で開催された冬季五輪では、雪がほとんど降らない会場に人工降雪機を用いて会場整備が行われましたが、これによる水不足や環境破壊、さらには人工雪が引き起こす、選手のけがへのリスクが指摘されました。
欧州ではスポーツ業界においてもESGの意識が高く、ブンデスリーガやプレミアリーグでは、「排出量」「資源」「社会的責任」「人的資本」といった項目別にESGの取り組み方針が細かく定められ、項目立てた評価が行われています。
ひるがえって国内のスポーツ業界におけるESGへの対応状況はどうでしょうか。昨今、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をめぐる汚職事件や、学校の部活動での体罰などが大きな注目を集める中で、スポーツ界のコンプライアンス強化が求められていますが、他方で、ESGへの包括的な取り組みはまだ十分に見られません。
Jリーグの「シャレン!」、Bリーグの「B.HOPE」など、各クラブの取り組み事例を集約する枠組みはあるものの、欧州のように「排出量」「資源」「社会的責任」といったカテゴリーごとのサステナビリティ方針の定義や、定期的な評価・報告は行われていません。
今後、日本のスポーツがより積極的にESGに取り組むことでグローバルとつながり、投資を呼び込む可能性が広がるなど、さらなる発展につなげることができるでしょう。
本レポートでは、海外のリーグやクラブにおけるESGの取り組みの最新動向を紹介するとともに、今後日本のスポーツ界がとるべき戦略を提言します。