EYの事例

急速に変化する環境の下、テクノロジーの活⽤により⽀出リスクを管理する

EYは、Microsoftがグローバルに展開するコンプライアンスリスク管理の最新化と改革を支援しています。

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The better the question

通常の情報の中から、いかに無駄な⽀出を検出するか。

世界最⼤の先進テクノロジー企業の1つとして、世界中の⼤量な取引データを管理するためのサポートを求めていました。

Microsoftは今や、単なる世界的な先進テクノロジー企業ではありません。イノベーションの代名詞としてよく知られる名前であり、クラウドコンピューティングからゲーム機などに⾄るまで、世界中の社会やビジネスインフラを⽀える重要な企業でもあります。
 

しかし、他の企業と同様に、Microsoftもコンプライアンスリスクの管理については、注意をおこたることなく厳格に対応しなければなりません。つまり、これは同社内のあらゆる従業員がデータプライバシーから腐敗防⽌に⾄るまで、社内のポリシーと外部の規制に従って⾏動しているかを検証することを意味しています。
 

Microsoftのように⼤規模かつダイナミックで多様な企業では、コンプライアンスリスクへの対応は重要かつ複雑な課題です。EYのフォレンジックアナリティクスを活⽤した継続的モニタリングプラットフォームである「EY Virtual」をMicrosoftのAzure Stack上に構築することで、EYはMicrosoftの課題解決を⽀援しています。
 

進化する視野を備えたパートナーシップ
 

EYとMicrosoftは、⻑期にわたる顧客関係を築いています。私たちは何⼗年にもわたってMicrosoftでのさまざまなビジネス分野を⽀援してきました。その実績には、過去7年間にわたり同社のファイナンスオペレーショングループと共同で取り組んだコンプライアンスリスク管理の⽀援も含まれます。

この⽀援業務は、業界をリードするEYの内部統制およびコンプライアンスのマネージドサービスを基盤としています。本サービスは、Microsoftのプラットフォーム上に構築され、その後さらに発展させたものです。EYは現在、Microsoftのビジネス以外の領域にも同様のサービスを提供しており、クライアントの利益増⼤に貢献しています。
 

驚くべきことではありませんが、2019年にMicrosoftが世界規模で同社における全ての企業⽀出に係る内部統制とコンプライアンスを改善する意欲的なプロジェクト「Spend Risk Monitoring Modernization(SRMM)プログラム」に着⼿することを決定した際、その取り組みにおける指南役の第⼀候補としてEYが選ばれています。MicrosoftのGroup Global Process ManagerであるHolly Younggren⽒は、「当社とEYは、信頼と価値のある関係を築いています。EYは当社の『⼦会社統制評価プログラム』でモニタリングを実施してきましたが、このプログラムは⻑年にわたって成⻑し、⼤きな成功を収めています。そのため、この関係を拡⼤し、これまで実施してきたモニタリングで培ったEYの専⾨知識を活⽤しようと決断するのはとても簡単なことでした」のように述べています。

当社とEYは、信頼と価値のある関係を築いています。EYは当社の『子会社統制評価プログラム』でモニタリングを実施してきました
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The better the answer

高度な分析で将来のコラボレーションを強化する

効果的なワークフローにより、信頼できるデータを作り出し、リーダーはそれを戦略的緊急課題のために活用することができます。

支出リスクをゼロにするには

では、どのような問題にMicrosoftは対処しようとしていたのでしょうか?全社的な⽀出リスクの管理⽅法を綿密に検討した結果、Microsoftは以下の3つの主要な施策を実施することで、取引テストに対する既存のアプローチを改善できると判断しました。

  • 1つ⽬は、Microsoftの既存の⽀出取引テストが、さまざまな組織にあるさまざまな統制でサイロ化し重複して実施されていたため、その⽅法を変えて各取引を複数回ではなく⼀度だけレビューし、より広範囲に全域を把握したいと考えました。
  • 2つ⽬は、既存のテストは無作為抽出法に基づいており、年に⼀度しか実施されていないものもありました。Microsoftはリソースを効率的に⽤いて、取引をよりリアルタイムに把握できる継続的モニタリングがより良いアプローチになると考えました。
  • 3つ⽬は、全社的な⽀出管理に移⾏することで、既存のプログラムの優れた点を取り入れて真正な単⼀の情報源に集約し、グローバルで一貫したポリシーと報告の促進を考えました。

Microsoftは、こうした新たなアプローチがビジネスに⼤きな利益をもたらすことを確信していました。継続的モニタリングを実施することで、取引から発⽣した問題とその対応の進ちょく状況の両⽅を常時把握することができます。また、異常時の傾向を追跡し、それに対して明確な措置を講じることも容易になります。Microsoft社のFinance Operations General Manager であるLuke Fewel⽒は、「適切なコンプライアンスの実践は、最新のエクスペリエンスであり、これは継続的に機能し、従業員や企業がコアコンピテンシーに集中するのを可能にするものです。MicrosoftとEYはこの理念を共有し、最新のテクノロジーを活⽤してコンプライアンスを実現するという価値あるパートナーシップを結んでいます」と述べています。

適切なコンプライアンスの実践は、最新のエクスペリエンスであり、これは継続的に機能し、従業員や企業がコアコンピテンシーに集中するのを可能にするものです

EY Virtual を中核に据えてソリューションを創出するには

これらの目標を達成する支援を任されたEYは、Microsoftのコンプライアンスプロセスを深く理解していたため、すぐに実行に移すことができました。

このソリューションの中核となったのは、EYがMicrosoft Azure Data Factory上で開発し、すでに世界140社以上のクライアントに展開しているマイクロサービスを活⽤した継続的モニタリングプラットフォーム「EY Virtual」でした。現在のEYの顧客は、Microsoftの年間収益の約500万⽶ドルに貢献しており、前年⽐で10%以上の成⻑が⾒込まれています。⾼度なアナリティクス、AIおよび機械学習を搭載したEY Virtualは、膨⼤な量のデータを取り込み、その中から異常を検出してフラグを⽴てるという卓越した能⼒を有し、コンプライアンス、サイバー、不正、法務などに関するリスクへの的確な対応を⽀援します。「当社は多くの⽉次取引を実⾏しています。 EY Virtualはそれらの取引を全て取り込み、各リスクのトリガーやシグナルに照らし合わせてテストを⾏い、600件の異常な取引データ抽出に役立った⺟集団を⾮常に迅速に提供してくれました。短時間で正確なデータ抽出にたどり着けるEY Virtualの能⼒により、SRMMプログラムの実現が可能になったのです」と、Microsoft社のGroup Global Process ManagerであるHolly Younggren⽒は述べています。

当社は多くの⽉次取引を実⾏しています。EY Virtualはそれらの取引を全て取り込み、各リスクのトリガーやシグナルに照らし合わせてテストを⾏い、600件の異常な取引データ抽出に役立った⺟集団を非常に迅速に提供してくれました

EYは、多くのクライアントが利⽤しているEY Virtualを活⽤し、コンプライアンスのさまざまな側⾯を⽀援する100以上のアナリティクス対応アプリを開発しました。それらアプリの中の1つである「Spend Analytics」は、支出に関するリスク管理に特化しており、Microsoftのニーズに最適なアプリです。

EYチームは、業界とテクノロジーに関する深い知識を活⽤し、Microsoftの全世界の⽀出をモニタリングするために、Spend Analyticsアプリを迅速に設定してカスタマイズしました。

新しい時代のリスク管理を実現するために

その後、Microsoftにはどのような影響がもたらされたでしょうか?EY VirtualとSpend Analyticsを活⽤することで、Microsoftはランダムサンプリングからリスクベースのサンプリングへと⾶躍的に進化させ、同社のビジネス戦略に整合させることができました。 今では、個々の地域とビジネスユニットにおける⽀出に対して関連する全ての内部統制の運用状況をリアルタイムでレビューしてリスク評価を実施し、異常な取引や⾼リスク取引を的確に特定してそれらを対象に詳細なコンプライアンスレビューを行い、その結果をレポートとして提出することができます。EYは、シームレスなエンド・ツー・エンドのマネージドサービスとして、全てのプロセスを統合的かつ自動化された方法で処理します。

この⽅法は、今の時代に即した、最新化と再構築がなされ、スケーラブルな新しいタイプのリスク管理であり、Microsoftでのビジネス領域やあらゆる業界にまたがる他のより多くの組織でも活⽤できるようにと考えられた、拡張性と適応性を備えたソリューションです。 「EY Virtualのおかげで、ランダムサンプリングから戦略的なリスクベースのサンプリングに移⾏することができました。これにより、内部統制が適切に機能しているかどうかを確認したい⾼リスク領域に焦点を当てて、貴重な⼈的時間を費やすことができるようになりました」と、Microsoft社のGroup Global Process ManagerであるHolly Younggren⽒は語ります。

EY Virtualのおかげで、ランダムサンプリングから戦略的なリスクベースのサンプリングに移⾏することができました。これにより、内部統制が適切に機能していることを確認したい⾼リスク領域に焦点を当てて貴重な⼈的時間を費やすことができるようになりました
仮想プラットフォームでは、世界中の全ての取引データを取り込み、異常を抽出して、リアルタイムのインサイトを提供します。
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The better the world works

コンプライアンス違反を表示する、自動化された継続的モニタリング画面

仮想プラットフォームでは、世界中の全ての取引データを取り込み、異常を抽出して、リアルタイムのインサイトを提供します。

各段階における主な差別化

EY Virtualを活用したソリューションを詳しく見てみると、いくつかの画期的な特徴があります。フロントエンドでは、Microsoftの主要なデータソースに接続する際に、EYは全ての手作業入力を排除し、Microsoft独自のIT標準に基づいて、データの取り込みプロセス全体を自動化しました(関連するデータプライバシーとセキュリティー問題など全ての対応を含む)。

Microsoft のスタック機能が持つ⾼度なテクノロジーと⼈間が導き出すインサイトの融合

さらに、EY Virtualのスクリーニングでは、統計的なルールに基づく分析だけでなく、15年以上にわたる開発経験とAzureが実現する高度なAIおよび機械学習アルゴリズムを適用していることも、差別化要因となっています。 この機械学習機能により、常にモニタリングの改善や進化が可能になります。

EY VirtualのAzure AI対応テストでは、企業全体の請求書を全件レビューし、⾼リスクの異常を特定して⼈によるレビューの実施を促します。これらの情報は、EYのワークフローソリューションであるEY Controlsに直接連携されます。このソリューションはMicrosoft Dynamics 365上に構築されており、Power Automateおよびその他のPower Platformのテクノロジーを活⽤して、世界中のEYの処理チームが処理することが可能です。その結果は、Microsoftのデータ可視化ツール「Power BI」を⽤いてMicrosoftに報告されます。

一層洗練されていくスマートソリューション

最後に、アウトプットはEY Virtualにフィードバックされ、EY Virtualはそれを基にコンプライアンススクリーニングを再定義・改善していきます。

具体例を見てみましょう。「ベンダーA」への平均的な⽀出が毎⽉50,000⽶ドルで、各四半期末に特定の急増があるとします。これらの費⽤は全てマーケティング費用勘定に計上されるものですが、200,000⽶ドルの新たな取引がたまたま雑損勘定に計上された場合には、アルゴリズムはこの取引を抽出し、⾼リスクとして分類します。その取引が問題ないものであることが判明した場合、システムはその特徴を記録し、次回発⽣時に参考にする仕組みです。

Microsoftが享受するメリットは今後もさらに⼤きくなり続ける

EY VirtualがMicrosoftに提供するメリットは、⼀⾔で⾔えば「グローバルに、継続的に、リアルタイムで」データ処理が⾏えるということです。その成果はどのようなものでしょうか︖現在、Microsoftは以前掛かっていた時間の何分の1かでグローバルな⽀出リスクの評価を実施することができるようになり、リスク管理の範囲が⼤幅に拡⼤しました。その⼀⽅で、既存のサイロ化したコンプライアンスプログラムを単⼀のプロセスに統合し、ビジネス全体で年間10,000時間以上の作業を削減しています。

これまで挙げたメリットはほんの⼀部分です。SRMMプログラムを強化するSpend Analyticsアプリは、EY Virtualライブラリーにあるさまざまなコンプライアンスリスクやワークフローに対応したアプリのカタログの1つであり、Microsoftのスタック機能における能⼒の⼀端を⽰すものにすぎません。

そして、EY Virtualの機能は進化し続けている

EY VirtualがMicrosoftに提供するメリットは、今後も拡⼤していくでしょう。また、別の⽅法でもソリューションの開発が進⾏しています。EYとMicrosoftは、⻑年にわたり、新しいデジタルソリューションとプラットフォームを構築するために提携してきました。この提携は最近、150億⽶ドル規模の成⻑機会を掴むべく拡⼤されており、これは両社のCEOによっても強調されています。

この提携の⼀環として、EYとMicrosoftのサービスグループの各チームが協⼒し、EY Virtualをさらに発展・強化させることになりました。EY Virtualは、その機能を向上させ、Microsoftのニーズだけでなく、世界中に存在する両社の共通クライアントにおけるニーズにも応えることも⽬標にしています。その可能性は計り知れず、⾮常にエキサイティングなものとなるでしょう。

リスク管理の道をリードするには

2020年末にEY VirtualとSpend AnalyticsがMicrosoftで稼働して以来、Microsoftの⽀出リスク管理に劇的な影響を与えています。端的に⾔えば、Microsoftはこれまでのアプローチよりも、より早く、より少ない労⼒で、全体で最も⾼リスクの取引に対して、レーザーを使⽤したときのような精度でリスクをゼロにすることが可能です。

これは、世界中の他の多くの企業が望んでいる機能でもあります。ほとんどの企業は、少数の取引サンプルを確認することで⽀出リスクを管理しています。

ここでお伝えしたいメッセージは明確です。急速に変化するリスクの世界では、個々の企業が最先端のテクノロジーを採⽤して、リスク管理の手法を最新化するとともに、その範囲を拡⼤する必要があります。EYとMicrosoftは、共にその道をリードしています。Microsoft社のGroup Global Process ManagerであるHolly Younggren⽒は、以下のように述べています。「当社とEYとの取り組みは、まさにサクセスストーリーと⾔えるでしょう。このプログラムの⽬的は、⽀出管理ポリシーに対する意識を⾼め、内部統制を強化できる領域を把握することです。私たちは確実にその⽬標を達成しており、ツール化、コラボレーション、パートナーシップの観点からも、この関係にとても満⾜しています。MicrosoftはEYに対して常にとても⾼い期待感を持っていますが、EYは確実にその期待に応えており、場合によっては期待以上の成果を上げていることさえあります」

当社とEYとの取り組みは、まさにサクセスストーリーと言えるでしょう。このプログラムの目的は、支出管理ポリシーに対する意識を高め、内部統制を強化できる領域を把握することです。私たちは確実にその目標を達成しています

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