Question
P社は、X1年2月末に外国会社(S社)の株式のすべてを$265(¥26,500)で取得しました(取得日レートは1$=¥100)。P社の決算日は3月末、S社の決算日は12月末です。
X0年12月末の為替レートは1$=¥90、X1年3月末の為替レートは1$=¥105、X1年1月1日からX1年3月末までの平均為替レートは1$=¥95です。
P社はX0年12月末をみなし取得日としてS社を第4四半期から連結の範囲に含めますが、S社の決算日を基礎として連結するため、X1年3月期ではB/Sのみ連結を行います。
S社を連結に含める場合の資産・負債・資本の換算レートは何を使用することになるのでしょうか。
Answer
外国子会社を買収して子会社化し、連結する場合の資本と投資の消去は外貨ベースで行い、差額ののれんも外貨ベースで算定し、償却を行います。外貨ベースののれんの未償却残高を在外子会社の決算日の為替レートで円貨に換算し、外貨ベースののれん償却額は、在外子会社の費用の換算レートで円貨に換算します。
外貨ベースでの投資と資本の消去の仕訳を円貨に換算する方法として、以下の方法1が、「外貨建取引等会計処理基準」三2.に従った換算方法であると考えられますが、方法2、方法3によっても、のれんの算定、償却は外貨ベースで行われ、のれん未償却残高は子会社の決算日のレートで換算して連結貸借対照表に計上することになりますので、方法1と同じ結果になると考えられます。
資産、負債 | 資本 | のれん当初認識額 | 子会社株式 | |
方法1 | みなし取得日レート | 取得日レート | 取得日レート※1 | 取得日レート |
方法2 | みなし取得日レート | みなし取得日レート | みなし取得日レート | 取得日レート |
方法3 | みなし取得日レート | みなし取得日レート | みなし取得日レート | みなし取得日レート※2 |
※1:円貨ベースののれん当初認識額のうち、取得日レートから期末日(みなし取得日)レートへの変動部分について為替換算調整勘定となります。
※2:連結仕訳において、子会社株式の簿価を、取得日レートからみなし取得日レートへの変動部分について為替換算調整勘定とし、修正します。
参照条文等
- 企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針 第77-2項