EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 前田 和哉
2024年3月27日に、金融庁から「令和5年金融商品取引法等改正に係る政令・内閣府令」(以下「本改正」という。)が公布されています。本改正は、2023年11月20日に成立した「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(以下「改正金商法」という。)のうち、四半期報告書制度の廃止に関する規定の施行に伴い、内閣府令及び規則等の規定の整備を行うものです。
会社区分 |
提出期限 |
様式 |
中間(連結)財務諸表 |
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上場会社等 |
45日以内 |
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第1種中間(連結)財務諸表 |
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上場会社等の特定事業会社 |
60日以内 |
第四号の三様式 |
第2種中間(連結)財務諸表 |
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特定事業会社 |
60日以内 |
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第2種中間(連結)財務諸表 |
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非上場会社 |
3か月以内 |
第五号様式 |
第2種中間(連結)財務諸表 |
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特定事業会社以外 |
45日以内 |
第四号の三様式 |
第1種中間(連結)財務諸表 |
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3か月以内 |
第五号様式 |
第2種中間(連結)財務諸表 |
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※上場会社等:改正金商法第24条第1項第1号に掲げる有価証券その他流通状況がこれに準ずるものの発行者である会社その他の政令で定めるもの
改正金商法第 24条第1項第1号に掲げる有価証券(改正金商法第5条第1項に規定する特定有価証券を除く。)を発行する者で、金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しているときと金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しようとしているとき又は非上場会社のときについて以下のように定められている。
ⅰ |
金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しているとき |
開示府令第二号様式記載上の注意(61)の規定による連結貸借対照表、同様式記載上の注意(62)の規定による連結損益計算書及び連結包括利益計算書又は連結損益及び包括利益計算書並びに同様式記載上の注意(64)の規定による連結キャッシュ・フロー計算書並びに中間連結会計期間に係るこれらの書類のほか、直近の四半期連結累計期間に係るこれらの書類を併せて掲げることができます。 |
ⅱ |
金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しようとしているとき又は非上場会社 |
直近の四半期連結累計期間に係る経営成績の概要を作成しているときは、開示府令第二号様式記載上の注意(66)bの規定による記載にあたっては、直近の四半期連結累計期間に係る経営成績の概要を併記することができます(開示ガイドライン5-21-3)。 |
開示府令第二号様式記載上の注意(66)cの規定による最近連結会計年度における中間連結会計期間に係る⒜から⒟までに掲げる項目の金額及び最近連結会計年度に係る⒜及び⒠から⒢までに掲げる項目の金額又は同様式記載上の注意(74)dの規定による最近事業年度における中間会計期間に係る⒜から⒟までに掲げる項目の金額及び最近事業年度に係る⒜及び⒠から⒢までに掲げる項目の金額の記載において、これらの記載に併せて、最近(連結)会計年度における第1四半期連結累計期間及び第3四半期連結累計期間に係る開示府令第二号様式記載上の注意(66)c⒜から⒟又は(74)d⒜から⒟までに掲げる項目の金額を記載することができる。
この場合、これらの項目の金額について、第1四半期(連結)累計期間、中間(連結)会計期間、第3四半期(連結)累計期間、最近(連結)会計年度の順に記載します。
改正金商法第24条第1項第1号に掲げる有価証券を発行する者であり、金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しているときは、当該四半期に係る財務情報に対するレビューの有無を記載します(開示ガイドライン5-21-6)。
開示府令第四号の三様式中「議決権の状況」欄を記載する場合において、中間会計期間の末日現在の状況を記載することができないときは、中間会計期間の末日の直前の基準日に基づく株主名簿による議決権数を記載することができるとしています(開示ガイドライン24の5-7-2)。
その他、財務諸表等規則及び連結財務諸表規則(以下「財務諸表等規則等」という。)等の一部改正等を踏まえ、開示府令の各様式の文言についての修正等を提案しています。
「中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」、「四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」、「中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」を廃止しました。
また、告示指定している「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」について、四半期報告書の廃止に伴い企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」(以下「四半期会計基準」という。)を削除するとともに、企業会計基準33号「中間財務諸表に関する会計基準」(以下「中間会計基準」という。)を新たに指定していますが、四半期会計基準について、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」の指定から削除された事実をもって、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準として実務の中で取り扱われなくなることは想定されていません。
なお、期中レビュー基準における「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」は、財務諸表等規則に基づき金融庁長官が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとして告示指定した企業会計の基準に限られるものではなく、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準として実務の中で取り扱われる企業会計の基準も含まれるものとの考え方が示されています(「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件(金融庁告示)の一部改正(案)」及び「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件(金融庁告示)の一部改正(案)」に対するパブリックコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方No1)。
改正前 |
改正後 |
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四半期(連結)財務諸表 |
⇒ |
第1種中間(連結)財務諸表 |
中間(連結)財務諸表 |
⇒ |
第2種中間(連結)財務諸表 |
2024年3月29日に公布され、2024年4月1日から施行されています。
ただし、改正後の規定のうち、有価証券報告書等の様式に係る規定の適用については、以下のとおりです。
なお、以下の図表のとおり、四半期報告書は、施行日以後開始する四半期会計期間に係るものから提出が不要となりますが、施行日前に開始する四半期会計期間に係るものについては提出が必要となります(改正金商法附則第2条第1項)。また、改正後の規定に基づく半期報告書は、施行日以後開始する事業年度に係るものから提出する必要があります(改正金商法附則第3条第1項)。
施行日前に事業年度が開始し、かつ、施行日以後に第2四半期会計期間が開始する会社(12月期決算会社、1月期決算会社及び2月期決算会社)については、当該四半期会計期間が属する事業年度に係るものから、改正後の規定に基づく半期報告書を提出する必要があります(改正金商法附則第3条第2項)。
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