EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
日本企業にも新たなサステナビリティの開示への対応が求められます。
ISSBに関しては、2023年6月にS1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」およびS2号「気候関連開示」の最終基準が公表されました。S1およびS2は2024年1月1日以降開始する事業年度の年次報告から原則として適用が可能となります。
CSRDに関しては、要件に該当する企業が2024年1月1日以降開始会計年度から段階的に開示義務化の対象となり、EU域内において設立された日本企業の非上場子会社の多くも2025年1月1日以降サステナビリティ情報の制度開示の対象となります。また、EU域内で一定規模以上の活動をしているなどの要件を満たす日本企業に対して、第三国企業としての開示も2028年1月1日以降開始される事業年度から義務化され、連結レベルでの開示が要求されます。なおCSRDには第三者による保証の義務化に関する内容も含まれます。
日本国内では、「企業内容等の開示に関する内閣府令」が2023年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等より適用開始となっています。サステナビリティ情報の記載欄が新設され、すべての企業が「ガバナンス」「リスク管理」情報を開示し、各企業が重要性の判断により「戦略」「指標及び目標」を開示します。人的資本・多様性の開示も求められます。
サステナビリティ情報開示の保証に関しては、現時点では日本では義務化されていませんが、保証に関する検討は国内外で進められています。将来の義務化に向けて、またサステナビリティの情報の信頼性を高めるため、保証に備えることが有用です。
脱炭素化の加速という喫緊の課題から、多様性と社会的公正の向上まで、サステナビリティを巡る必須課題への対応を具体的かつインパクトのある形で進めていくことは、政府と企業の共同の責任であり、両者ともに極めて重要な役割を担っています。しかし、サステナビリティの危機が深刻化する一方、遅々として進まない対応への疑念が強まるにつれ、企業と金融市場が積極的な役割を果たすことの重要性がかつてないほど高まってきました。
現在、過去最高水準の資金が、サステナビリティ関連の優先課題に向け流入しています。一方で、信頼性が高く、参考になるサステナビリティのデータと情報開示を求める声も同時に高まっているのです。ところがサステナビリティ情報に対する信頼は、向上するどころか、むしろ低下していると⾔えるかもしれません。その背景にあるのは、グリーンウォッシング(環境への影響を実際に最小限に抑える取り組みより、自社が環境に配慮していると宣伝することに多くのリソースを費やす行為)や、グリーンウィッシング(サステナビリティへの自主的な取り組みの進捗状況が、必要な変革の達成に実際よりも近づいているという思いこみ)に対する懸念の高まりです。その例は以下の通りです。
こうしたサステナビリティに関するデータと情報開示の課題は、脱炭素化などの課題への対応を加速させる際に大いに期待できる、持続可能なビジネス慣行を支援するプライベートキャピタルの大量動員を損ないかねません。
この重要なトピックについて検証するため、EYはサステナビリティと情報開示に関する徹底的な調査を行い、企業と投資家、双方の対照的な意見を参考に結果をまとめました。2022年度のEY Global Corporate Reporting and Institutional Investor Survey「コーポレートレポーティングでESGの信頼格差を解消するには」で述べたように、この調査結果から、長期的かつ持続可能な価値創出に向けた戦略や、現在の情報開示がその戦略に十分なインサイトをもたらしているかどうかについて、投資家と企業の見解が必ずしも一致していないことが分かりました。
それでは、企業と投資家が互いの立場への理解を深め、目標を具体的な行動につなげるにはどうすればいいのでしょうか。EY Global Institutional Investor Surveyでは、より幅広い調査プログラムに参加した世界各地の主要機関投資家の上級投資担当者320名による見解に着目し、その結果から、企業とその組織内でコーポレートレポーティングを担当する責任者にとっての優先課題が、3つあることが分かりました。
第1章
情報開示は、重大なリスクに加え、価値創出の機会に関する高度なインサイトを提供するものでなければなりません。
投資家が企業に求めているのは、再生可能エネルギーがもたらす好機から、レピュテーションリスクを最小限に抑えるための企業倫理の重要性まで、サステナビリティ関連の重大なリスクと長期的価値を高める機会に焦点を当てた対応です。真に重要な課題に焦点を当て続けることで、行動を喚起し、より多くの財務価値を創造することができます。
今回の調査で、環境・社会・ガバナンス(ESG)の3つの柱について、企業はどこに注力すべきかと投資家に尋ねたところ、各柱の上位2項目は以下の通りでした。
当然のことながら、投資家にとって重要な課題に焦点を当てて取り組むことは難しい場合もあるでしょう。企業で情報開示を担当する責任者は、投資家が何を重要だと考えているかを読み取った上で、それを評価と情報開示のプロセスに落とし込む必要があります。企業が投資家からESG関連のさまざまな問題に関する質問書を多数受け取った場合には、それぞれ異なる情報要請の中で、どれが本当に重要であるかを確認することは難しいかもしれません。
投資家は、顧客から地域社会まで各グループに決定事項が及ぼす影響を明確に示すマルチステークホルダーモデルを情報開示に取り入れることを期待すると回答しています。今回の調査では、対象となった投資家の82%が「投資家やアナリストにとって重要なESGの課題に関する情報開示はもちろんのこと、政府、消費者、従業員、地域社会などさまざまなステークホルダーと向き合うために、企業はさらに努力する必要がある」と回答しました。ところが、調査対象となった財務部門のリーダーのうち、他のステークホルダーと向き合うために、企業はさらに努力する必要があると感じている人は55%にとどまっています。
従業員などのステークホルダーグループが、サステナビリティへの取り組みの目標やスケジュールをより意欲的なものにすることを企業に期待している可能性があることを考えると、一部のステークホルダーグループの強い感情を過小評価してしまい、解決する側の一端を担うのではなく、問題となる側の一部だとみなされる企業が出てくる可能性もあります。今回の調査で特に強く求められていたのは、企業による脱炭素化の迅速化です。調査対象となったほぼ全ての投資家(99%)が、すでにポートフォリオのネットゼロ化を図っているか、今後2年間で図る予定です。
投資家が見せるネットゼロ重視の姿勢と、取り組みの進捗状況には大きな隔たりがあるのが現状です。地球温暖化を、産業革命前の水準プラス1.5℃に抑制するというパリ協定の目標を達成するためには、世界のCO2排出量を2030年までに45%削減しなければなりません1。しかし、その期限が迫る中、直近のEY Sustainable Value Studyの結果から、企業のわずか35%しか、2030年までの排出量の削減に取り組んでいないことが分かりました。
投資家は、気候危機に関心を払っていないと見られる企業や、動きが遅すぎる企業への圧力を強めています。今回の調査から、投資家は今後、主に経営に関与する戦術を用い、対話を開始するか、サステナビリティのパフォーマンスを役員報酬に連動させることを重視するよう求める方針であることが分かりました。約10人に1人(9%)は、自らが取る最も重要な対策はダイベストメントになると回答しました。
このように行動を求める声が高まり、企業は気候情報開示の有効性に対する大きな責任を負わされています。ところが、2022年度のEYグローバル気候変動リスクバロメーターで、47カ国にわたる1,500社超の企業が行った情報開示を包括的に分析した結果、気候変動リスクを開示する企業は増加しているものの、企業が直面する課題について意味のある開示が必ずしもなされていないことが分かりました。例えば、調査対象企業の半数強(51%)は、シナリオ分析を実施していないか、分析結果を開示していません。
おそらく課題に対するこうした洞察力の欠如が、企業のサステナビリティ情報開示に対する懐疑的な声の強まりを招いているのでしょう。その信頼性だけでなく、透明化に本当に取り組んでいるのかにも疑いの目が向けられています。
気候変動がもたらす課題への対処が急務となっていることから、同じく気候変動がもたらす価値創出の機会にあまり関心が向けられていないのではないかという懸念も聞かれます。しかし今回の調査の結果から、投資家は、少なくとも機会とリスクのバランスの取れた評価が行われることを強く望んでいることが分かりました。多くの回答者が、移行リスクや物理的リスクばかり重視する企業の姿勢を最も懸念する一方、3分の1近く(31%)はすでにその先を見据え、気候変動対策で生まれる機会に企業がどのように狙いを定めているかを理解することが、自分たちにとっての主要な課題だと回答しています。
この結果は、結局のところ投資家が重視するのはリターンであることを反映していると言えそうです。そのため企業は、サステナビリティのリスクと機会を、増益など財務的リターンにつなげる方法を改善する必要があります。EY Sustainable Value Studyの結果から、サステナビリティに対する包括的な変革アプローチは、財務、顧客、従業員、社会、地球に、企業が想定する価値以上のリターンをもたらすことが分かりました。
経営幹部に適切な知見と専門知識がなければ、このつながりを理解し、発信することはできません。つまり財務部門のリーダーは、サステナビリティリテラシーの向上を図る必要があるということです。また企業内でサステナビリティの取り組みを主導する責任者もやはり、財務リテラシーを構築しなければならないでしょう。現在の企業全体に言えることですが、サステナビリティの優先課題と財務価値の間のつながりに関する専門知識と理解を深める必要があります。従来の経済モデルと専門知識だけでは、その役割を果たすことができないかもしれません。
第2章
投資家が求めているのは、サステナビリティ戦略とその成果を巡る強固なガバナンス体制と取締役の監督機能です。
投資家は、企業がパーパスステートメントを発表するだけの姿勢から脱却し、自社の戦略や意思決定にサステナビリティを真に組み込もうとするのであれば、取締役会が中心的かつ明確に定められた役割を担うことを含め、強固なコーポレートガバナンス体制の整備が不可欠であることを認識しています。サステナビリティをガバナンス体制に組み入れる際の優先課題は、取締役会の監督機能の実効性確保、サステナビリティの指標と役員報酬、戦略のすり合わせの3つです。
ガバナンスモデルや取締役会の役割・責任は国や地域により異なるでしょうが、取締役会はサステナビリティへの取り組みで、以下のような重要な役割を果たさなければなりません。
しかしこれを実現するために、企業は取締役会のメンバーに、その役割を果たす上で必要なサステナビリティに関する十分な知識を身に付けるよう求めることが必要になるかもしれません。サステナビリティに関する深い知識と、取締役会レベルで業務を遂行する能力を兼ね備えた上級管理職はいるものの、需要と供給は一致していません。供給が増えるまでは、地球と社会がどのように変化していて、それが自社にとってどのような意味があるのかを分析する上で必要な知識を、まずは取締役会のメンバーが身に付ける必要があります。今回の調査で投資家に、監督機能に最も大きなプラスの影響を与えると思われる対応を1つ挙げてもらったところ、回答者の5人に1人以上(21%)が「外部の専門知識に触れ研修に参加して、ESGの課題に関する取締役会の知識とスキルを高めること」を選びました。
今回の調査で、サステナビリティ目標の達成度を役員報酬の主要な算定基準にすることの主なメリットを2つ挙げてもらった結果、対象となった投資家の3分の1以上(37%)が「ESGの課題を戦略的な意思決定に確実に組み込めること」と答えました。このことは、サステナビリティを周辺課題として検討するだけでなく、リーダーが従来の財務や資本配分の意思決定に置くのと同じだけの重みをサステナビリティにも置いて考慮することが、投資家にとっていかに重要であるかが改めて裏付けられました。
言うまでもなく、説明責任を果たすための体制を整えるのは大変なことです。例えば、短期的な年俸や賞与と、評価期間が5年から10年に及ぶことが多いサステナビリティ目標を連動させることは、困難を伴う場合があります。また、数値化できる指標を選定し、それに照らして達成度を測定するという作業も簡単ではありません。ですが、今回の調査結果で示されたような、サステナビリティを組み入れた報酬の設定について投資家が何を期待しているかをよく理解することは、その良い出発点となるでしょう。
サステナビリティ推進のためにどのような組織体制にするかは、組織の複雑さから、サステナビリティ目標がどの程度意欲的なものであるかまで、一連の要因により変わってきます。一方、今回の調査から、投資家がCSOをガバナンスの枠組みに欠かせない存在と位置付けていることが分かりました。これは、現在のガバナンス構造が機能していないのではないかという業界での懸念を反映していると言えそうです。
CSOの任命を良い案だと投資家が考える理由を理解することで、おそらく企業は、CSOの役割と任務をどのようなものにするべきかのイメージをつかむことができるでしょう。今回の調査で、CSOを置くことの主なメリットを投資家に尋ねたところ、4分の1以上(26%)が、CSOは「企業のビジネスモデルに影響を及ぼす可能性のあるESG関連の長期的なリスクと機会に戦略的な視点」を持ち込むことができると回答しました。つまり投資家は、サステナビリティがビジネス上の重要な課題として扱われることを何よりも望んでいるのです。これは、サステナビリティを戦略上の重要課題ではなく、企業の社会的責任から発展した周辺的な「活動」とみなす企業が多すぎると、投資家がいまだに懸念していることの表れだと言えそうです。
第3章
情報開示の国際的な基準がどのようなものになるかを予想し、サステナビリティ情報開示の保証の有効性を高めます。
「コーポレートレポーティングでESGの信頼格差を解消するには」でEYが述べたように、企業のサステナビリティ情報開示は、その企業の業績、リスク、長期的な成長見通しの各面にサステナビリティの課題が与える影響を把握する際に、投資家が参考とする重要なインサイトの1つです。現在、調査の対象となった投資家の99%が開示されたESG情報を投資の判断材料の1つとして活用しており、そのうち74%が強固かつ構造的なアプローチをとっています(ちなみに2018年度のEYの投資家調査では、構造的なアプローチをとっていたのは32%で少数派だったため、74%というのは大幅に増加したことになります)。
その一方で、同じ調査結果から、自らの開示ニーズが満たされていないと感じる投資が多いことも分かりました。73%が「企業はおおむね、情報開示体制の一段の強化を図っておらず、投資判断に欠かせない財務情報開示とESG情報開示の両方には対応できていない」と回答しています。こうした食い違いへの対処に当たっての優先課題は2つあります。
新しく制定される国際的な情報開示基準に先手を打って対応し、優位な立場を確保し、漸進主義に陥ることを避けます。
投資家は、企業のESG情報開示の質と透明性を高める上で、グローバルに一貫性のある基準の重要性をはっきりと認識しています。
現在、この課題への取り組みには期待が持てそうな進展が見られます。COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)26での国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)設立の発表を受けて、ISSBは2022年3月31日に最初の2つの公開草案(ED)を公表し、パブリックコメントを募集しました。1つは全般的要求事項について、もう1つは気候関連情報開示のテーマ別要求事項についての草案です。その後開催されたCOP27で、ISSBは、各国・地域による導入に向けた準備を支援する一連の施策を発表し、「早ければ2023年にも」最終基準を発行することを目指すと明らかにしました2。
どの時期に適用するかは、その国・地域により異なる可能性が高いものの、完全に「ルール化される」のを待つのは危険かもしれません。基準をできるだけ早く自主的に適用する企業が、競合他社を含め出てくる可能性があります。そうなればその先行企業は、業界のサステナビリティについての説明で初めにリードを奪えることになります。
先手を打ち、それに伴って避けられない課題の一部に対処することも、投資家などステークホルダーが歓迎する改善につながることも考えられます。先を見据えた大胆なアプローチにより、漸進主義に陥る危険を避けられる可能性が高まるはずです。ここで言う漸進主義とは、同業他社の情報開示をまねるだけで、「集団」から一歩先に抜け出そうとしないことを言います。EUのような機関が、より包括的な「欧州グリーンディール」政策の一環として企業サステナビリティ情報開示指令(CSRD)を出し、サステナビリティ情報開示を義務化する今、最高水準のサステナビリティ情報開示を実現することは、米国や欧州など世界の主要な経済圏での政府による投資という好機をとらえる上で鍵となるでしょう。
ESG情報開示に対して、第三者の保証を取得するよう開示発行者に求める声も急速に高まってきました。機関投資家は、ESG情報開示の信頼性を信用するには、保証がベストプラクティスだという姿勢を明確に示しています。
企業は、義務化されていなくても保証を取得しようとしていますが、保証に注目する規制当局も増えてきました。すでに保証の取得が義務化された国・地域もあります。米国では米国証券取引委員会(SEC)が公表した気候変動関連情報開示に関する提案に、当初の要求事項としてスコープ1とスコープ2の排出量に対する「限定的保証」の取得、その後「合理的保証」の取得を求める措置が盛り込まれています。
こうした動きに伴って生じるのは、現行のデータがに保証審査を通るだけの厳密さを備えていると企業が果たして考えているのかといった疑問です。「コーポレートレポーティングでESGの信頼格差を解消するには」でEYが述べたように、自社の現行のESGデータが合理的保証に耐え得る水準を満たしているかを財務部門のリーダーに尋ねたところ、41%が「いいえ」と答えました。しかも、北・中・南米、欧州、アジア太平洋にわたって、「いいえ」と回答した財務部門のリーダーが過半数を占めた国が多数あります。
AIなどの先端テクノロジーは、そうした厳密さの不足に対処し、サステナビリティデータの質を高める上で不可欠なツールとなる可能性があります。テクノロジーを活用することにより、データを保護するための、極めて複雑で連携が必要な作業を調整できるだけでなく、データを分析して異常とリスクを検知できます。
財務チームと内部監査チームの任務と役割について、熟慮した上で賢明な選択をすることも不可欠となるでしょう。財務管理者には、財務諸表の保証とデータの質の問題に対応してきた経験が豊富にあります。この経験を、非財務保証の枠組みや「ディフェンスライン」の仕組みの策定に生かすことができます。ただし、このデータの性質を考えると、慎重な策定が必要となるでしょう。例えば、ディフェンスラインの効果を温室効果ガスの排出量データの集計において検討してみたらどうなるでしょうか。適切に計算されているかどうかは財務担当者がチェックできますが、データをきちんと精査するには、エンジニアなど社内のスペシャリストの手を借りる必要があるかもしれません。ディフェンスラインの担当を誰にするかを決めることは、解決すべき課題の1つにすぎません。
第4章
調査の結果から、ESGを長期的に重視する企業にとって、以下の4大原則が極めて重要となることが分かりました。
投資家のニーズをよりきめ細かく理解することは、資本市場と健全な関係を構築するために必要ですが、それ以外にも役立ちます。自らの考えを広げることもでき、その理解を踏まえて顧客から従業員を含むあらゆるステークホルダーの信用を、企業がどのように得るかの枠組みを決めることができます。今回の調査結果を踏まえると、ESGを長期的に重視し、信頼でき、社会の期待に応える会社だとみなされることを望む企業が優先すべき課題は4つあります。
サステナビリティへの取り組みを表明する企業はよく見られます。こうした対応は必要なものであり、また称賛に値しますが、社会経済のグリーン化から多様性に関するリーダーシップの強化まで、一連の取り組みの進捗が遅いことで、公約内容と同じだけその進捗状況にも注目が集まるようになってきました。企業と投資家のサステナビリティに対する認識を一致させることができれば、地球と社会が必要とする規模とスピードで成果を上げる可能性が高まります。