EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
公認会計士 内川 裕介
公認会計士 高野 昭二
【設例】
(1) A社の仕訳
※B社株式の適正な帳簿価額
(2) B社の仕訳
(3) C社の仕訳
旧親会社A社株式
※1,500=資本金1,000+利益剰余金500
増加資本1,500については、払込資本の増加(資本金又は資本剰余金)として処理します。ここでは資本金の増加としています。
①旧親会社A社持分相当額(80%)
共通支配下の取引となるため、B社の株式移転日の前日における適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて算定します。
※640=(資本金500+利益剰余金300)×80%
増加資本640については、払込資本の増加(資本金又は資本剰余金)として処理します。ここでは資本剰余金の増加としています。
②非支配株主持分相当額(20%)
非支配株主との取引となるため、C社が非支配株主に対して交付したC社株式の時価に基づいて算定します。
※時価相当額200
増加資本200については、払込資本の増加(資本金又は資本剰余金)として処理します。ここでは資本剰余金の増加としています。
(4) 株式移転後のCホールディングス社貸借対照表
移転直後のCホールディングス社貸借対照表は次のようになります。
(5) 連結財務諸表における仕訳
※B社株式の取得原価200と減少する非支配株主持分160(=(資本金500+利益剰余金300)×20%)との差額は資本剰余金として処理します。
A社が受け入れたCホールディングス社株式は、連結財務諸表上では自己株式となるため、自己株式に振り替えます。
共通支配下の取引であるため、株式移転前後で連結財務諸表の資本構成が異なる場合には、株式移転前の連結財務諸表上の資本構成に戻す必要があります。すなわち、利益剰余金の金額は株式移転前後で影響はないため、株式移転前の利益剰余金の金額に調整する必要があります。
また、連結財務諸表上の資本金はCホールディングス社の資本金となるため、株式移転前のA社(旧親会社)の資本金が異なる場合には、その差額を資本剰余金に振り替えます。
※Cホールディングス社資本金1,500-A社資本金1,000
(6) ホールディングス会社設立前後の連結貸借対照表
わかりやすい解説シリーズ「企業結合」(平成25年改正会計基準)