EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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このような効率性向上の主な要因は、エネルギーコスト抑制に強い関心があり、継続的な改良と最適投資ができる資本を持つ大手ハイテク企業が運営する超大型データセンターへの移行です。
「パブリッククラウドサービスのプロバイダーは、立地選択から建物の建築、クリーン電源、サーバーラック、冷却、ソフトウェア、プロセッサーに至るまで、超大規模データセンターを一から手掛け、驚くべき効率性を実現しています」と、EY Americas Infrastructure and Service Resiliency Leader、Amr Ahmedは述べています。
超大規模データセンターのエネルギー需要がデータセンター全体に占める割合は、2015年の16%から、2021年には45%にまで増加しています。3
また、大手ハイテク企業の大部分は、炭素排出の削減に強くコミットしています。すでに電力需要の100%を再生可能エネルギーによる電力の購入契約で賄っている企業もあります。さらに、データセンターのエネルギー需要を場所ごとに特定の再生可能エネルギーで常時賄う「24x7(1日24時間週7日)再生可能エネルギー」への移行を進めている企業もあります。
しかし、このような目覚しい効率化と脱炭素化達成の障害となり得る要因がいくつかあります。 データプライバシーとデータローカライゼーション要件 のために、一部の企業が自社のデータセンターを維持する、または復活させる可能性があることです。さらに、リアルで魅力的な VR 体験には低レイテンシーが必要なため、データ処理がユーザーに近いネットワークの末端で行われる可能性もあります。
その結果、データセンターの中には、再生可能エネルギーの調達が困難な場所や、運用条件(熱、湿度、送電網の断続性など)により効率性が低下する、あるいは炭素集約型のバックアップ発電を必要とする場所に設置される可能性があります。引き続き、 グリーン電力網のグローバルな 拡大と、レジリエントな分散型データセンターソリューションの構築が極めて重要になるでしょう。
メタバースにおける商取引への電力供給
メタバースに関して確立されつつある、創造、販売、所有、投資などの商取引慣行は、気候という視点から見ると、大きな問題をはらんでいます。ブロックチェーンベースのプロセスを通じて鋳造され、暗号通貨で支払われる非代替性トークン(NFT)は、デジタルアートや仮想土地などの資産の所有権移転の主要な手段となっています。
しかし、10万件のクレジットカード取引のエネルギー消費量と比較すると、平均的なイーサリアムの取引では60%増、平均的なビットコインの取引では14倍のエネルギーが必要です(図2参照)。4