EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 浦田 千賀子
企業会計ナビから、2024年3月期決算に向けてチェックしておきたい記事を特集します!
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新しい又は改正された会計基準において、2024年3月期に原則適用となるもの、早期適用が可能なものは以下の表のとおりです。
区分 |
会計基準等 |
適用時期 |
---|---|---|
電子記録移転有価証券表示権利 |
電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(実務対応報告第43号) |
原則適用 2023年4月1日以後開始する年度の期首から適用 早期適用 当該実務対応報告の公表日(2022年8月26日)以後開始する事業年度及び四半期会計期間から適用可能 |
電子決済手段 |
資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い(実務対応報告第45号) |
公表日(2023年11月17日)以後適用 |
税効果会計 |
グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い(実務対応報告第44号の改正案) |
公表日(2024年3月22日)以後適用 |
パーシャルスピンオフの会計処理 |
自己株式及び準備金の額の減少に関する会計基準の適用指針(改正企業会計基準適用指針第2号)等 |
公表日(2024年3月22日)以後適用 |
電子記録移転有価証券表示権利については、こちらの記事もご参照ください。
電子決済手段に関しては、こちらの記事もご参照ください。
区分 |
公開草案等 |
検討状況及び今後の計画 |
---|---|---|
リースに関する会計基準 |
リースに関する会計基準(案)等 2023年5月2日公表 |
2023年8月にコメントを締め切り、公開草案に寄せられたコメントへの対応を検討している |
金融商品に関する会計基準 |
― |
2022年4月より、コンバージェンスの一環で予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損についての会計基準の開発に向けて、IFRS第9号「金融商品」を元に審議を行っている |
四半期報告書制度の見直しへの対応 |
中間財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第33号)等 2024年3月22日公表 |
今後は左記の「中間財務諸表に関する会計基準」及び企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」を統合した会計基準等の開発の要否を検討することとしている |
上場会社等が保有するベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分に係る会計上の取扱い |
― |
2023年11月に企業会計基準諮問会議から提言を受け、上場企業等が保有する組合等への出資持分に関して、VCファンドに相当する組合等の構成資産である市場価格のない株式を中心とする限定した範囲の会計上の取扱いについて検討を行っている |
ICOトークンの発行・保有等に係る会計上の取扱い |
資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理 2022年3月15日公表 |
2022年6月にコメントを締め切り、現在論点整理に寄せられたコメントへの対応を検討している |
グローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応 |
グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(実務対応報告第46号) 2024年3月22日公表 |
2024年4月1日以後開始年度から適用 |
子会社株式及び関連会社株式の減損とのれんの減損の関係 |
― |
2017年10月より検討を開始している |
グローバル・ミニマム課税制度に関しては、こちらの記事もご参照ください。
2025年3月期から原則適用となる税金関連の会計基準の改正等についてはこちらの記事もご参照ください。
高品質で国際的に整合性のあるサステナビリティ開示基準を開発するにあたり、グローバル・ベースラインとされるIFRSサステナビリティ開示基準と整合性のあるものとすることが市場関係者にとって有用であると考えられたことから、我が国のサステナビリティ開示基準においても、IFRS S1号に相当する基準及びIFRS S2号に相当する基準の開発に取り組むこととし、検討を重ね、2024年3月29日に以下のサステナビリティ開示基準の公開草案が公表されています。
サステナビリティ基準委員会(SSBJ)ウェブサイトへ
サステナビリティに関する開示及びコーポレートガバナンスの状況等の開示が2024年3月期の有価証券報告書のレビュー対象とされたことも踏まえ、より留意が必要となります。
ここでは、2023年3月期決算の有価証券報告書における実際のサステナビリティに関する開示についての事例分析をご紹介します。
2023年11月、四半期開示制度の廃止を含む改正金融商品取引法が可決成立しています。この改正により、上場会社の第1・第3四半期の開示は、東証の規則に基づく四半期決算短信に一本化されることとなりました。
これに関連し、企業会計基準委員会より、2024年3月22日に、企業会計基準第33号「中間財務諸表に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第32号「中間財務諸表に関する会計基準の適用指針」が公表されました。
これは、開示義務が残る第2四半期については中間財務諸表が開示されることになることから、当該中間財務諸表に係る会計処理及び開示に関する取扱いを定めるものとなります。
2024年3月期決算で関連する2024年3月28日に公表された、令和6年度税制改正に関する情報はこちらからご確認ください。特に、戦略分野国内生産促進税制の創設、イノベーションボックス税制の創設、外形標準課税制度の見直しの3点については、税効果会計に影響を及ぼす可能性があります。
最近導入事例が増加しているインセンティブ報酬について、詳細な解説を記載しています。
2023年5月2日に企業会計基準委員会(ASBJ)及び日本公認会計士協会(JICPA)から「リースに関する会計基準(案)」等の公開草案が公表されました。
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