なぜポストコロナ時代に次世代サプライチェーンの再構築が不可欠なのか

なぜポストコロナ時代に次世代サプライチェーンの再構築が不可欠なのか


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを機に、サプライチェーンの脆弱性や非効率性が露呈しました。こうした課題に対処するため、経営層は、新しい時代にふさわしいサプライチェーンを再構築する必要があります。


新型コロナウイルス感染症のパンデミックでサプライチェーンのレジリエンスが試され、多くの組織がその脆さを痛感しました。

 

グローバルサプライチェーンといえば、新型コロナウイルス感染症発生以前は、賃金の抑制やオペレーティングコストの削減、商品ラインアップの拡大、新規市場への進出拡大などさまざまな施策が展開されていました。

 

しかし、コロナ禍で、脆弱性をはじめとするサプライチェーンの潜在的課題が世界中で目に見える形で顕在化しました。単一の拠点や単一のサプライヤーに過度に依存していた企業は、リードタイムの大幅な延長、製造活動の停滞、港湾混雑、輸送網の断絶などにより、ドミノ倒し的に生産停止を余儀なくされました。

 

今回のパンデミックは、数々のディスラプターの1つに過ぎません。経営層にサプライチェーンの再構築を迫るディスラプターは他にも多々あります。人件費、エネルギー価格、原材料費などは、過去2年間で急激に高騰しました。輸送・運送費は2019年の水準から400%以上も急増しました。

 

各国の外交政策の変更や税制度の改正に伴い、物流のあり方を見直す動きも広がっています。顧客の期待も急速に変化し続けています。そして、グローバル化が進むにつれて、気候変動や人権問題が決して人ごとではなくなり、倫理的な調達やサステナビリティ、企業の社会的責任(CSR)などに対する人々の関心はますます高まっています。

 

サプライチェーンは非常に複雑化しており、再設計・再構築には高いコストがかかります。経営層は何から着手すればよいのでしょうか。

 

EYのプロフェッショナルチームは、こうした状況を踏まえ、「Supply Chain Reinvention: What you need to start and stop now (次世代サプライチェーンフレームワーク :今すぐ止めるべきアプローチ、今すぐ始めるべきアプローチ)」と題する白書を作成しました。本白書では、サプライチェーンに関するさまざまな課題を深掘りし、企業がとるべきアプローチをご紹介しています。特に、EYが推奨する最重要アプローチは以下の通りです。

 

  • 新たな切り口のソリューションを採用する
  • テクノロジーを活用して可視性を確保する
  • 人を中心に据えたビジネス変革を実行する
  • サプライチェーンサステナビリティを推進する
  • 税のわなを回避する

 

新しい時代にふさわしいサプライチェーンは、可視性とレジリエンスを確保することが可能なネットワーク型の基盤になります。自社のサプライチェーン戦略について次のように自問してみてください。「現行のアプローチで期待通りの可視性とレジリエンスを本当に構築することができるか。最終的に、次世代サプライチェーンを実現できるか」

 

EYは、貴社が抱えるサプライチェーンの課題に寄り添い、次世代サプライチェーンの構築をサポートします。



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    サマリー

    新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、サプライチェーンのさまざまな課題が露呈しました。特に、サプライチェーンの複雑さは深刻で、再構築には莫大なコストがかかります。しかし、従来のサプライチェーンモデルでは立ち行かないことは明白であり、次世代サプライチェーンの構築は不可欠です。経営層は、デジタルツールや製品、サービスを駆使した次世代サプライチェーンの構築を通じて、サプライチェーンとオペレーションの包括的変革を推進するとともに、税務関連への適切な対応を行うことでサプライチェーン・レジリエンスを強化することができます。



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