EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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生成AI2.0時代の到来 ~AIとの協働の時代に我々はどうするべきか~
ビジネスの現場では猫も杓子(しゃくし)も生成AIの時代。しかし、大きな価値の獲得に至った事例はまだ乏しいのが現状です。一方で、AI自体の進化は止まりません。次世代につながる生成AI2.0時代が到来しようとしています。人はAIとどのようにして“協働”するべきか。本セミナーでは“AIとの協働”にフォーカスを当て、生成AI2.0時代へ向き合い方に言及します。
自律エージェントにより“物知り博士”からビジネスパートナーへ
AIは基本的に受け身であり、人が何らかの問いかけを行って初めて答えてくれる存在です。具体性の高い答えを得るためには細かな指示が必要であり、長大化した指示が「プロンプトお化け」と揶揄(やゆ)されることもあります。また、聞き手が誰であっても同じ答えを返すステートレス性もあり、便利ではあるものの“物知り博士”の域を出ないというジレンマがあるのも事実です。
AIを“物知り博士”から人間のビジネスパートナーとして進化させるために重要なのが「AIに自律性を持たせること」です。
「自律エージェントやマルチモーダルAIといった技術要素を組み合わせることにより、新しい競争力を生み出すことができれば、AIは人間にとってのパートナーになるでしょう。そのような位置付けにまで成長させることこそが、まさに我々が考える生成AI2.0の未来なのです」(山本)
では、自律エージェントとはどのようなものなのでしょうか。通常のAIは投げられた問いに対して考え、答えを返します。しかし、自律エージェントはまず問いに答えるためのステップを考えます。その実行計画に基づいて、それぞれの役割を持ったエージェントが動き、最終的な答えをアウトプットします。
「自律エージェントの課題に対するプロセスは、人間の組織とよく似ています。AIの組織を作ることができれば、AIが人にとってのビジネスパートナーになる日もそう遠くはないでしょう」(山本)
山本は自律エージェントの動きを理解するため、シニアリサーチャー、ライターのペルソナを定義し、実験を行いました。その結果、アウトプット以上にプロセスにおいて、以下のような非常に興味深い動きが見られました。
(1) 「AIと医療について」まとめるという課題を与える。
(2) シニアリサーチャーがライターに「ヘルスケアにおける最新のAIトレンド」の調査を指示。
(3) 並行して、シニアリサーチャーは「AIを使った画像分析がトレンドなのではないか」と考え、それをまとめライターに共有。
(4) ライターが、自身の調査結果とシニアリサーチャーの考えを併せ、最終的な結果としてまとめた。
複数の専門的な役割を持ったエージェントが連携することで、より高品質なアウトプットを得られることがわかりました。