EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
実際、スマートグリッド技術は、全国的な電⼒網が未整備の国で新しいエネルギー分配モデルを⽣み出しています。送配電網全体を構成するマイクログリッドは独⽴して動作するよう切り替えられるため、孤⽴した農村地域に限らず、⼈⼝が密集し、需要の急増によって電圧低下や停電の恐れのある都市部でもレジリエンスが向上します。
スマートグリッドには多くの利点がありますが、課題もあります。特に、分散型エネルギー源(DER)を統合して多用な電力源を1つにまとめ、電⼒の流れを制御し需要を満たせるよう、⼗分にインテリジェントである必要があります。
また、サイバーセキュリティの問題も深刻です。DERエコシステムの特徴である相互接続性により潜在的な攻撃対象領域が増え、システムがサイバー攻撃にぜい弱になることが懸念されます。
電力貯蔵と供給の管理も問題につながる可能性があります。例えばEVの普及拡⼤については、送配電網に負担がかかる⼀⽅で、再⽣可能エネルギー源からの余剰電⼒を吸収すると同時に、リアルタイムに電⼒需要に対応する資産としても機能するなど、送配電網をサポートする側面もあります。しかし、EVを分散型エネルギー源(DER)として利用するには、技術を最適化する道のりのま
だ半ばです。
国際エネルギー機関(IEA)によると、再⽣可能エネルギー源の利⽤を加速するには、2020年代後半までに送配電網への年間投資をほぼ3倍の約8,000億⽶ドルにする必要があります。さらにこれに合わせ、デジタル資産への投資も8倍に増やす必要があります1。
そのため、各国がそうした技術の可能性を現実のものとし、送配電網の柔軟性を向上させることによりエネルギーレジリエンスを強化し、さらに世界の脱炭素化⽬標の達成に貢献しようとするなら、各国政府による分散型エネルギー源(DER)への政策的・財政的⽀援の継続が必要です。