EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EYの関連サービス
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企業の持続可能な成長の源泉として、世界でも日本でも人的資本価値向上の取り組みが活発化しています。EYでは1.人的資本可視化サービス(①ISO30414〈人的資本の国際標準フレームワーク〉認証取得支援、②戦略に基づくKPI/KGI設計支援、③人事データ基盤構想立案支援)、2.リスキリング、3.ミドル・シニアを活性化する自律型マーケットプレイスの構築、4.チェンジマネジメントの4つの人的資本価値関連サービスを統合的に提供しています。
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では付加価値額を成長させるには、どのような因子が考えられるのでしょうか。冨田氏が人財と組織の観点から挙げるのは「ヘッドカウント」「ケイパビリティ」「モチベーション&エンゲージメント」です。
ヘッドカウントとは、適所適財を実現する人財ポートフォリオを指します。ケイパビリティとは、能力開発の観点から見た人財価値を高めるための人財開発投資です。オムロンでは3年で累計60億円の人財開発投資を計画しているといいます。
一方、モチベーション&エンゲージメントとは、適材適所に配された人財が持てる力を十二分に発揮して働ける環境を構築するものです。冨田氏は「モチベーション&エンゲージメントは、人財価値を企業の付加価値に直結させる最も重要な要素です」と説きます。
オムロンではモチベーション&エンゲージメント向上の一環として、2016年からエンゲージメントサーベイ「VOICE」を、2年に1回の頻度で実施しています。VOICEは海外生産拠点のワーカーを除くグローバルの社員約2万人全員が対象で、回答率は90%を超えるといいます。
VOICEで重要視しているのは、「社員と経営陣との双方向コミュニケーションのサイクルを通じ、社員一人ひとりが社会的課題を解決するという志を実現すること」です。冨田氏は「現在は『Try&Learn』の気持ちでこうした取り組みを実施しています。今、人事でもトランスフォーメーションが求められています。このトレンドを前向きに捉えると、過去のしがらみから解放され、ありたい姿の人財戦略を描き直す良い機会なのです」と説明します。
とはいえ人事政策は社員の働き方や待遇に直結することから、制度導入の納得感の醸成や過渡期の対応など、施策の実施から効果が現れるまでに時間的なギャップがあり、それが変革を難しくしています。こうした課題の解決には、企業の枠を超えた“横のつながり”が役に立つと冨田氏は指摘し、以下のように訴えました。
「ビジネスを担う事業部門とは異なり、人事部門は抱えている課題に共通項があります。ですから他社との情報交換や協力がやりやすい領域です。人財は国の大切な資本です。日本企業がグローバルでもっと活躍できるよう、人財が思う存分自分の能力を発揮できる環境を皆さんとともに構築していきたいです」(冨田氏)。