EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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企業の不正行為に対する規制当局の法執行やそれを許さない世間の風潮が強まる今、EYのプロフェッショナルは、企業によるインテグリティやコンプライアンスのフレームワークの強化をサポートします。実際に違反行為があったり、不正や贈賄の疑いが生じたりした場合には、EYのForensicsチームが速やかに対応し、会社を守る支援をします。
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強まるインテグリティ維持への逆風
その一方で、回答者はますます複雑化するインテグリティ環境によって、法律・規制上の課題への対応が難しくなっているとも認めています。今回の調査の結果から、外部と内部においていくつかの重要な課題が浮かび上がってきました。
- 外部リスク:回答者(世界全体)の半数近く(49%)が規制の変化におけるスピードの速さと量の多さへの対応への対応が難しいと感じ、インフレ、失業、為替レートなどの経済的圧力が、ビジネスを誠実に遂行することを難しくしていると述べています。ビジネスを行う上で、コンプライアンスリスクや不正リスクなど、今後2年間で最も大きなインテグリティリスクをもたらす地域として回答者(世界全体)が挙げたのは中国、(ロシアを含む)東欧、米国・カナダ、中東・北アフリカです。
- 従業員リスク:不正行為をめぐる継続的な課題により、組織が会社全体と、第三者やサプライチェーンとの間に、高いインテグリティ規範を浸透・定着させることが難しくなっています。回答者(世界全体)の3分の1以上(38%)が上司から頼まれれば非倫理的行動を取ることもいとわないと回答し、半数近く(47%)が今後2年間で組織にとって最大のインテグリティリスクをもたらすのは従業員であると回答しています。
- 事業運営上のリスク:回答者(世界全体)の40%が事業運営上の最大のインテグリティリスクとしてプライバシーとセキュリティを挙げたのに対して、53%が従業員の離職と従業員がポリシーを理解していないことが、組織のインテグリティ規範に対する最大の内的脅威であると回答しています。
リスク評価の実施にあたっては、内的要因と外的要因が事業戦略、ビジネス活動、従業員への圧力に及ぼす影響を考慮することが重要です。また、影響を及ぼすのはどの要因であるかだけでなく、どのように影響を及ぼすのか、そして、なぜその要因が当てはまるかを理解し、コンプライアンスリスクに関連付け直接つながるかを把握し、それを参考にコンプライアンス対応の優先順位を決めることが重要となります。