EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
Digital Trust Webinar 「Blockchain」 Web3ビジネスによる市場発展の可能性とリスク・ガバナンスの観点とは
ブロックチェーン技術を活用した新たなビジネスモデルがさまざま登場しています。本ウェビナーではWeb3等のブロックチェーン技術を活用したビジネスの動向に加え、リスク管理、ガバナンス上の留意事項に関する情報を提供いたします。
2023年11月27日に、Digital Trust Webinar「Web3ビジネスによる市場発展の可能性とリスク・ガバナンスの観点とは」を開催しました。本イベントは、新たな市場空間を切り開くWeb3ビジネスの適切な理解と、そのリスクやガバナンスに対する理解を深めることを目指したもので、1.5時間にわたり3部構成で行いました。
ブロックチェーン技術を活用した新たなビジネスモデルがさまざま登場しています。本ウェビナーではWeb3等のブロックチェーン技術を活用したビジネスの動向に加え、リスク管理、ガバナンス上の留意事項に関する情報を提供いたします。
第1部では「ステーブルコイン元年 変わりゆく決済サービス」をテーマに、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)のステーブルコイン部会の会長である白石陽介氏(ARIGATOBANK)、同部会の法律顧問である佐野史明氏(片岡総合法律事務所)と、EY新日本有限責任監査法人(EYSN)シニアマネージャーの河村吉修によるディスカッションを行いました。
はじめに佐野氏からステーブルコインに関する法改正の解説があり、その後、白石氏がこの法改正に関するJCBAの活動について言及されました。改正法ではステーブルコインは「電子決済手段」と定義され、法定通貨と連動して価値が安定するため、決済手段として利用されやすくなること、規制対象としては、ステーブルコインを発行する者、ステーブルコインを流通する者、利用者のステーブルコインを預かって管理する者の三者となること、国内で発行されたもののみならず海外で発行されたステーブルコインも扱えるようになったこと等を説明いただきました。JCBAでは法規制整備の段階で、あるべきユースケースを検討し、各業界団体や規制当局との間でロビー活動を行うことでルール整備に貢献してきたこと等について説明がありました。
日本公認会計士協会(JICPA)のブロックチェーン専門委員でもあるEYSNの河村シニアマネージャーからは、ステーブルコインに関する会計基準や監査実務指針の動向について紹介があり、まだ国内でビジネスの実績がない分野に関する指針整備の難しさにも触れました。
欧米をはじめとする各国でも整備が進み、規制が明確化されつつある中で、ステーブルコインに関わるビジネスの設計は規制面の要件をクリアしながら行う必要があることから、法律面や会計面で適宜専門家への相談が重要となると白石氏からコメントがありました。佐野氏からは、自社のビジネスにステーブルコインを組み込むとした場合にどのようなライセンスが必要になるかを検討する必要があることに加え、仮に既にライセンスを保有する他社と協業する選択をしたとしても自社に何らかの金融規制がかかる可能性がないかを検討することも重要であることに触れ、こうした判断をするには専門家との対話が重要となるのではないかといった指摘がありました。