EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EYの関連サービス
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企業変革の成功率を大きく向上させる秘訣(ひけつ)は、人的資本にフォーカスした6つの主要ドライバーにあります。EYでは、経営幹部や従業員が変革の取り組みにおいて経験する「感情の変化に伴う行動の変化」に関するアセスメント、事前の対応策、効果的管理などをサポートするサービスを提供しています。
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ステップ2: 意味付ける
「意味付ける」ステップでは、巻き込むべき適切な経営幹部と従業員の代表者を集めて問題を意味付けし、今後の方向性を共同で見いだします。つまり、組織全体から代表メンバーを集めて(しばしば、実際に顔を合わせる機会を設けて)、問題の本質を共に理解し、結果に対する主体性を醸成するということです。その後に、その問題の表面的な事象ではなく本質を探ります。
KPIなど⼀般的なダッシュボードに表⽰される主要な遅⾏指標は、明確で理解しやすい情報を提供しているように⾒えます。そうした表⾯上の客観性は意思決定の根拠として使いたくなるものですが、遅⾏指標は遡及型であるため、未来の⾏動を指し⽰すものとしてはあまり有効ではありません。他⽅、重要⾏動指標(KBI)や感情⾯のサインは、それよりもはるかに主観的で漠然としており、理解しにくいものです。もし、そうしたサインが感情エネルギーの変化を⽰しているのであれば、次のステップとしてその根本原因を探ります。
経営幹部は、変革プログラムを再び軌道に乗せるために何をすべきか見極める必要があります。転換点を成功裏に乗り越えるには、錯乱する情報の中から警告サインを感知し、その警告サインが意味するところを解読することが不可欠です。
インタビュー調査に参加したある企業は、働き方を検証し改善するために一連の小規模プロジェクトを立ち上げました。同企業の変革リーダーは、次のようにコメントしています。「自社の小規模プロジェクトはどれも不完全な状態での試みとなりましたが、その時々で最善の成果を創出することができました。従業員はプロジェクトのさまざまな要素を実際に活用し、改善点についていろいろ気付きを得ました。そこで、プロジェクトごとに得られた気付きの中からベストプラクティスと判断されるアイデアを実際に取り入れました。その結果、作業効率が60%から80%に改善しました。その後もさらにプロジェクトを展開し、改善度が80%から95%に達するなど、継続的に改善を行うことができました」
ステップ3:行動する
変⾰プログラムのリーダーは、問題を感知しその問題の本質を理解している、または理解しようと試みているのであれば、次のステップである「⾏動を起こす」必要があります。その際に重要となるのは、⼈を中⼼に据えたアプローチです。変⾰の取り組みで直⾯する特有の問題に対処しようとする場合、このアプローチに基づき⾏動することが⾮常に重要となります。
ここで言う「行動を起こす」とは、初回の共同研究で特定された変革を成功に導く6つの主要ドライバーを実践しながら、組織全体の連携を可能にし、奨励する環境を再構築するということです。行動を起こす際には、多くの場合、意味付けが必要です。これは、経営幹部が継続的に最善の行動を判断する必要があるからです。ある企業のシニアマネージャーは、次のようにコメントしています。「私たちは、経営上層部、すなわち最高経営責任者(CEO)の直下に位置するリーダーシップチームや上級管理職に、変化の必要性を訴えました。問題点を説明するための場を設け、経営上層部全員に集まっていただきました。問題点を提起することは、同時に解決策を提起することにもつながるからです。結果として、私たちはそれを実行できたと思います。変革の第2フェーズに関連する多くの変革を成し遂げることができました。それは本当に、期待以上の成果となりました」
ステップという概念は一方通行のプロセスに見えますが、上記3つのステップは互いに影響し合う動的な関係にあります。これらのステップの効果を最大限に引き出すためには、ステップ間の相互の流れを保つことが不可欠です。