EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
このたび、私たちが2024年度を通して、EYのメンバー、クライアント、そして社会のために持続可能な長期的価値を創出するために行ってきたコミットメントや活動を詳細にまとめたEYの年次統合報告書 『EY Value Realized 2024(「本レポート」)』 を発表できることを、大変うれしく思います。
本レポートは、EYのパーパス(存在意義)である「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」、そして、私たちのカルチャーやバリューを映し出しています。
本レポートの内容をご紹介する前に、私の前任者であり、長年にわたりEYをリードしてきてくれたカーマイン・ディ・シビオと共に、私は世界中を訪れました。そこでEYのクライアント、メンバーファームのパートナーやメンバー、規制当局者と対話しながら、安定したスムーズな引き継ぎ期間を過ごしました。
世界各国の訪問を続ける中で、私が目の当たりにしているのは、ステークホルダーのために強みを生かして価値の創出に専念する、力強いEYという組織であり、私はそのことを誇りに思います。
また、EYがメンバーに持続的に投資する組織であることも実感しています。過去5年間、EYはメンバーに1億時間を超える学習時間を提供し、研修に21億米ドルを投資して、一層多様で公正かつインクルーシブなカルチャーを醸成してきました。EYは、ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス(DE&I)および社会のエクイティ(公正)への取り組みを広げる一環として、社会的流動性や社会経済的なインクルージョン(英語版のみ)にも重点を置いてきました。これは、人は育った環境とその親以前の世代の教育や収入によってアクセスできる資源やネットワーク、機会が左右される可能性があることを理解しているためです。
EYはクライアントへのサービス展開を継続的に強化している組織でもあります。2024年度に85の買収案件、77のアライアンス、100以上のエコシステム形成、そしてデータや人口知能(AI)を含む最先端テクノロジーへの投資を行いました。この1年に、信頼でき責任あるAIの導入を通じてクライアントのビジネストランスフォーメーションを支えるため、EY.ai(英語版のみ)を開始しました。また、EYの対話型AIアシスタントであるEYQを開発し、2023年9月の導入以降、6,800万件以上のプロンプトが入力されています。
さらに、EYは社会と地球に影響を与えている組織でもあります。2018年にEY Ripplesを立ち上げて以来、1億9,200万人以上の人々にポジティブな影響をおよぼし、コミュニティのイニシアチブに380万時間以上を費やしてきました。また、温室効果ガス(GHG)の絶対排出量を2019年度の基準値に対して40%削減しました。
本レポートでは、こうしたさまざまな分野においてEYのメンバー、クライアント、そして社会のためにEYが行っている取り組みを紹介するとともに、世界経済フォーラム国際ビジネス会議(WEF-IBC)のステークホルダー指標を引き続き開示します。また、EYは国連グローバル・コンパクト(UNGC)に継続して参加しており、本レポートではUNGCの10原則へのコミットメントを再確認しています。
私たちは、世界中に約40万人のメンバーを擁する業務収入500億米ドル以上の組織となったことを誇りに思っており、これはビジネスにおける重要なマイルストーンであると考えています。そしてこれからは、次の500億米ドル以上の業務収入獲得への道筋をつくる時です。
加速するテクノロジーの変化から、不安定さを増す地政学的環境や社会および気候変動に起因する課題まで、世界中の組織が非常に複雑な問題に直面していることを私たち全員が痛感しています。これらの問題自体は新しく生じたものではありませんが、その影響はますます大きく、広範囲におよび、互いに関連し合っています。
All inとは、非常に複雑で急速に進化するAIやテクノロジー主導の時代において、ステークホルダーをリードし、EYのクライアントやメンバー、そして社会に新しい価値をもたらし、Shape the future with confidenceを実行するためのEYのグローバル戦略(英語版のみ)です。
私たちはこのことを固く信じており、Shape the future with confidenceを新たなタグラインとして掲げました。EYのロゴに添えられたこのタグラインは、どんな課題に直面していようとも新たな価値を創出し、資本市場の信頼を高めるというEYの揺るぎない決意を示しています。このコミットメントにより、私たちの永続的なパーパスである「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」に向けて、引き続き前進することができるのです。
EYのクライアントにとってShape the future with confidenceとは、新しい課題や機会に立ち向かう時に、EYが信頼できるパートナーとしてクライアントを支え、共に未来への道筋をつくることを意味しています。EYのメンバーにとっては、メンバーの将来のニーズやキャリアをサポートし、クライアントが抱えるより複雑な課題の解決に向けて力を発揮できるようにすることを意味します。社会にとっては、変化するニーズを踏まえてポジティブな影響をもたらすことを意味します。
All inは、監査品質への揺るぎないコミットメントを果たす一方で、トランスフォーメーション、マネージドサービス、サステナビリティといったEYがポジショニングを確立している領域において、戦略的かつ未来にフォーカスした投資を行います。これにより、目的を持った持続可能な成長を通じてEYの新たな展開を形づくっていきます。
また、EYは国境や地域を超えて協働する新しい手法を生み出すことで、より強力な組織を構築します。そしてテクノロジーやデータ、AIを駆使してサービスの提供方法を迅速に進化させていきます。
私たちはEYのメンバーへの投資を続けていきます。EYは、メンバーへの価値提案(EVP)を刷新し、彼らが最も重要視すると答えたスキルの開発と、ウェルビーイングを優先すること、インクルーシブでポジティブなカルチャーの構築に焦点を当てました。
そして、共にこれらすべてを実行していきます。All inは、ビジネス戦略であるだけではなく、姿勢であり、働き方でもあります。40万人近くのEYメンバーの多岐にわたるスキルを集結して、変化する世界を予測し、その過程でEYのクライアントとメンバーのShape the future with confidenceをサポートします。
EYの新戦略には変化が伴います。しかし、組織としての私たちの在り方を示す根本的な原則は変わりません。EYのパーパスは今後も「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」であり続け、EYのバリューとカルチャーは引き続きEYにとって不可欠です。
これまで一歩一歩成長を積み重ね、EYの今があります。私たちは、EYのクライアントとメンバー、そしてさまざまなコミュニティが課題に取り組み、私たち全員が機会をつかむために必要な、未来に向けた投資や取り組みを進めています。
EYが新たなグローバル戦略を実行する中で、私は率直さと透明性、説明責任を持ち、また来年のこの時期にEYの成長を皆さまにご報告できることを楽しみにしています。