令和6年度税制改正大綱(詳細版)

Japan tax newsletter 2024年1月16日号

令和5年12月14日に、与党(自由民主党・公明党)による「令和6年度税制改正大綱(以下、「大綱」)」が公表されました。本ニュースレターにおいては、大綱で明らかにされた、主要な改正・見直し事項の概要を説明します。

令和6年度税制改正では、まず、物価上昇を上回る持続的な賃金上昇の実現が最優先の課題とされました。この観点から、所得税・個人住民税の定額減税の実施や賃上げ促進税制の強化等が行われます。また、資本蓄積の推進や生産性の向上によって供給力を強化するため、戦略分野国内生産促進税制やイノベーションボックス税制が創設され、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化のための措置も講じられます。

加えて、税制に対する国民の信頼を高める意味においても、人口減少・経済のグローバル化など、国内外の経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直しも行われます。政府として次元の異なる少子化対策を進める中で、税制においても、さまざまな子育て支援措置が講じられます。グローバル化に対応するため、グローバル・ミニマム課税の順次法制化やプラットフォーム課税の導入が行われます。

なお、本ニュースレターの一部項目の内容については、今後の国会における法案審議の過程等において、修正・削除・追加等が行われる可能性があることにご留意ください。
 

主な改正・見直しの内容

法人課税

  1. 賃上げ促進税制の強化
  2. 戦略分野国内生産促進税制の創設
  3. イノベーションボックス税制の創設
  4. 研究開発税制の見直し
  5. 外形標準課税制度の見直し
  6. その他

国際課税

  1. 各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税等の見直し
  2. 適格現物出資の要件の見直し
  3. 外国子会社合算税制の見直し
  4. 非居住者に係る暗号資産等取引情報の自動的交換のための報告制度の整備等
  5. その他

所得税

  1. 所得税・住民税の定額減税
  2. 扶養控除の見直し(令和7年度改正)
  3. 子育て世帯に対する住宅関連税制の見直し
  4. ストックオプション税制見直し
  5. エンジェル税制の拡充

消費税

  1. プラットフォーム課税の導入
  2. 国外事業者等に係る事業者免税点制度の見直し
  3. 簡易課税制度の見直し
  4. 外国人旅行者向け免税制度の見直し(令和7年度改正)
  5. その他

資産税

  1. 固定資産税
  2. 事業承継税制

納税環境整備

  1. 重加算税制度の整備
  2. 不正行為等により国税を免れた株式会社の役員等の第二次納税義務
  3. その他

※本アラートの詳細は、下記PDFからご覧ください。

お問い合わせ先

EY税理士法人


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令和6年度税制改正大綱

令和5年12月14日に、令和6年度与党税制改正大綱が公表されました。
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