ファイナンス・タレント・トランスフォーメーション

経営環境の急速な変化と企業の課題が複雑化する中で、CFOの役割を「長期非財務重視」、「社会課題解決によるサステナブルな成長」を含めたCVO(Chief Value Officer)へと進化していく必要があります。これらCFOのミッション遂行のため、ファイナンス組織はそのケイパビリティを企業にとってのBusiness Partnerへと変革していく必要があります。

ファイナンス・タレント・トランスフォーメーションサービスは、従来の経理・決算業務を中心とした人材育成から、Business Partnerたるファイナンス・タレントを育成するための体系構築を支援します。

 

1. ファイナンス・タレント・マネジメントの現状

ファイナンス組織は、現在、月次決算や四半期・年度決算といった財務会計を主な役割としています。そのため、ファイナンス組織に求められる業務品質は「記帳や報告の正確性」であり、それを可能にするためにファイナンス・タレントに求められるスキルは「会計・税務の専門知識」であり、マインドセットは「専門家としての知識習得」です。そのため人材育成も勘定科目別や単体・連結決算といった業務種別にローテーションを行うことで、経験による知識蓄積を主眼としているのが実態です。

2. Business Partnerたる人材に求められるスキルとマインドセット

事業計画、予算の達成や長期的価値向上に向けた必要な施策に関するファイナンス視点から、有益な情報提供を行うBusiness Partnerに求められるスキルおよびマインドセットは、従来の財務会計を中心としたファイナンス・タレントとは異なります。Business Partnerとしての付加価値を発揮するためには、「会計・税務の専門家としての知識」ではなく「P/L、BS、CFの仕組みを基にしたビジネス・事業の課題特定と解決策の検討」を担うスキルが重要となります。そのためには「ビジネス視点・経営視点による問題解決を志向」するマインドセットが必要となります。


Finance talent transformation chart

3. Business Partnerの人材育成・人材マネジメント手法

このようなスキル・マインドセットを持った人材は、従来の財務会計を中心とした育成手法で育成することは困難であり、Business Partner人材を育成するための育成・マネジメント体系を構築する必要があります。

まず、Business Partnerとして素養を持った人材を特定し、Business Partnerとして必要なスキル・マインドセットを育成する専用ローテーションを行う「サクセッションプラン」が必要です。しかし、自社・自グループ内に十分なロールモデルとなる人材、戦力となる人材が不足している場合があります。この場合は外部から人材を登用・採用し、社内の候補者にナレッジトランスファーを行う「戦略的採用」が必要となります。また、これらBusiness Partner人材のパフォーマンスを管理し、より成長するために適切なローテーションなどを検討するBusiness Partner人材専用の「タレント・マネジメント」の構築も重要となります。


サクセッションプラン

•  「素養を持った人材(含む在外子会社)」の早期識別とBusiness Partnerを育成するための専用ローテーション
•  「経理部門・事業部門」、「親子」、「国内外」の枠組みを超えた、事業・コーポレート両サイドでのキャリアパス
•  必要なスキル・マインドセットを養うための専用OJT/Off-JT

戦略的採用

• 自前主義に捕らわれない、必要なスキル・マインドセットを有した人材の外部登用・中途採用
• 外部登用・中途採用者が円滑に活躍可能なOnboarding
• 外部登用・中途採用者が有するスキル・マインドセットを既存人材へトランスファーする仕掛け(OJTや研修制度)

タレントマネジメント

• 経験済みキャリアパスの管理と、意図したケイパビリティの会得度合いの評価、および本人のキャラクター・課題の管理
• 成長度合いに応じた、柔軟なローテーションの実施
• 代謝(他機能への異動)を可能にするキャリアパスへの促し


4. サービス概要


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【EY Japan】今後5~10年の間に、CFOの役割は、企業の長期的価値を創出する原動力としての「CVO:Chief Value Officer」に進化させる必要があると考えます。EYが定義するCVOについて、解説します。



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