ニュースリリース
2023年3月14日  | Tokyo, JP

EY Japan、「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」の経済波及効果を1.2億円、社会的価値を1.9億円と試算(速報値)

プレス窓口

スポーツのソーシャルKPIメソッドを開発

  • EY JapanとB.LEAGUEは英国マンチェスターメトロポリタン大学 井上准教授および筑波大学と共同で、スポーツの持つ価値の定量化により、スポーツに対するリソース投入の活性化を促進
  • EY JapanとB.LEAGUEがスポーツエコシステムを共に築き、バスケで日本を元気にする活動を推進

EY Japan株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:塚原 正彦、以下EY Japan)と公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(東京都文京区、チェアマン:島田 慎二、以下B.LEAGUE)は、2023年1月13・14日(金・土)に茨城県水戸市において開催された「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」(主催:公益財団法人日本バスケットボール協会 以下、JBA、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 以下、オールスター)の経済波及効果および社会的価値を測定・分析し、速報値を公表しました。調査では、オールスターの経済波及効果が1.2億円、ステークホルダーの一部である観戦者・周辺イベント参加者にもたらした社会的価値が1.9億円と試算されました。

調査によると、スポーツが持つ社会的価値の中でも、特にウェルビーイング(例:幸せと感謝の気持ちを与えてくれた)、ソーシャルキャピタル(例:協調性や信頼感の重要性を感じた)、ヒューマンキャピタル(例:自分も頑張ろうと思った)を感じた観戦者・参加者が多いことが明らかになりました。

オールスターゲームでの体験は、幸せと感謝の気持ちを与えてくれた

90%

オールスターゲームでの体験を通して、自分も頑張ろうと思った

81%

オールスターゲームでの体験を通して、協調性や信頼感の重要性を感じた

73%

今回の調査では、8つのステークホルダー「観戦者」「周辺イベント参加者」「B.LEAGUE、JBA」「スポンサー企業」「行政」「周辺イベント運営」「メディア」「市民」のうち、「観戦者」および「周辺イベント参加者」の2つのステークホルダーを対象としました。現在、残りの6つのステークホルダーを対象とした社会的価値の定量評価、投入されたコストに対する価値の大きさ、価値向上策、課題などを分析中であり、調査の最終版の発表は6月を予定しています。

また、今回EY Japanが、英国マンチェスターメトロポリタン大学 井上 雄平准教授および筑波大学とともに開発したソーシャルKPIメソッドは、EYのスポーツビジネスの知見に、グローバル基準の学術的なアプローチを付加した、スポーツの社会的価値評価のKPIメソッドです。具体的には、英国マンチェスターメトロポリタン大学のグローバルなベンチマークによるソーシャルROIの学術的なアプローチと、筑波大学のNCAA研究に基づいたソーシャル・インパクト・アプローチが採用されています。EY Japanでは価値評価に加えて、価値向上に向けた施策アプローチまでをサポートします。

図:ソーシャルKPIメソッド

EY Japanは「バスケで日本を元気に!」を掲げるB.LEAGUEとサポーティングカンパニー契約を締結し、クラブ、地域コミュニティー、地方自治体、国と連携して、地域社会の経済循環を促し社会課題解決に向けた取り組みを協働しています。本調査は、B.LEAGUEとの協業の一環として、3年ぶりに開催されたオールスターゲームにより、スポーツが地域やステークホルダーにもたらす経済的・社会的価値の測定・分析を行うものです。

B.LEAGUE チェアマン 島田 慎二氏 コメント:

EY Japan様と共同で「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」の効果を分析いたしました。プロフェッショナルな知識や経験をお持ちのEY Japan様にサポートいただいたことで実現できたこの効果分析は、われわれB.LEAGUEにとって財産となり、次のステップへの大きなヒントとなりました。今回の結果を糧として、これからもEY Japan様と協働してまいります。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
公共・社会インフラセクター スポーツDXリーダー アソシエートパートナー  岡田 明のコメント:

B.LEAGUE ALL-STAR GAME関係者様ならびに学術的なサポートをいただきました両大学と新たなメソッドを開発できたことに心より感謝しております。スポーツを活用した社会課題解決のアプローチには評価だけではなく実行や向上に踏みこんだメソッドが必要だと考えています。すべてのステークホルダーがロジカルに協働できる仕組み作りをB.LEAGUE様と推進してまいります。

EY Japanでは、スポーツを地域に社会的価値をもたらす重要なコンテンツとして捉え、スポーツの「人づくり」「コトづくり」「場づくり」「ルールづくり」を多面的に促進することで、ステークホルダー間による共創や持続的なエコシステムの構築を目指しています。他方で、スポーツが持つ素晴らしい価値に気付きつつも、周囲から理解を得られなかったり活用方法が分からないことで、その場限りの盛り上がりで終わってしまったり地域やステークホルダーからの支持を十分得られないまま終わってしまう事例が多いことも事実です。活用された場合においても、スポーツの価値が可視化されておらず、評価が曖昧となっているケースが大半です。EYは、課題解決の契機となるよう、スポーツがもたらす社会的価値の定量評価・価値向上メソッドの開発・実践を通し、ステークホルダーにフィードバックを与え、価値向上に資する共通理解および共創の促進や、スポーツへのリソース流入活性化に寄与することを目指します。

調査概要および分析アプローチについて

調査期間:2023年1月13・14日(金・土)
調査対象:① オールスターゲーム観戦者 ② 周辺イベント参加者
調査手法:アンケート調査
サンプル数:約600


EY Japanは、英国マンチェスターメトロポリタン大学 井上准教授および筑波大学の協力を得て、スポーツイベントが地域やステークホルダーにもたらす社会的価値の定量評価・価値向上メソッドを開発しており、今回の調査は同メソッドを用いて実施しました。

経済波及効果

オールスターゲームおよび周辺イベントにおける経済波及効果は、当日の来場者が域内で消費をすることにより発生する「直接効果」と直接効果に誘発される「間接波及効果」の合計にて算出しました。直接効果は、来場者の宿泊率を調査した上で、来場者数に宿泊費・飲食費・交通費・娯楽費/サービス費・買い物代などの消費支出単価を掛け施設利用費などの運営費の⼀部を加えたものに域内自給率を掛けて算出しました。間接波及効果は直接効果に伴う原材料などの購入によって誘発される財・サービスの生産額である「1次波及効果」と直接効果や1次波及効果による雇用所得増加により消費支出が増加することによる需要増加を「2次波及効果」として算出しました(茨城県経済波及効果分析シートを活用)。

社会的価値

本取り組みの社会的価値の測定・分析にはSROIの考え方を採用しています(速報時点では金額ベースでの報告のみ)。英国マンチェスターメトロポリタン大学 井上准教授、筑波大学の助言を得ながら、Social Value Internationalが提唱するThe Principles of Social Valueを参照しています。まずはインパクトまでの因果関係を論理的に整理するためにロジックモデルを構築した上で調査を実施し、金額換算に向けたデータ・指標・算出方法などを含むインパクトマップを活用してインパクトの算出を実施しました。アウトカムの算出に当たって、スポーツの社会的価値を「ウェルビーイング」「ヒューマンキャピタル」「ソーシャルキャピタル」「集団的アイデンティティ」「ヘルスリテラシー」の5つと定義し、ステークホルダーが観戦・イベント参加などを通して得られたそれぞれの社会的価値をアンケート調査により測定しました。インパクトの算出に当たっては、イベントが実施されなくても得られた効果の控除や価値の継続期間を考慮するなど、過大評価に留意して精緻化を実施しています。

井上 雄平 准教授

英国マンチェスターメトロポリタン大学 経営学部 准教授 スポーツ経営学者。2011年に米テンプル大学にて経営学の博士号(Ph.D.)を取得。メンフィス大学助教(2011年~2014年)、ミネソタ大学准教授(2014年~2019年)を経て、2019年に渡英し、現在はマンチェスターメトロポリタン大学経営学部の准教授(スポーツマネジメント領域)。また、2023年より同学部の大学院研究課程の副ディレクターも兼任する。主な研究テーマは、スポーツを通して個人や社会のウェルビーイングを向上するための組織やイベント、プログラムのマネジメントを明らかにすること。「Journal of Business Research」、「Journal of Business Ethics」、「Journal of Sport Management」、「Sport Management Review」など経営学やスポーツ経営学の主要な国際学術誌にこれまで50本以上発表。また、「Sport Management Review」の副編集委員長、「Journal of Sport Management」の編集委員を務める。2016年には、世界最大のスポーツ経営学会である北米スポーツマネジメント学会(NASSM)にて日本人初のリサーチフェローに任命された。

本調査の内容は、「スポーツが地域やステークホルダーにもたらす経済的・社会的インパクトの定量的評価方法」でご覧いただけます。



ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」について

2023年1月13・14日(金・土)に茨城県水戸市(会場:アダストリアみとアリーナ)において開催され、DAY1では、ダンクコンテスト、G-SHOCKスキルズチャレンジ、スリーポイントコンテストのほか、今年から新たに、若手選手選抜とアジア特別枠選手選抜が対戦する「B.LEAGUE ASIA RISING STAR GAME」が開催されました。

DAY2では、「B.LEAGUE U18 ALL-STAR GAME」および、ファン投票等で選ばれた選手が出場する「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」が開催されました。また、オールスターゲームの周辺イベントとして、水戸駅北口にて「地酒で新酒祭りin水戸」、まちなか・スポーツ・にぎわい広場(M-SPO)にてパブリックビューイング、選手トークイベント、3×3バスケ体験などが開催され、水戸の街がバスケットボールやB.LEAGUEでにぎわいました。

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