01. InsurTechとは
InsurTechとは、Insurance × Technologyを掛け合わせた用語であり、保険業界におけるテクノロジーとイノベーションの統合を指す用語です。経済産業省が2017年5月に公開した「FinTechビジョン1」では、「保険分野におけるFinTech」と定義されているように、Fintechという大枠の中に含まれることもあります。
保険業界では近年、主にスタートアップ企業によるテクノロジーやデータを活用した、個々の消費者ニーズや利便性が高い保険商品が普及しており、米国ではLemonadeやOscar Healthといったオンライン上での顧客接点に焦点を絞ったデジタル保険会社のIPOも進んでいます。また、リスク評価や引受査定、保険金請求管理といった保険業界における多岐にわたるバリューチェーンに関わる技術の進化も見られます。
バリューチェーン別の活用テクノロジーと代表スタートアップ
保険業界におけるテクノロジーの活用は、バリューチェーン全般にわたります。保険商品・サービスの高度化や顧客接点強化、顧客体験向上を含むフロントエンドでの取り組みだけでなく、社内の引受・保険金支払などの業務の効率化にデジタルを活用するなど、基幹業務でもテクノロジーの活用が進んでいます。
大手保険会社は、自社での取り組みも進めると同時に、各領域で強みを持つInsurTechスタートアップと提携することで、最新技術を取り込んでいます。
地域別のInsurTech市場規模
グローバルのInsurTech市場をけん引する北米やそれに次ぐ欧州やアジアが取り上げられることが多いですが、規模は小さくとも特徴的な動きがある南米など、各地域で特徴・トレンドがあります。各地域・国における公的保険の状況や所得水準、保険加入状況などにより、求められるInsurTech企業のサービスにも差が見られました。