トランプ大統領、輸入自動車・同部品に対する追加関税の発動を発表

2025年3月26日、トランプ大統領は、輸入自動車・同部品に25%の追加関税措置を命じる布告1(”ADJUSTING IMPORTS OF AUTOMOBILES AND AUTOMOBILE PARTS INTO THE UNITED STATES”、以下、「布告」)とファクトシート2(“Fact Sheet: President Donald J. Trump Adjusts Imports of Automobiles and Automobile Parts into the United States”)を発表しました。当該追加関税は通商拡大法第232条に基づき課税されます。自動車に対しては、米国東部時間4月3日午前0時1分以降に通関されたものに適用され、自動車部品については、今後Federal Register(官報)にて公示予定であり、遅くとも5月3日までに適用するとされています。

布告内では、米国自動車産業が直面している供給チェーンの脆弱性や、外国の自動車産業が不公平な補助金や積極的な産業政策によって成長していること、また過去に締結された貿易協定が十分な成果を上げていないことが指摘され、追加関税の賦課により輸入を調整することで米国の安全保障を確保することが主張されています。

具体的な布告の内容は以下の通りです。

  • 対象品目は、乗用車(セダン、SUV、クロスオーバー、ミニバン、カーゴバン)、小型トラック、および主要な自動車部品(エンジン、トランスミッション、パワートレイン部品、電装部品)。詳細なHSTコードはAnnex Iに定められるが、3月28日時点では未公開であり、官報にて掲載が予定されている。
  • USMCAの原産地規則を満たし優遇税率の対象となる自動車については、輸入者は商務長官に対し、米国産の部品割合を証明し、商務長官が承認した場合、米国産の価値部分においては追加関税が免除される。なお、「米国産の価値」とは、米国で完全に取得、製造、または実質的な変更がされた部品の価値を指す。また、非米国産部品の価値が米国産部品の過大申告によって不正確であると判断された場合、追加関税は自動車の全価格に対して適用される。
  • USMCAの原産地規則を満たし優遇税率の対象となる自動車部品については、商務長官が米国税関・国境警備局(CBP)と協議して、非米国産部品に関税を適用する手続を確立し、官報に通知をするまで、追加関税が免除される。
  • 本布告の90日以内に、商務長官は、追加関税対象の自動車部品を追加する手続きを確立する。商務長官による追加に加え、米国内の生産者や業界団体も、追加を要請することが可能。この場合、商務長官は、要請を受け取ってから60日以内にその部品を対象に含めるか決定を行う。含めるべきと判断された追加の自動車部品は、官報で通知された翌日以降に、追加関税の対象となる。なお、官報の通知は、商務長官の決定から14日以内に行われる。
  • 関税還付制度(Duty Drawback)は対象外。
  • 本追加関税の失効日は定められていない。

当該措置により自動車および自動車部品の米国への輸入にかかる関税コストが大幅に上がることになるほか、貿易相手国からの報復関税の実施の可能性も踏まえると、国際貿易における関税コストの管理はますます重要になってきます。追加関税のコストを緩和する方法はあり、そうしたコスト削減策をいち早く取り入れることで競争力を維持することが企業にとっては重要になってくるでしょう。

本文は、続報が出され次第、都度更新されます。


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