EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
これに加え、あらゆるセクターのFS企業が直面している事業環境では、規制の厳格化が進む一方で、多くの場合より俊敏な、デジタルネイティブの挑戦者や新規参入者との競争を迫られています。
金融サービス事業者が競争に打ち勝つには、全社的な業務モデルと顧客に提供する製品の両方を常に刷新し、最適化していく必要があります。「EYのクライアントにとって、2023年が将来の業務モデルのあるべき姿に真剣に向き合う年になったことは、まったく当然のことです」と、EY Americas Financial Services Tax and Finance Operate Banking & Capital Markets Leader、Ethan Schiffmanは述べています。「今日、そして明日のために望まれる最適な態勢とは、どのようなものなのでしょうか?」
これまで数多くのFS企業が、期待どおりに進まない変革に悩まされてきました。実際、 EYの調査(英語のみ)からは、銀行が変革の遂行に苦戦している姿が見て取れます。経営トップの38%が、変革は主要業績評価指標(KPI)を下回っていると回答しています。また、過去5年間に少なくとも1回、変革がKPIを下回った経験のある経営トップは3分の2(67%)に上ります。
問題の一端は、FS企業の各部門の変革のスピードがそれぞれ異なることにあります。これには、 2023年 TFO調査(PDF、英語のみ)で明らかになったように、ここ数年変革の道のりを歩み続けている税務・財務部門が含まれます。
税務、財務の各業務モデルの変革を進めているFS企業は、2018年の初回調査時の82%から増加し、今回の調査では97%に上ります。調査参加者が挙げた変革の主要な推進要因は、人材、テクノロジー、法改正のペース、コストでした。
Schiffmanによると、各FS企業の変革の進行具合は一様ではありません。「率先して変革の旅路を進み、より高度な機敏性、データを戦略的資産に変える能力など、変革がもたらすメリットを手にし始めているクライアントも一定数いますが、大半のクライアントは変革の旅路についたばかりであり、ペースを速めない限り、容赦ない変化の矢面に立たされることになりかねません」
また、金融サービスは極めて広範な業界であり、前述の推進要因がそれぞれのセクターに及ぼす影響の度合いが異なることにも留意する必要があります。本稿では、FSの全般的な状況を概観しつつ、以下の主要3セクターに焦点を当てます。
- 銀行
- 保険
- ウェルス&アセットマネジメント