- 集計の自動化、データ収集プロセスのシステム一元化により、収集・集計が1カ月から1週間程度に短縮
- サステナビリティ推進による企業価値への貢献を可視化し、コストセンターからプロフィットセンターとして認知されることを目指す
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡、以下EYSC)は、コスモエネルギーホールディングス株式会社(東京都港区、代表取締役社長:山田 茂、以下コスモエネルギーHD)が、サステナビリティ推進に必要となる非財務情報(数値化された財務データ以外の企業情報)の収集・管理プロセスをシステム化し、財務と非財務を一体化させたデータドリブンなサステナブル経営への取り組みを支援していることを発表します。
コスモエネルギーHDは、昨今のSDGsやサステナビリティなどに関する国内外の動向を踏まえ、2020年にサステナビリティ推進部を設置、社長を議長とするサステナビリティ戦略会議を立ち上げ、サステナブル経営について理念体系から整理するなど推進基盤を固めてきました。
しかし、非財務指標と企業価値向上の関係を定量的に開示・分析することがサステナビリティ推進における課題となっていました。開示・分析のために必要な膨大なデータの収集・集計は、現場の負担になっており、特にCO2排出量などは、エネルギー使用量など複数のデータから集計しなければならず、これらのデータを連結対象のグループ会社全体でとりまとめ、取締役会に報告するには、準備に3カ月かかる場合もありました。これらの課題を解決するため、ESG関連データを一元的に収集・集計する非財務情報管理システムの構築を検討することになりました。
コスモエネルギーHDは、中長期的に重要なESG課題8項目を明示し、それぞれに詳細なKPIを設定。各KPIの進捗状況を踏まえて次のアクションを討議できるようにデータの依頼、収集、集計を効率化するべく、非財務情報管理システムの構築にあたり、複数社に提案を依頼しました。その中で、EYSCの業務内容を深く理解しようとする姿勢、今後の社会的ニーズの変化にも対応でき得る柔軟なプラットフォームの提案、また、システム開発だけでなく、EYSCのサステナビリティ経営コンサルティングチームとの連携により開発・運用の先にある価値も共創できる点が評価され、EYSCがパートナーとして選定されました。
ゼロからのシステム開発を避け汎用(はんよう)性や拡張性を重視するという同社の希望をもとに、プラットフォームは、マイクロソフトのサステナビリティソリューションであるMicrosoft Sustainability Managerが選定されました。コスモエネルギーHDとEYSCは、各事業所でヒアリングを実施。データの収集・算出方法をシミュレーションすることで、製造、輸送、販売に至る各工程の情報収集方法を、一つずつひもといていきました。2022年にシステム構築を開始し、現在は各情報を集約するデータベースが完成しました。転記ミスや抜け漏れを防げるため、検証作業の省力化が実現し、収集から集計プロセスでは、1カ月かかっていた作業が1週間程度にまで短縮することができました。整合性の確認もシステム上で行えるため、効率化と品質向上が両立でき、3カ月ほど掛かっていた取締役会への実績報告の準備期間も、およそ半分に削減されました。現在はさらなる機能性向上に向け、BIツール連携によるデータの可視化、収集の自動化にも取り組んでいるところです。
データ収集・管理の全体フロー(イメージ)