人的価値を原動力に、高品質のサービス提供と長期的価値の創出を図る

人的価値を原動力に、高品質のサービス提供と長期的価値の創出を図る


長期的価値(Long-term value、LTV)を創出する原動力は、EYのパーパス(存在意義)とメンバーの一人ひとりの情熱が強く結び付くことで生まれます。

パーパスの下に結集したEYのプロフェッショナルによるクライアントサービスや多分野にわたる課題への取り組みを通じて、私たちはより良い社会を構築していきます。


要点

  • 個々の能⼒を最⼤限に引き出し、高い成果を上げるチームをつくる上で、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス)の推進は大前提となる。
  • 私たちEYは、組織のパーパスである「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」と、一人ひとりのメンバーのパーパスの折り重なる部分を見いだすプロセスを大切にしている。
  • 人材・顧客・社会・財務の4つの価値を高め、循環させ、結果として組織全体としてのパーパスの実現に貢献していく。

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Section 1

人的価値を原動力に、高品質のサービス提供と長期的価値の創出を図る

環境の変化がさらに加速する一方で、飛び交う情報の取捨選択が難しい時代に


気候変動をはじめとするサステナビリティの問題、インフレの進行とそれに伴う金利の上昇、さらにはウクライナ紛争、イスラエル・パレスチナ情勢の深刻化など、さまざまな難題に私たちは日々直面しています。また、ようやくコロナ禍から抜け出せたものの、多様な働き方に関する基盤や制度は定まっておらず、世代ごとの要望や期待も変化しています。

加えて、生成AIなどテクノロジーの進歩が世の中を大きく変貌させています。その一方で、人権問題、SNSを通じた誹謗(ひぼう)中傷、フェイクニュースの流布なども看過できないテーマです。特に私は、ファクトベースの情報を安心して共有できない現状に大きな危機感を抱いています。

一例を挙げれば、プラスチックに代わるサステナブルな原料でレジ袋をはじめとする製品を開発するスタートアップ企業は、かねてより廃棄物のリサイクルにおける問題点を指摘してきました。しかし人々にはなぜ現時点でリサイクルに課題があるのか、情報が届いていません。人々の行動が変容し、持続可能な社会を実現していくためには、人々が受け取る情報に幅を持たせ、対話を通じ互いを理解し合いながら進むことが必要です。

さまざまな観点からのファクトの理解・浸透を築き上げる一助になり得ると考えているのが、私たちEYが取り組む企業としての責任(CR)プログラムである「EY Ripples」の推進です。SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献するため、2030年までに世界10億⼈にポジティブな影響を与えることを目標に2018年より同プログラムを開始。3つの分野「次世代教育・就労支援」「社会的に影響力のある起業家との協働」「持続可能な環境への取り組み」にフォーカスした活動を行っています。例として、青山学院大学大学院にて人的資本マネジメントの寄附講座を実施、京都大学経営管理大学院と一橋大学大学院にて、それぞれパーパス経営サステナビリティ経営をテーマに寄附講義を実施しました。

クライアントや社会全体に対し
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クライアントや社会全体に対して長期的価値を創出し、パーパス(存在意義)を実現

私たちEYのビジネスは多岐にわたります。会計・監査や財務、税務、法務、人材戦略、テクノロジー、M&A、サステナビリティといったさまざまな領域のプロフェッショナルが、グローバルネットワークの強みを生かし連携しながら、日々クライアントと伴走しています。

メンバーの専門性はさまざまですが、全メンバーが共通して重要だと考えているのは「Trust and Confidence」。信頼を揺るがす要素はないか、高品質のサービス提供を通じて「長期的価値(Long-term value、LTV)」を社会にもたらすことができるかという視点が、全ての契約締結前のレビューに組み込まれています。

2023年度の歩みを振り返ると、アシュアランスはマーケットの成長に沿って安定した業績を達成。税務、コンサルティング、ストラテジー・アンド・トランザクションについても、さまざまなトランスフォーメーションを推進しながら高付加価値のサービスを提供し、非常に力強い成長を遂げました。EY全体では、史上最高記録となる494億米ドルの売上(前年比14.2%増)を達成。EY Japanは前年比で12.3%の増収となる1,948億7,000万円を売り上げました。

EYには「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」という全世界共通のパーパスがあります。パーパスは全てのメンバーに浸透していますが、その背景には、2013年から10年以上にわたって同じパーパスを掲げ続けていることに加え、Ambition(目指すべき姿)を明示していることがあります。「なぜ」私たちが存在するのかについて言及しているのがパーパスであるのに対し、「何を」することでその実現を目指すのかを示すのがAmbitionです。私たちは、EYで働く人々、クライアント、社会とEYの財務健全性に対し長期的価値の創出を図っていくことが不可欠であると考えます。

個々のメンバーも、長期的にクライアントや社会全体に価値をもたらすことにプライオリティを置いています。目の前の事象のみならず、その先に待ち受ける潜在的な課題も徹底的に洗い出し、時間をかけて長期的にクライアントや社会の価値の向上を目指すのがEY Japanのメンバーの大きな特長です。


EY japan integrated report 2023 top message

EY Japan チェアパーソン 兼 CEO
ジャパン・リージョナル・マネージング・パートナー(RMP)
貴田 守亮

Professionals having business discussion with laptop and coffee
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生成AIが普及する社会においても、高品質のサービスを生み出す要は「人」

社会からの信頼を得るためには、斬新なアイデアの提供や、イノベーションにつながるような助言をするだけではなく、常に高品質のサービスを提供し続けることが重要です。


私たちにとって品質は、価値の根底にあります。

一方で、テクノロジーがもたらすイノベーションは、今まで想像もつかなかった新たなリスクをもたらし得るのが現実です。そうしたリスクにも臨機応変に対応しながら高品質のサービスを維持していくためには投資も必要であり、プロフェッショナルな知見の進化も求められます。

最先端のテクノロジーの普及で、これまで人の手で行われてきたさまざまな職種がなくなるとも言われています。しかし、省力化が進み仕事への関わり方が変化しても、仕事自体はなくならないと確信しています。品質の高いサービスを提供し続けるために要となるのは、やはり「人」です。

個々のメンバーが成長していくことこそ、価値創出の源泉であると考えます。成長を後押しするため、EYではメンバーが自発的に学ぶ機会を数多く設けています。例えば、ハルト・インターナショナル・ビジネススクールとの提携によって提供されているEY Tech MBAやサステナビリティ修士号プログラムは、全メンバーが無償で自由に受講できます。本年度は、EY全体で274名がEY Tech MBAと修士号を取得しました。また、EYでは社内資格認定制度としてEY Badges制度を設けており、データサイエンスやAI、リーダーシップをはじめとするスキルをEYメンバーが獲得し、それぞれのキャリアや社会の中で生かすことをサポートしています。

個々の能⼒を最⼤限に引き出し、高い成果を上げるチームをつくる上で、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス)の推進は大前提です。施策の一例としては、Diverse Abilities Centerの設立が挙げられます。これは、精神・発達障がいの診断のあるニューロダイバーシティ人材の雇用や就労状況の改善を目的とした組織で、個々が自分に合った柔軟な働き方を試しながら、専門的なスキルとキャリアを習得できます。この取り組みが高く評価され、在日英国商業会議所主催「2022年ブリティッシュ・ビジネス・アワード」でDE&I部門賞を受賞しました。さらに、LGBT+ネットワーク 「Unity」の活動の一環として、東京レインボープライド2023でブースを出展し、総勢150名のEYメンバーが参加。LGBT+に関する企業の取り組み指標「PRIDE指標」で2年連続「レインボー」を受賞、最高評価の「ゴールド」も6年連続で受賞しました。また、EY Japanで働く全ての女性メンバーによるネットワーク「WindS」があります。WindSでは、女性が活躍できる環境の整備を目指し、働く上での課題を「裾野拡大」「働き続ける環境の整備」「より高いレベルへの成長支援」の3つと捉え、中高生へのキャリア教育から人事施策の制定、意識改革のための研修などを実施。EY Japanは日経WOMANの「女性が活躍する会社BEST100」に総合第8位に選出され、2年連続トップ20入りを果たしました

足元で円安も進行してきましたが、過去30年間における日系企業の動向について統計を振り返ると、劇的な変化が生じていることがわかります。例えば、今や日本の上場企業における海外売上比率は40%に迫る水準に達しています*。国内のみならず海外の消費者のニーズも十分に把握し、売上に大きな影響を及ぼすリスクを回避する必要があります。

日系企業で働く外国籍の人の数も増加していくと考えられる中で、外国にルーツのある方が企業の経営層に入る必要性、また、そのための人事やキャリア制度の必要性が高まっています。時代の変化に伴い、世界で活躍する日系企業の基盤となる日本社会におけるさまざまな制度の見直しについても、幅広く支援していきたいと考えています。

私たちは、これからもプロフェッショナルとして、人とパーパスを原点に、環境、地政学やテクノロジーの急激な発展などがもたらし得るリスクに正面から向き合い、長期的価値を創出するという視点で社会課題を解決し、クライアントをはじめとするステークホルダーの皆さまと共により良い社会を築いていきます。

*出典:国際協力銀行「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」2022年度 海外直接投資アンケート調査結果(第34回)」、www.jbic.go.jp/ja/information/image/000002549.pdf(2023年11月30日アクセス)


ニュースリリース

EY Japan、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科で「人的資本マネジメント」の寄附講座を新開講

【EY Japan】EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡)は、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(キャンパス:東京都渋谷区、研究科長:中里 宗敬、通称:青山ビジネススクール)で2022年度MBAプログラムの科目として新たに寄附講座「人的資本マネジメント」を開講することをお知らせします。

EY新日本「セクター認定者制度」2022年度、1,251名を認定

【EY Japan】EY新日本有限責任監査法人(東京都千代田区、理事長:片倉 正美)は、所属する公認会計士の各業種(セクター)に関する知見を向上し、監査品質のさらなる高度化のため、「セクター認定者制度」を導入しました。制度導入初年度である2022年度において、1,251名をセクター認定者として認定したことをお知らせいたします。

EY Japan、一橋大学大学院 経営管理研究科にて「サステナビリティ経営」の寄附講義を開講

EY Japan(東京都千代田区、チェアパーソン 兼 CEO 貴田 守亮)は、一橋大学(キャンパス:東京都国立市、学長:中野 聡)大学院 経営管理研究科(一橋ビジネススクール)経営管理専攻ならびに商学部において、2023年度春夏学期に寄附講義「サステナビリティ経営(Sustainability Management)」を新たに開講することをお知らせします。

EY新日本、「監査品質に関する報告書2023 ~社会の期待の先にある監査の未来とは?」を発行

EYのメンバーファームであるEY新日本有限責任監査法人(東京都千代田区、理事長:片倉正美)は、経営およびガバナンス体制、品質管理、人材育成など、監査品質を追求する当法人の取り組みを「監査品質に関する報告書2023」としてまとめ、本日発行いたしました。

EY Japan + 1

EY、2023年度グローバル業務収入は過去最高の500億米ドル弱

EYは、2023年6月末終了の会計年度の業績を発表しました。EYの全世界における業務収入は494億米ドルと、現地通貨ベースで前期比14.2%増(米ドルベースでは9.3%増)となりました。これはEY史上最高の売上であり、著しい成長を続けているEYの歴史において、最も成功した年度のひとつとなりました。

EY Japan、長期的価値(LTV)ビジョンに基づく自社取り組みの23年度実績を発表

EY Japanは、経済社会・クライアント・自社における長期的視点での価値創造を行うLTV(Long-term value、長期的価値)ビジョンに基づく自社の取り組みに対する2023年度(2022年7月~2023年6月)実績を発表しました。


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    京都大学経営管理大学院にて開講した寄附講義「パーパス経営」の講義レポートをお読みいただけます。

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    一橋大学大学院 経営管理研究科 経営管理専攻ならびに商学部にて、2023年度春夏学期に開講した寄附講義「サステナビリティ経営(Sustainability Management)」の講義レポートをお読みいただけます。


      EY Japan 統合報告書 2023

      Integrated Report 2023

      EY Japan 統合報告書 2023

      サマリー

      私たちEYは、クライアントの成長に貢献し、価値を最大化するために、それぞれの業務を通じてメンバーの人的価値を高め、より良いサービスの提供につなげています。DE&Iの尊重を重要な要素として位置付け、人とパーパスを原点として、環境問題、地政学的リスクやテクノロジーの急激な発展などに真正面から向き合い、クライアントをはじめとするステークホルダーと共に、より良い社会を築いていきます。


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