EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
要点
英国スコットランド・グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)は、気候危機に対する世界の対応の⼤きな分岐点となるでしょう。直前に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)から発せられた厳しい警告からも、極めて⼤規模な変⾰と迅速なアクションが必要なことは⽕を⾒るよりも明らかです。
金融機関は、気候危機に対し世界的規模で対応するに当たり、重要な役割を担っています。多くの金融機関がリーダーシップを発揮することに非常に意欲的です。また、削減に取り組んでいるのは、自らのエネルギー使用に伴うスコープ1とスコープ2の温室効果ガス排出量だけではありません。自身が出資、投資、保険契約、あるいは支援するクライアントの活動に伴う「金融に係る排出量(financed emissions)」を含めたスコープ3の排出量の削減にも力を入れています。
金融業界が、自らの所属する社会と無関係に単独で行動することはできないことを認識するのは重要です。各金融機関が独自の脱炭素化戦略を打ち出す必要があり、投資家・顧客・規制当局・政府などさまざまなステークホルダーに向き合わなければならないためです。ここで鍵を握るのが官民連携です。
金融機関がどのようなアプローチを選択したとしても、金融に係る排出量を削減し、ステークホルダーと目的意識を共有するためには、信頼できる脱炭素化(PDF、英語版のみ)計画を打ち出せるかどうかが非常に重要になってきます。この実現の可否を左右する喫緊の課題は大きく分けて3つあります。
本稿では、スコープ1~3を含めた全体的なCO2排出量について脱炭素化を目指す金融機関が、これらの課題に対処していける方策を探ります。具体的にはまず、金融機関が直面している不確実性と、業界が今突き付けられている最大の課題を明確にします。その後、市場をリードする脱炭素化計画の策定に当たり活用できる4段階の実践的なアプローチを紹介します。これは、組織が掲げる⽬標の達成に役⽴ち、かつ、より重要性の高い、世界の気温上昇を産業⾰命以前の⽔準プラス1.5℃以内に抑えるために最終的に必要となる実体経済の変⾰をもたらすアプローチです。
第1章
多くの金融機関が、金融に係る排出量を削減するという意欲的な取り組みを進めています。
企業、金融機関、自治体、そして130を超える国・地域が、今世紀半ばまでに温室効果ガス(GHG)排出量の実質ゼロ(ネットゼロ)を達成するという目標に向けて取り組むことを約束または計画しています。ネットゼロは、極めて重要な長期目標です。その一方で、特にGHG排出量の多い国を中心に、2020年代のうちに排出量を大幅に削減するという目標の達成もまた、地球温暖化を抑え、居住可能な気候を守る上で欠かせません。
投資家と顧客からの圧力に直面し、また一部では規制が義務化される見込みであることを受け、多くの金融機関は今、スコープ3の金融に係る排出量を削減するという意欲的な取り組みを進めています。現在までに、主要な金融機関の約50%が2050年までのネットゼロ達成という目標を掲げています。
このような意欲の高まりは歓迎すべきことですが、金融機関は、これを実現し、金融システムの再構築の一翼を担うという大きな課題に直面することになりました。これには脱炭素化の資金提供の拡大と、移行のための資金を調達する新たな手法の開発が不可欠です。とはいえ、個々の金融機関にとっては、信頼できる脱炭素化計画の策定が何よりも欠かせません。国際キャンペーン「Race to Zero」とその経済的アライアンスやイニシアチブそれぞれの取り組みによって、これは大幅に前進したものの、金融機関は計画の実行に当たり、まだ以下のような重要な検討課題を抱えています。
このような取り組みとアクションでは、今後の5~10年間がとても重要な時期となってきます。2050年までにネットゼロを達成するには、2030年までにGHG排出量を半減させなければなりません。比較的容易に達成できる目標にはすでに達成したものもあるとはいえ、すべてのセクターの変革を金融業界が後押しするには時間が足りません。
最後に、低炭素ソリューションの急速な拡大により生じる可能性のある機会を見逃さないよう注意する必要があります。気候変動対策は従来、脱炭素化に向けた負担を担うために必要なものと位置付けられてきました。しかし、これとは異なる見方が広まりつつあります。世界的な移行が、かつてないほどの価値創造の可能性を秘めたイノベーションと技術革命に参画する機会を金融機関にもたらすというものです。
第2章
主なハードルは、排出量の基準値の策定と科学的根拠に基づいた戦略の構築です。
組織のCO2排出量全体の現状を評価するに当たって特に大きな課題となるのが、排出量の帰属を決めることです。自らに「帰属」する排出量の境界線をどこで引くか、各スコープに該当するのはどの排出量か、どの定量化方法を用いるべきか、あるいはその方法を用いる必要があるかどうかの判断に苦労する金融機関もあるかもしれません。
残念ながら、企業の現在の気候データは整合性のないことが多く、不完全なものがほとんどです。実際のGHGデータを取引先から直接入手できないときには、活動データや業界平均など代用のデータから推計する必要があります。
金融機関の場合、その機関が出資、投資、保険契約、あるいは支援するクライアントの活動に伴う、金融に係る排出量のプロファイルの精査と、その算定基準をきっちりと記録しておくことも必要です。とはいえ、算定方法はまだ黎明期にあります。GHG会計に対応し、世界的に認められた基準を求める業界の声を受けて、金融における炭素会計パートナーシップ(Partnership for Carbon Accounting Financials:PCAF)が先ごろ、6つのアセットクラスをカバーする、金融に係る排出量の算定基準を策定しました。また、国連が招集する各ネットゼロアライアンスに金融機関が参加し、共同で取り組んでいることもまた、新たな手法の枠組みづくりに向けて連携する機運を生む一助となっています。しかしギャップも依然として残されており、今後、これを解消する必要があるでしょう。
金融機関の参考になる気候シナリオと移行の道筋はさまざまにあります。しかし、将来を見据えたものというシナリオの性質上、いずれも基本となる経済面・社会面・環境面の動向が今後どのように推移するかという仮定に基づいたものです。金融機関は、各種の業界主導型と内部主導型のアプローチの中から選択することになります。それぞれにメリットと限界があり、場合によっては、各ポートフォリオや融資状況に最も合うのはどの手法か、取引先間の比較に最も適しているのはどの手法かを見極めることは難しいかもしれません。
リーダーシップを発揮するためには、気候科学の最新の知見を活用し、意欲の高さを示すことができるよう、パリ協定の目標に沿った組織の目標の設定を検討する必要があります。可能な場合にはScience Based Targetsイニシアチブ(SBTi)などの手法を用いること、また、排出量の多い産業の脱炭素化や気候変動対策の拡大を後押しすることが最善策です。しかし、多くの手法はまだ変化の途上であり、また通常は活動内容やアセットクラスに応じて一部の金融機関にしか適用できません。
脱炭素化の手段を選択することは、金融機関が出資・投資を行う、あるいは保険契約を結ぶ企業・活動・資産を選ぶ方法に具体的な変更を加えるということであり、実効性のあるネットゼロ戦略を立てる際に大きなポイントとなります。しかし、脱炭素化に必要な手段をしっかりと把握し、十分に一致協力して実施することは、非常に意欲的な金融機関であっても大きな困難を伴い、難しい決断を迫られます。ネットゼロの達成に近道はありません。
適した手段を選ぶことが難しい理由はいくつかあります。まず、今後10年以内の排出量の実質的な削減が極めて重要な課題となっていることです。2つ目としては、単なるダイベストメント以上の対応が求められていることが挙げられます。取引先に寄り添い、低炭素化を支援しなければ、実体経済で脱炭素化を実現することはできないでしょう。3つ目は、気候変動対策を提供するクライアントや活動への資金の流れを急いで増やす必要があることです。そして最後は、ネットゼロの目標と、他の持続可能な開発目標や、より幅広い社会的・経済的・政治的要素に関する認識とのバランスを取る必要がある点です。社会や豊かさにとってマイナスになるような脱炭素化の取り組みが、公的支援や政治的支援を得ることはできません。
このように支援や積極的な関与が必要となるため、コミュニケーションもまた戦略を成功に導く極めて重要な要素です。ステークホルダーの信頼と賛同を得るためには、脱炭素化戦略の内容と戦略の背景にある考えを、投資家、クライアント、主なパートナーに明確に伝える方法を見いだす必要があります。
世界中で、公的機関と規制当局が非財務情報開示の強固な枠組みの策定を進めています。その1つが移行計画に係る新たな要件で、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が発行するガイダンスの中核的要素となってきました。英国の金融行為規制機構などの規制当局は現在、企業の気候関連の財務情報開示がTCFDの提言に沿ったものであるかどうかの判断を下す際に、このガイダンスを参照する意向を示しています。一方、グリーンファイナンス認証制度の構築を図る欧州連合(EU)は、短期目標と進捗状況の報告を含めた移行計画の開示をすべての大手企業に義務付ける方針です。
ネットゼロを達成する上で透明性の確保は不可欠で、そのためのあらゆる取り組みが歓迎されます。しかし、以前に比べ調整がうまくなされるようになったとはいえ、真の統一化に向けた取り組みはまだ始まったばかりです。基準の数は増え続け、枠組みも策定段階のままであり、さまざまな解釈がなされ、食い違いが広がっています。規制ではなく、市場原理が変化を促している国もあります。新たな枠組みの中には、成熟度の低い市場にそぐわないものも少なくありません。このような限界が、確かなデータを意思決定の基準として重んじる金融機関に大きな課題を突き付けているのです。
さらに、明瞭な情報開示の重視はもろ刃の剣です。金融機関自体が、脱炭素化の進捗状況を投資家などのステークホルダーに可能な限り透明性をもって伝えることができる体制を整える必要があります。しかし現在のところ、気候関連の情報開示は、主要な財務諸表の情報と同様に信頼でき、有用だと言えるような水準には到底達していません。
第3章
実効性のある枠組みを作ることで、排出量を削減し、ステークホルダーに寄り添うことができます。
金融機関にとって、自らの活動を変革しながら経済全体を新たな体制へと導くことは非常に難題です。しかも、待ったなしの状況です。CEOには体制をつくりながら取り組みを並行して進めることが求められます。
課題はありますが、信頼できる脱炭素化計画を策定するために実践できる現実的な4つのステップがあります。全体的な目標は、排出量を測定・モニタリング・削減し、進捗状況をステークホルダーに伝えることのできる枠組みづくりです。目標を達成するためには、各ステップを実用的な設計原則にのっとったものにしなければなりません。
EYでは、これを脱炭素化の枠組みと呼んでいます。実践的なステップを、気候科学に沿ったものにするというアプローチであり、信頼できる移行計画の構成要素を組み立てることができます。信頼できる脱炭素化計画を立てることで、ネットゼロ目標に対する信頼を高めるとともに、目標をどうやって達成するのかという明確な根拠をステークホルダーに示し、価値をどのように守って創造しているかをはっきりと伝えることができるのです。また、政府、株主、顧客が現在の、あるいは今後生じる可能性のある資金調達ギャップを理解し、適切な対応を練る上でも役立ちます。
金融機関は、自らのバランスシートと損益計算書は深く理解しています。その他のスコープ1・スコープ2・スコープ3の排出量について理解を深めるにつれ、自身が持つ財務の知識を、現在のスコープ3の金融に係る排出量のマッピングに応用する必要が生じます。これが、ネットゼロの実現に向けた最初のステップです。
金融機関の構造とバランスシートは複雑なため、各種の活動やセクターの間で排出量の帰属をどのように決めるかを厳密に定めておくことが重要となります。ステークホルダーのエンゲージメントと賛同を得るためには、このプロセスに各事業部門を巻き込むことが必須です。帰属を明確にした後に重要となるのは、実際のデータ・推計データ・代用データに対する手法の妥当性と、それに伴うデータ要件を見極めることです。炭素会計の原則を事前に定めておくと、取引先からどのデータを集めることができ、どの数字を推計しなければならず、また代用データが必要な場合にはどの手法を用いるかの判断に役立ちます。こうしたことは、PCAFの基準や、「Race to Zero」に参加している金融機関のネットゼロアライアンスで実施されている作業プログラムをもとに行うことができます。
文書化とガバナンスも鍵を握っており、その決定が排出量の絶対的な変化につながる場合などは特に、今後精査の対象となるでしょう。金融機関は、各クライアントの金融に係る排出量のプロファイルを把握し、用いられた算定方法をすべて記録しておかなければなりません。
データ入力とデータの可用性を巡っては、相変わらず白熱した議論が繰り広げられています。EYのチームは、150を超える環境・社会・ガバナンス(ESG)に関するデータのプロバイダーを、既存の報告要件に照らして評価してきました。炭素会計の中の基礎的な分野であっても、金融機関は複数のプロバイダーから選ぶことができます。そのため各金融機関は、データプロバイダーを評価する明確な目安を定め、選んだプロバイダーが自らの事業内容に適した事業者であり、徹底的な審査の上で選定されたことを示す必要があります。
ネットゼロ目標と、取締役会レベルでの目標や組織としてのより幅広いESGへの取り組みとを直接結び付けることが、信頼できる移行計画作りの中核になります。また、ネットゼロ目標を組織全体に浸透させ、(リスクや財務などの)業務上および経営上の観点から、すべての戦略的優先課題に反映させる必要もあります。主要なステークホルダーには、現在管理しているリスクだけでなく、信頼できる移行計画に伴い生まれる機会も明確に示さなければなりません。特に焦点を当てるべきは以下の4点です。
このすべてを可能にするためには、CEOをトップとするガバナンス構造の明確化と透明化を図る必要があります。権限を持つ経営幹部が実現を促す施策とKPIを策定しなければ、組織に真の変化をもたらすことはできません。主要な金融機関では、このような指標に報酬を連動させる仕組みが構築されることになるでしょう。
同時に、今設定している目標を完全にはコントロールできないことを認識する必要もあります。どこに、どのように資金を提供するかを決めることはできても、政府と消費者の行動やイノベーションの速度に直接影響を与えることはできません。金融機関は、クライアントの移行を促すという役割に注力し続けながら、政策・テクノロジー・公共の行動に関する動向について自らが設けた仮定を明確にする必要があります。
以上の点から、脱炭素化には気候科学に裏打ちされた道筋が不可欠です。リーダーシップを発揮するためには、SBTiへの参加を検討する必要があります。そうすることで、自らが選んだ移行の道筋に合わせて、中期(2025年と2030年)と長期(2050年)の金融に係る排出量の削減目標を設定することができるでしょう。具体的には、以下のような目標です。
実効性のある脱炭素化戦略を立てるには、まずポートフォリオに含まれるすべての活動に対してとる脱炭素化のアプローチ候補の適合性を評価する必要があります。各事業部門、セクター、アセットクラスで用いる可能性のある手段のリストを作成し、以下の3つのカテゴリーで分類するとよいでしょう。
このように選定した対応策候補について、排出量、リスク、コスト、顧客との関係に及ぼす影響に応じて優先順位を決めます。こうして実行可能な手段を絞り込みます。
次に、各手段が及ぼす影響度を算出し、脱炭素化計画に盛り込んだ短・中期目標に照らして評価します。各手段の実施とその効果の追跡は(2回目以降の実施とその効果のトラッキングを含め)その金融機関が定めたガバナンスと枠組みの中で管理する必要があります。これが最終的に、エンゲージメントや参加についての選択に対する各金融機関の立場を反映し、「グリーン」なファイナンス・投資・保険の明確な基準を明らかにする脱炭素化ポリシーの公表につながるのです。
脱炭素化戦略の確かさに対してステークホルダーの納得を得るためには、効果的なコミュニケーションと報告が不可欠です。低炭素経済推進イニシアチブ(Transition Pathway Initiative:TPI)では、企業の排出量の管理と報告を評価する際に、以下の2つの要素を考慮に入れています。
管理の質と排出量の実績については、この2つが必ずしも比例していないことが調査で明らかになっており、別々に考慮します。金融に係る排出量に関係する確かなデータがあまりないことから、これは特に金融サービスについて言えることです。今後は、金融機関の管理の質が急速に向上するものの、それに伴う排出量実績の向上の速度はそれより緩やかになると考えられます。
これとは対照的に、金融機関の脱炭素化報告の質と透明性は、概して管理の質の向上と歩調を合わせるように高まっています。セクター別のベンチマーキングは、排出量実績の評価で非常に重要な役割を果たしていますが、開示された情報だけに依拠している場合が少なくありません。EYは2020年、Climate Action 100+に協力し、気候変動緩和に向けた移行における企業の実績の評価に必要なデータを取得して構造化する最初の枠組みづくりに取り組みました。この枠組みでは、TPIの公開情報の評価方法に沿って、企業の報告の質を示す主な指標を選定します。
またこれにとどまらず、金融機関が実績の報告を、より幅広いステークホルダーに脱炭素戦略の内容、その論理的根拠や、それに伴って具体的にどのような影響が生じるかを伝える取り組みの中で行うことで、排出量削減の実現に対するステークホルダーの信頼を高めることができるでしょう。
脱炭素化の動きが加速してきたにもかかわらず、現在の変革のペースでは、多くの金融機関でネットゼロ目標の達成はもちろん、気候変動を許容範囲内に抑えることもできません。科学的根拠に基づき、信頼できる道筋を立てることで、自らが設定した脱炭素化目標を達成し、かつ、このアプローチに対するステークホルダーの賛同を得るメカニズムを作り出すことができます。上述の4つの段階を繰り返すことで排出量を削減できるはずです。
このアプローチを成功させるためには、脱炭素化の取り組みを支えるのにふさわしい組織文化とマインドセットが必要です。強い目的意識の共有が、機運を高めて維持する上で鍵となります。同様に、多くの課題があっても脱炭素化の取り組みを進めるという意欲もまた重要です。そのため、信頼できる移行計画の構成要素は、以下の実用的な設計原則にのっとったものでなければなりません。
気候変動対策において、ネットゼロは最終目的ではありません。とはいえ、地球を今後も住み続けられる環境に保つ長い道のりでの大きな目標であり、多くの金融機関が今、その達成に向け取り組んでいる目標でもあります。信頼できる脱炭素化計画を立てることで、その目標へと導いてくれる地図が見えてきます。しかし、地図だけでその道のりを歩んでいくことはできません。その途中で直面する障害、必要となるリソース、そして、目指すところへと到達する道筋をつける、革新的な新しい方法を見極める必要もあります。
金融機関は、自らのCO2排出量だけでなく、クライアントの活動に伴う排出量も削減するという意欲的な目標を設定しています。こうした目標の実現には、信頼できる脱炭素化計画が不可欠です。そのような計画の策定により、科学的根拠に基づいたCO2排出量削減目標を立て、気候変動対策を拡大し、顧客・規制当局・投資家・政府との間で信頼と機運を醸成することができます。実用的な設計原則に裏打ちされた4つの実践的なステップを踏むことで、市場をリードする脱炭素化計画を策定し、ネットゼロの実現に向けた道筋をつけることができます。