EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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CEOやビジネスリーダーは、この変革の時代に、ステークホルダーにとっての価値を最大化するという任務を負っています。私たちは常識に疑問を投げかけ、収益性と長期的価値を向上させる戦略を構築し、実行します。
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外部からの圧力としては、うち続くテクノロジーの波及効果と新たな競争への対応などがあります。テクノロジーは圧倒的なスピードで進化して各業界を変化させ続けています。こうしたテクノロジーによるイノベーションを取り入れない企業は、競合他社がテクノロジーの力を活用してプロセスの合理化やコスト削減、効率化を図る中、後れを取ることになりかねません。
事業ポートフォリオ変革を計画しているCEOのうち、かなりの割合(31%)が市場環境や市場でのバリュエーション(企業評価)をうまく生かしながら、社内の目標達成を支えることを望んでいます。その背景にあるのは、この1年間でディールのマルチプルが低下したとの認識です。これについては、Dealogic社のデータからも明白であり、EYが分析した結果、EV/EBITDA倍率は2022年末時点の9.9倍から8.9倍に低下していました。
CEOに検討を求める、アクティビスト(物言う株主)からの圧力も再び見られるようになっています。アクティビスト活動は2023年に過去最多を記録しました。地域別で最も多かったのは欧州とアジア太平洋で、いずれも新規活動が最多記録を更新しています¹。アクティビストは今後、企業のトランスフォーメーション計画を慎重に精査し、2024年も年間を通して、取り組みをさらに先へ、もっと加速させることを求める姿勢を強めそうです。CEOは、これまでより大きな圧力を受ける可能性が高く、最も強硬なアクティビストを味方につけておくか、あるいは他のステークホルダーに安心感を与えてアクティビストへの抵抗の支持を取り付けることができるよう、計画と目標を明確に示すことを余儀なくされると考えられます。
そうした中、CEOは、資本を再配分し、財務業績の向上に必要なコアケイパビリティへの資本集中を図るなど、独自の方策も講じて、ビジネストランスフォーメーションを推し進めています。CEOが現在置かれている環境では、1つの正解や、万能なアプローチなどありません。今後は、ポートフォリオ構成・構造と資本配分について、トランスフォーメーション戦略全体に沿って決定を下す必要があると考えられます。