EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 中澤 範之
Question
連結納税制度を導入している会社は?
Answer
【調査範囲】
- 調査日:2019年8月
- 調査対象期間:2019年3月31日
- 調査対象書類:有価証券報告書
- 調査対象会社:2019年3月期決算の有報提出会社2,632社
【調査結果】
(1) 連結納税制度を導入している旨の開示状況-売上規模別
提出会社又は連結子会社が連結納税制度を導入している旨の開示状況を分析した結果は、<図表1>のとおりである。
連結会計年度(連結財務諸表非作成会社では事業年度)における年度売上高ごとでは、売上規模が大きくなるにつれて導入割合が高まる傾向となった。
<図表1> 連結納税制度を導入している旨の開示状況-売上規模別
売上高 | 導入会社数 | 全会社数 | 導入割合 |
100億円未満 | 47 | 555 | 8% |
100億円以上500億円未満 | 108 | 923 | 12% |
500億円以上1,000億円未満 | 57 | 337 | 17% |
1,000億円以上3,000億円未満 | 110 | 427 | 26% |
3,000億円以上5,000億円未満 | 46 | 121 | 38% |
5,000億円以上1兆円未満 | 49 | 117 | 42% |
1兆円以上 | 81 | 152 | 53% |
合 計 | 498 | 2,632 | 19% |
(2) 連結納税制度を導入している旨の開示状況-過去推移
連結納税制度を導入している旨の開示状況の過去の推移を分析した結果は、<図表2>のとおりである。
2019年3月期決算の有報提出会社について、導入会社数は増加傾向にあるものの、導入割合としては19%と前期より1%の増加傾向にあった。
なお、この他に当期より連結納税制度を離脱している旨を開示している会社はなかったが、2020年3月期より連結納税制度の導入を予定している旨を9社が開示していた。
<図表2> 連結納税制度を導入している旨の開示状況-過去推移
導入会社数 | 全会社数 | 導入割合 | |
2013年3月期 | 352 | 2,797 | 13% |
2014年3月期 | 395 | 2,754 | 14% |
2015年3月期 | 421 | 2,720 | 15% |
2016年3月期 | 451 | 2,695 | 17% |
2017年3月期 | 455 | 2,672 | 17% |
2018年3月期 | 473 | 2,666 | 18% |
2019年3月期 | 498 | 2,632 | 19% |
(旬刊経理情報(中央経済社)2019年9月20日号 No.1556「2019年3月期 「有報」分析」を一部修正)
この記事に関連するテーマ別一覧
2019年3月期 有報開示事例分析
- 第1回:定率法から定額法への変更 (2020.02.07)
- 第2回:連結納税制度 (2020.02.07)
- 第3回:決算期変更 (2020.02.07)
- 第4回:税効果会計基準の一部改正(発生原因別内訳における評価性引当額の区分及び重要な変動の内容) (2020.02.07)
- 第5回:繰延税金資産を回収可能と判断した主な理由 (2020.02.07)
- 第6回:「収益認識に関する会計基準等の早期適用」及び「未適用の会計基準等の注記の開示」 (2020.02.07)
- 第7回:繰越欠損金に係る繰越期限別の数値情報 (2020.02.07)
- 第8回:非財務情報(MD&A) (2020.02.07)
- 第9回:非財務情報(早期適用) (2020.02.07)
- 第10回:監査の状況 (2020.02.14)
- 第11回:会社法開示比較① (2020.02.14)
- 第12回:会社法開示比較② (2020.02.14)
- 第13回:総会前提出 (2020.02.14)
- 第14回:非財務情報「役員の報酬等」及び「株式の保有状況」 (2020.02.14)
- 第15回:役員の報酬等 (2020.02.14)