EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EYの関連サービス
-
国連で2011年に承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」は、企業のバリューチェーン全体において、自社の事業と関係する人権侵害に対処することを要請しています。また、人権デューデリジェンスの実施義務を課す法律や現代奴隷法などが世界各国で制定され、企業はビジネスと人権に関して透明性をさらに高め、継続的な改善を促すことが求められています。 EYでは、人権方針案の策定から本格的な人権デューデリジェンスの実施支援まで、貴社のご要望に合わせた各種支援を提供しております。
続きを読む
ライツホルダーの視点を取り入れた取り組みの必要性
機関投資家が登壇したセッションでは、ESG投資における環境や人権への影響の考慮がチェックリスト的な対応にとどまらないよう、ライツ・ベース・アプローチ(権利に基づくアプローチ)の投資行動の必要性がフォーカスされました。英国年金基金フォーラム(LAPFF)の議長を務めるダグ・マクマルド氏は、ブラジルの資源大手Vale社の鉱山ダム決壊事故により影響を受けたコミュニティを訪問した時の経験を踏まえ1、投資家として、救済を必要としている人々の声を直接聞き、期限を設けて投資先企業に行動を促すことを通じて説明責任を果たすことを強調しました。
非司法的な救済の仕組みを開発・運用する上で、ライツホルダーの視点が必要不可欠なことも強調されました。労働者主導型の苦情処理メカニズムとして、米国のCIW (Coalition of Immokalee Workers)によるフェア・フード・プログラム(FFP)のケースを例に、農業従事者がFFPモデルの発展にどのように貢献したかが紹介されました。先進的と評価されているこうした取り組みは、ライツホルダーと丁寧なコミュニケーションを行いながら進めるWSR(Worker-driven Social Responsibility)、すなわち労働者主導型の社会的責任という考え方が提唱される中、企業が、実効的な人権救済の仕組みの構築を進める際に参考にできる事例のひとつと言えるでしょう。