EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした混乱下、経営層ならびに現場の最前線に立つ従業員は、日々危機対応に尽力していることでしょう。この不安定な状況への対応とレジリエンス(弾力性)の構築に関し、EYのグローバルネットワークを活用した知見および日系企業のビジネスに即した具体的な対応策を紹介します。
新型コロナウイルス感染症のまん延により各産業/企業の活動に大きな混乱が生じています。グローバルなサプライチェーンを構築している企業は、この混乱状態からの復旧を行うとともに、今後のリスク対応についてそれぞれのステークホルダーへ合理的に説明する責任が発生しています。
一方、リスク対応の観点からは、新型コロナウイルス感染症は重大リスクの最新事例にすぎません。現在のグローバルサプライチェーンは米中貿易摩擦といった貿易障壁、伝染病、自然災害、テロリズム、サイバー攻撃などさまざまなリスクにさらされており、その1つとして新型コロナウイルス感染症のような世界同時多発的な事象が加わりました。
今回の感染症のまん延により、各国でヒトの移動が厳しく制限され、それに伴うモノの生産・ロジスティックも制限されました。それに伴い各国の小売業の売り上げも減少、さらには借入金の上昇などもあって世界経済全体へ多面的かつ複合的に影響が及び、企業活動の継続に関わる危険性が急速に高まっています。これまでの安定的なグローバルサプライチェーンを前提としたビジネス環境から、不確実性を前提とした弾力的なサプライチェーンの構築に向けてパラダイムシフトし、課題認識を改めていく必要があります。
新型コロナウイルス感染症のように現在目の前に顕在する課題への対応のみならず、企業活動に影響を与え得る将来の事象への対応も含めて検討する必要があります。重要なのは事業状態を3つの局面に分け、それぞれの局面に応じて対応策を考えることです。
1. Now 事業の継続性確保
事業継続性の確保および危機管理の実現のためにフレームワークを活用して危機に対応します。
2. Next 事業の弾力性構築
危機への統制が取れた後、政府による規制・金融・法的な各種措置の余波を受ける事業への制限に対してはフレームワークを活用して管理し、継続する混乱の中で事業をリードします。
3. Beyond 危機後のニューノーマルに向けた体制を再構築
従来および将来の課題に対して弾力性を持つ企業体制へと変革することが求められます。
対応すべきポイントは以下の4つです。
サプライチェーンの弾力性構築に向けたそれぞれの施策の具体的な検討対象・構築手法については以下の記事をご参照ください。
新型コロナウイルス感染症といった伝染病の感染拡大だけでなく、貿易戦争や自然災害などさまざまなリスクを前提とした弾力的なサプライチェーンの構築が必要となっています。サプライチェーンの弾力性構築にあたっては事象の局面とリスク状況に応じた対策を講じていくことが有効です。