EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
・日本を含む10カ国の市場の消費財メーカーのエグゼクティブ370人を対象に調査を実施
・オペレーティングモデルの改革について社内で抵抗があり、明確なロードマップが描かれていないことが明らかに
・消費者への直接のアプローチが極めて重要と62%のエグゼクティブが認識
EYは、消費財メーカーのオペレーティングモデルの改革をサポートするソリューション「Operating Model Transformation」を提供開始したことを発表しました。本ソリューションは、「ダイナミック・エコシステム」、「デジタルDNA」、「人材の柔軟性」、「イノベーション・プラットフォーム」および「永続性のあるパーパス」の5つの要素にもとづいて各企業が変革のプロセスの中で、現在どの段階にいるか、どの段階に進むべきかを評価するものです。
本ソリューションの枠組みについてストレステストを行うため、EYはマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン・マネジメント・レビュー・コネクションズに10カ国の市場の消費財メーカーのエグゼクティブ370人を対象としたインタビューの実施とグローバルなアンケート調査を委託しました。その成果であるEY Operating Model Transformation Surveyでは、各企業における投資の優先分野、改革のプロセスの進捗、現在の戦略および将来に向けた戦略の実行力、改革の障害など、事業活動に関わる主要課題を取り上げています。
変化する消費者の期待、加速する技術的な変化、業界で進む寡占化、そしてサステナビリティに関するプレッシャーの高まりが消費財メーカーを改革に駆り立てる要因となっています。こうした要因に対応していく上で、この20年から30年の間、事業活動におけるレジリエンスと機動性がますます重要となってきましたが、今回の新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって消費財メーカーのオペレーティングモデルを改革する必要性が急速に高まっています。
本調査の結果では、各社において見込んでいる時間軸では必要な変化を起こすことができないことが明らかになっています。回答したエグゼクティブのほとんど(98%)がオペレーションの改革を優先事項ととらえ、そのために必要な能力は整っていると考えている(75%)ものの、半数近く(46%)が改革に要する時間を過小評価しています。また、消費財メーカー各社はパートナーシップの価値を過小に評価していることが分かりました。回答者の大部分(90%)が 現時点では他社との提携を行っておらず、単独で改革のプロセスを進めていきたいと考えていると答えています。一方で71%のエグゼクティブが、変革を進めるためには、通常、買収か既存事業への投資によって変化を起こすという方法を取ることにしていると述べています。
需要の細分化が進んでイノベーションのサイクルは短くなり、市場のボラティリティが一段と高まっていることで消費財メーカーは自社の予測機能について変革を迫られています。もはや5年先を見通すことは不可能になり、18カ月から24カ月先の計画しか策定していないと各社は述べています。消費者はウェブ上のレビューとソーシャルメディアのインフルエンサーたちが投稿するコンテンツに基づいて購買行動を決定します。一夜にして新しいトレンドや需要が生まれ、既存のビジネスモデルのペースをかき乱します。
オペレーションの改革においては、すべてが優先事項であり、明確なロードマップが描かれていないことが明らかになっています。実際に本調査で回答したエグゼクティブの79%が、オペレーションの全領域が今後の成功に重要な意味を持っているとする見方に賛同しています。また、消費財メーカーの社内では改革に抵抗する動きがあると見られ、回答したエグゼクティブの63%が何を戦略的な優先事項とすべきかについて社内の意見が大きく割れるだけでなく、自社の既存の企業文化を変えようとすれば社内から抵抗を受けるだろうと答えています。
EYグローバル・コンシューマー・リーダーのクリスティーナ・ロジャーズ(Kristina Rogers)のコメント:
「消費者は前進し続け、自ら進む道を切り開いています。EY Future Consumer Indexによると、消費者は、今回のCOVID-19のパンデミックによって変化した購買行動は、この先、元に戻ることはないと考えています。未来の消費者がどこへ向かっていくのかを理解している経営陣は、成功に向けたロードマップとその実現に必要なアクションをより的確に見極めることができるでしょう」
消費財メーカーのほとんど(62%)が、今後の成功には消費者に直接アプローチする取り組みが不可欠だと認識しています。さらに、入手したデータから価値を最大限に引き出すためには、データをオペレーション全体と統合して知見を獲得し、ボトルネックを特定し、効率性を最大化する必要があると理解しています。現在の自社のデータ処理能力で消費者やパートナー、サプライヤー、顧客、ビジネスプロセスについて、まとまった見方を得ることができると考えている回答者の割合はわずか19%でした。
EY Operating Model Transformation担当グローバル・リーダーのスティーブ・バシリ(Steve Basili)のコメント:
「未来に適合した企業となるのは確かに急務ですが、目に見えるゴールラインがないのがこのレースです。需要が瞬く間に拡大したり、逆にサプライチェーンに問題が起きて落ち込んだりする不安定な市場の中で、リーダーは常にその時の状況に自社の事業の優先課題と戦略を適応させていかなければいけません。そのためにはこれまでと違ったタイプのオペレーティングモデルが求められます。レジリエントで、かつ、現在のニーズに合わせて最適化を図ることができる堅牢性と、新しい機会と課題が現れたときに機動的に対応できる柔軟性とを兼ね備えたオペレーティングモデルが必要となります」
また、EY Japanの消費財・小売マーケットセグメント・リーダーの平元達也(ひらもと たつや)のコメント:
「目まぐるしく変化し続ける消費者のニーズに応えるために、消費財メーカーにはより柔軟な組織、オペレーティングモデルが求められています。過去20年で、日本の消費財メーカーの海外進出は大きく進展しました。グローバル市場での競争を勝ち抜くためには、各国・地域で異なる消費者ニーズへの対応も必要です。全てを自前のリソースで対応するのでは無く、時にはライバルとも手を携えることも含めた社外リソースの有効活用を可能とする柔軟なオペレーティングモデルの構築が急務です。また、デジタルとデータの活用も、欧米の多国籍企業に比べ遅れが感じられます。一方で、グローバル消費財市場における日本製品の信頼度は高く、国際競争における日本の消費財メーカーの強みです。この強みを活かす“パーパス(存在意義)”の下での柔軟なオペレーティングモデルの確立が必要です」
この調査の内容は以下よりご覧ください。
CEOが直面する喫緊の課題:1つのオペレーティングモデルで多くの消費者を満足させるには
※本プレスリリースは、2022年12月8日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版ニュースリリース:
EY launches Operating Model Transformation solution to help consumer products companies reshape operating models
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EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。
本ニュースリリースは、EYのグローバルネットワークのメンバーファームであるEYGM Limitedが発行したものです。同社は、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
Operating Model Transformation Surveyについて
EYは、MIT SMR Connectionsに委託し、消費財メーカーの経営陣のトップ、部門および事業部の責任者、取締役、シニア・マネジャーら370人のリーダーを対象としたグローバルなオンラインでのアンケート調査を実施し、回答を得ました。アンケート調査はQualtrics社によって2021年の6月と7月に中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、サウジアラビア、スペイン、UAE、英国および米国の10カ国の市場で行なわれました。
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