EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
公認会計士 湯本 純久
公認会計士 江村羊奈子
後発事象は、決算日後に発生し、当期の財務諸表の見積り項目の修正、または次期以降の財務諸表に影響を及ぼす事象として開示が求められる項目です。後発事象の内容によっては、事象の発生の原因が期末日に存在していたかどうかの判断が悩ましいものが存在します。そのため、財務諸表の作成に当たっては、実質的で合理的な判断が求められます。本解説シリーズでは、基本的な後発事象の意義から、開示に当たっての留意事項を取り上げます。
後発事象とは、決算日後に発生した会社の財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす会計事象です。後発事象は、財務諸表を修正すべき後発事象(以下、修正後発事象)と財務諸表に注記すべき後発事象(以下、開示後発事象)の二つに分類されます。
二つの後発事象を図表にまとめると以下のとおりです。
類型 |
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1.意義 |
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2.共通点 |
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3.相違点 |
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修正後発事象は、決算日後に発生した会計事象ですが、その実質的な原因が決算日現在において既に存在しており、決算日現在の状況に関連する会計上の判断ないし見積りをする上で、追加的ないし、より客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない会計事象であるとされます。修正後発事象のうち、重要な後発事象については、財務諸表の修正を行うことが必要となります。
修正後発事象は、おおむね以下のような場合が考えられます。
開示後発事象は、決算日後において発生し、当該事業年度の財務諸表には影響を及ぼさないが、翌事業年度以降の財務諸表に影響を及ぼす会計事象とされます。開示後発事象のうち、重要な後発事象については、会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する的確な判断に資するため、当該事業年度の財務諸表に注記を行うことが必要となります。開示後発事象の例示として以下のような事象が考えられます。(監査・保証実務委員会報告76号「後発事象に関する監査上の取扱い」参照)これらはあくまで例示のため、会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響等を考慮した上で開示の要否を検討する必要があります。
<開示後発事象の例>
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財務諸表提出会社、子会社及び関連会社に関する事象 |
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連結財務諸表固有の後発事象に関する事象 |
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(上記の中には事象発生の原因により、修正後発事象に該当する場合があります)