EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
しかし、このように多くの賞を獲得している長洲さんにも、けがや、コーチが得られない時期や、オリンピック代表選抜での落選などの不運な時期がありました。
6歳で競技の道に入った長洲さんにとって、良い時期だけでなくつらい時期もあると受け入れることは容易でなく、それが彼女のウェルビーイングにも影響しました。
「子供の頃、私のロールモデルの多くは完璧なキャリアを築いていました。いざ自分が注目を浴びる立場になってみるといつもミスばかり犯している気がして、切り抜けていくのがとても難しかったです」と長洲さんは言います。さらに、スケートは非常に主観的なスポーツであるにもかかわらず、選手は競技の結果から「自分の価値や自尊心の大部分」を築く傾向がある、と語ります。
現在、長洲さんは、コーチを担当する若手スケート選手に、自身の体験を伝えて彼女たちの懸念に耳を傾けることで、こうした選手たちが「優れた人間、未来のリーダーとなる」手助けになればと感じているそうです。「不完全な姿には不思議な魅力と近づきやすさがあるのです。経験してきた弱さをお話しすることで自分の気持ちもすっきりしますし、他の人の助けにもなればと思っています」
事実、ウェルネス・カウンシル・オブ・アメリカ(Wellness Council of America)では、問題について話すこと、相談相手を持つことがウェルビーイングを培う上で鍵となるとしています。長洲さんは、これをさらに一歩進めて、自分に共感と思いやりを示すことを若手スケート選手に奨励しています。
WABNに参加して以来、長洲さんはこのようなことをすることが増えたそうです。WABNでは、メンタリング、ピアサポート、スキルアップなどにより女性アスリートがプロスポーツ引退後のキャリアやスポーツとビジネスを両立したキャリアへと移行していけるよう支援しています。
「(競技スケートからの)移行に7年かかっていますが、今でも自分の選択を問い返すことしきりです」と長洲さんは言います。「オリンピック選手を目指すことはとても確実な道のりだったので、それと同じような決意で取り組める対象がまだ見つかっていません。でもWABNでの体験から、それでも良いのだということがわかり、精神面でのウェルビーイングの大きな助けになっています」