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家計消費が好調だった理由は、サービスに対する支出が増加したためです。裁量的支出の割合は、この四半期を通じて増加しました。
一方、家計貯蓄率が11.1%から8.7%に低下した理由は家計支出の伸びが可処分所得の伸びを上回ったためです。このことは、消費者側での消費意欲の高まりを示しています。いずれは、変動金利による住宅ローン費用の上昇など、生活費の圧迫が強まるにつれ、家計貯蓄率は低下すると予想されます。
政府は医療と洪水被害救済のための支出を削減
政府支出は本四半期で0.8%減少し、成長率を0.2%引き下げました。新型コロナウイルス感染症の症例は減少(反面入院者数は増加)し、洪水も1~3月四半期より影響範囲が小さくなったため、医療費と災害復旧費に対する政府支出が減少しました。国防費も、洪水被害を受けた地域社会に向けた支援のため、1~3月四半期は支出が増加したこともあり、今期は減少となりましたが、過去の水準からすれば高水準のままです。
公共投資は引き続き増加
公共投資は、連邦政府と州・特別地域政府が大型インフラプロジェクトへ継続的に投資したため、5.9%増と引き続き堅調です。民間投資は、住宅建設と非住宅建設の両方で業界が苦戦するに伴い、1.5%減となりました。この落ち込みは、機械設備への投資(4%増)でいくぶん相殺されています。
新規の資本的支出(capex)のデータは、企業投資の見通しが堅調(23年度前回概算比で11%以上の計画増加)であることを示唆しています。これは、生産能力の制約があるにもかかわらず、需要が堅調に推移するという民間企業の信頼感によるものです。コストの上昇も、設備投資計画のアップグレードに貢献するでしょう。
住宅投資は生産能力の制約の影響を受け減少
住宅建設は、労働力と生産能力の制約に加え、東海岸で雨天が続いたため、引き続き経済成長の足かせとなりました。
住宅投資の減少は主に新築住宅への投資に見られ、同四半期で3.8%下落しました。改築や増築においても同様に1.6%減少し、前年同期比0.2%減となっています。
金利の上昇は、今後の住宅投資に大きな影響を与えそうです。借り入れコストの上昇は、デベロッパーと個人の両方にとって新築住宅の建設コストに影響し、さらには投入資材や労働力の価格圧力をさらに悪化させるだけでなく、金利上昇は既存の住宅価格にも影響を及ぼしています。オーストラリアの住宅価格は今年初めのピークから3.6%下落し、特にシドニーの住宅価格は1月のピークから8%下落しました。
鉱業、サービス業、地方からの輸出が成長をけん引
純輸出はGDP成長率3.6%に対し、1.0%増という大きな貢献をしています。これは、地方、鉱業、サービス業の輸出を背景に、輸出全体が幅広く増加したことによります。
サービス輸出は、留学生数が回復したため、2桁の伸びを記録しました。これは、低水準からの上昇だったとはいえ、2000年9月期(シドニーオリンピック開催時)以来の大きな伸びです。オーストラリア国民の海外旅行者数の増加により、輸入がこれを一部相殺しました。
価格変動を伴う、非金銭的な金の輸出は、15%近く増加しました。石油・ガス、石炭、鉄鉱石の輸出も数量ベースでは堅調な伸びを示しました。金額ベースでは、石炭の輸出価格が35%以上上昇し、石油・ガスの輸出価格も2桁の上昇を見せていることから、さらに明るい材料となっています。
好調だった3月四半期以降は、在庫の変動により、成長率が1.2%低下しました。
オーストラリア全土で好調な家計消費
州別最終需要は、北部準州を除くすべての州・特別地域で増加しました。