EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
ダラスは、税制面での優位性や、豊富な労働力から、企業の進出が相次いでいます。テキサス州のGDPは2013年にニューヨーク州を超え、カリフォルニア州に次ぐ全米第2位に位置しています。その後も概ね米国平均を上回る成長を続けており、2023年の実質GDP成長率は+5.7%と米国平均を大きく上回る成長を記録しています。また、このような高い経済成長率も背景に、ダラス都市圏の人口(約800万人)もテキサス州平均、米国平均を上回る増加を続けています。
在留邦人数については、ダラスはテキサス州ではヒューストンに次ぐ2番目の都市ですが、トヨタ自動車などの移転もあり、近年高い増加率を示しており、ヒューストンとほぼ同数まで迫っています。
ダラス都市圏の戸建住宅価格(中央値)は、400,000ドル程度であり、米国全体の約350,000ドルを上回る水準にあります。米国の住宅価格は、2021年に大きく上昇しましたが、金利上昇と物価高により2022年後半から2023年前半にかけては調整局面となりました。ダラスの住宅価格も同様にその影響を受けたあと再び上昇傾向に戻ったものの、上昇率としては2021年、2022年前半と比較して緩やかになっています。
ダラスは全米第2位のGDPを誇るテキサス州の主要都市でありながら、住宅価格は適切な水準にあります。戸建住宅価格の世帯収入に対する倍率(戸建住宅価格÷世帯収入)は、カリフォルニア州のサンフランシスコやロサンゼルスが10倍程度であるのに対して、ダラスは4.7倍とほぼ米国全体と同程度です。世帯収入は上昇しているものの、住宅価格が世帯収入以上に上昇したため、世帯収入倍率はやや上昇しましたが、それでもロサンゼルスやサンフランシスコと比較して、手頃な水準と言えます。
ダラスの住宅価格は上昇する一方で、成約件数については季節による影響があるものの、2022年頃より減少しており、直近においても横ばいかやや減少傾向になっています。このため在庫数についても、2023年以降上昇しています。
なお、固定資産税についてはWalletHubによれば、テキサス州の住宅の固定資産税の実効税率は1.63%であり、全米で7番目に高い州となっています。また、不動産価格がこれまで大きく上昇したため、課税標準額の上昇にも注意が必要となっています。
2022年後半から2023年前半にかけては調整局面にあった住宅価格は、再度上昇に転じています。住宅の供給は増加しているものの、過去の水準ほどの供給はなく、人口増加に伴う住宅不足にインフレも相まって、住宅価格は今後も上昇していくことが予測されています。
経済成長や人口増加を背景に、ダラスの住宅価格は大幅に上昇し注目を集めましたが、直近では価格は上昇する一方で、在庫数もやや増加傾向にあります。また。固定資産税についても他州に比べて実効税率も高く、課税標準額も大きく上昇しているため、今後の情勢には注意が必要です。
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高い経済成長、人口上昇率を背景にダラスの住宅価格は大幅に上昇しました。金利の上昇や固定資産税などの上昇により、住宅を保有するコストは増加しているものの、世帯収入に対する住宅価格は引き続き適切な水準にあり、人口増加に伴う住宅不足にインフレも相まって、住宅価格は今後も上昇していくことが予測されています。
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