香港、国外源泉所得非課税制度(FSIE税制)の修正案(前編)

香港 Tax Alert 2022年9月23日

本稿では、次の2点について、EYの見解を説明いたします。

「香港にて受領(received in Hong Kong)」と「純粋持株会社(pure equity holding company)」の定義・ 解釈、及び包括的な二重課税防止協定(以下、「CDTA」)の目的で発行された居住者証明書(以下、「CoR」)と修正FSIE税制案との関連性
 

広範囲な修正を含むFSIE税制の修正案が2023年1月1日から発効する見込み

香港において経済的実体がなくても、特定のオフショア受動的所得が非課税となる点に対して、EUは懸念を有しております。当該懸念を払拭(ふっしょく)するための香港FSIE税制の修正案は、多くの納税者に影響を与えることになるでしょう。

納税者が多国籍企業(以下、「MNE」)グループの構成事業体である場合、内国歳入法の セクション14における課税対象に該当し、この修正FSIE税制が適用されるからです。

MNEグループは広く定義されており、(i)最終親会社の所在地国・地域以外に構成事業体を有するグループ、及び(ii)本社の所在地国・地域以外に恒久的施設を有する企業が含まれます。この定義には収益や資産の規模に関する定量的な基準はありません。

2023年1月1日より、納税者が、香港で受け取ったオフショア受動的所得の非課税扱いを享受するためには、香港において一定の経済的実体要件を満たす必要があります。

オフショア受動的所得は、(i)配当金、(ii)株式又は持分に係る譲渡益(譲渡益)、(iii)利息、(iv)知的財産からの収入(IP所得)の4種類が対象となる予定です。

IP所得に関する経済的実体の要件については、香港での適正な規模の雇用や営業経費といった経済的実体要件の代わりに、ネクサスアプローチ要件が採用される予定です。

修正FSIE税制において、納税者は、配当金や譲渡益を非課税とする要件として、経済的実体要件を満たす代わりに、資本参加免税の条件を選択することができます。

香港政府がコンサルテーション・ペーパーを公表した後、われわれはクライアントの皆さまから本件に関する多くのご質問とご意見を頂きました。われわれは、これらに対する見解を取りまとめて、政府に提出しました。政府は、われわれが提出した意見を検討し、必要に応じて、10月下旬~11月上旬に予定されている修正法案に反映させるものと理解しています。

本稿では、クライアントの皆さまからの共通のご質問に対するわれわれの見解を説明します。

原文:Proposed refined foreign source income exemption regime (FSIE regime) – Part one
 

※全文は下記PDFからご覧ください。


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