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上記の「将来キャッシュフローの割引現在価値の総和」をもって企業価値を測る考え方は、バリュエーションの⼿法の1つであるDCF(Discounted Cash Flow)法として知られています。DCF法とは、将来的に期待されるキャッシュフロー(リターンを獲得するための投資も含む)を時間的価値やリスクを反映した資本コスト(割引率)で割り引くことで企業価値を導き出す⽅法です。
DCF法において着目すべきポイントは以下の2点です。
- 現在だけでなく、長期的な視点から将来にわたるキャッシュフローを反映すること
- 資本コストによる割引計算という時間価値の概念が含まれていること
これらに基づく算定により、例えば次のようなケースを明らかにすることができます。
- 会計上は利益が出ていたとしても、投資によるキャッシュアウトが先行する場合に時間軸を加味して割引計算を行うと、企業価値がマイナスになることがある。
- 反対に、会計上は⾚字であっても、⻑期的に⾒てキャッシュフローの拡⼤が⾒込めるならば企業価値にはプラスの影響を与える可能性がある。
DCF法の枠組みにおいては、投資に対する全体的なリターンが資本コストを上回るかどうかで、企業価値を創出するか否かが変わってくるということが分かります。
DCF法による企業価値の構成要素を分解すると、将来キャッシュフローと資本コスト(割引率)の2つに大別されます。将来キャッシュフローはさらに、売上高と利益率、およびそれらを生み出すための投資の3つに分解できます。ここから、企業価値を向上させるドライバーは、「規模を拡大するための成長性」「投下資本収益性の改善」「資本コストの低減」に集約できることが分かります。