EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
2025年3月3日、トランプ大統領は、カナダ、メキシコの輸入品に対する追加関税の導入、また、中国の輸入品に対する追加関税の料率の引き上げを発表しました。
今回の発表に先立って、2月1日には米国への違法薬物流入を一因としてIEEPAに基づく緊急事態宣言を発動するとともに、カナダ、メキシコ、中国からの輸入品に2月4日から追加関税を課すことを決めた大統領令を発表1していました。その後、カナダ・メキシコに対してはその発動を30日後に延期することとしていましたが、今回の措置は、延長期限の到来に際して実際にカナダ・メキシコへの25%の追加関税2を開始するものです。また、中国については、2月4日から導入されていた追加関税の料率を、10%から20%に引き上げます。
なお、今回の課税措置においては、対象国を原産とする全ての輸入貨物を対象とし、少額免税制度(De minimis)ルールおよび関税還付制度(Duty Drawback)の対象外とされるなど、より広範囲な課税が行われます。
一方で、米国の今回の措置を受けて、カナダ・中国は即日、一部の米国原産品に対する対抗措置を発表、メキシコも関税等の措置による対抗措置の可能性を公表しています。これによって、米国・カナダ・メキシコ間に跨る生産サプライチェーンを構築する業界においては、追加関税およびその対抗措置の対象品目に対して、それらの国の往来の都度で関税が課せられる可能性があり、大きなコスト要因となる可能性があります。
また、トランプ大統領は、4月より欧州・日本を含む各国の自動車などに対して、相互関税の導入に関する可能性についても言及しています。今後も、米国の関税政策に対しては、引き続き注視が必要です。
巻末注
EY税理士法人
大平 洋一 パートナー
原岡 由美 パートナー
福井 剛次郎 シニアマネージャー
※所属・役職は記事公開当時のものです
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