EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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EYの税務チームは、効果的な運用モデルと移転価格ポリシーの策定を支援し、ビジネスの潜在能力を高めるための統合的な戦略を構築します。詳しい内容を知る
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1)米国財務省規則1.482-5で規定される利益比準法(CPM)を使用した移転価格分析での運転資本調整
CPM分析でよく⾏われる調整の1つは、売掛⾦、買掛⾦、在庫の政策的⽔準について納税者と⽐較対象企業の取引条件の差異を対⽐して⾏うもので、これは世界中の納税者や税務当局に最も多く⽤いられている⽅法です。論理は次の通りです。競争市場において、ある販売業者が顧客に180⽇の⽀払期間を設定し、競合他社が30⽇を設定している場合、この企業は価格を引き上げ、その利益で長期間資金調達するために発生する利息費用を補う必要があります。その結果、競争市場の外部投資家は、⽀払期間に関わらず同じROIを得ることが保証されます。15年にわたり実施された低⾦利と量的緩和の下では、調整後の営業利益が⼤きく変動することはなく、こうした調整は移転価格分析に影響を与えませんでした。しかしフェデラルファンド⾦利(FF⾦利)が5%を維持する時代に突⼊すれば、この状況は⼀変するでしょう。仮に運転資本調整を⾏わない、あるいは不適切に⾏った場合、納税者は驚くことになるかもしれません。さらに悪いことに、移転価格には危険な「崖」があります。⽶国でCPMを適⽤する場合、例えばインバウンドの納税者の実績が、単年度の比較において、独立企業間利益率レンジの下位四分位を下回った場合は、アメリカ合衆国内国歳⼊庁(IRS)によってレンジの中央値に修正されます。つまり、運転資本のささいな不一致が多額の課税につながる可能性があるのです。
2)正当な金融商品
同様に、正当なローン、前払い、キャッシュプールの取り決めについても、高⾦利は誤った価格や、未特定の、そして過⼩評価された金融商品に対するリスクを大幅に高めます。過去には、100ベーシスポイントの金利では分析に大きな影響を与えなかったかもしれませんが、500から800ベーシスポイントの金利では影響が出るかもしれません。
3)親会社保証と履行保証
親会社保証と履⾏保証は、税務部⾨に⾒落とされているか、クライアントの財務部⾨だけにしか認識されていない場合があります。ほぼゼロ⾦利の時代には、これらの保証の価値は名⽬上のものに過ぎませんでした。しかし今後は⾮常に重要になる可能性があります。