タイESGファンドに投資する個人に対する税制優遇措置 他

タイJBS ニュースアップデート 2023年12月

本税務ニュースでは以下の内容を取り上げます。

  • タイESGファンドに投資する個人に対する税制優遇措置
  • 現金及びe-印紙税システムによる印紙税納付制度の期間延長
  • 特別勘定の提出に電子プラットフォームが求められる
  • 譲渡手数料率及び抵当権設定登記料率の低減期間の延長

タイESGファンドに投資する個人に対する税制優遇措置

2023年12月20日、所得税に関する歳入局長官告示(第442号)が財務省令第390号(仏暦2566年)に基づいて公布され、国内の環境、社会及びガバナンスの原則に適合する企業の証券又は債券への投資に重点を置く投資信託(「タイESGファンド」)に投資する個人に対する税制優遇措置の規則、手続及び要件が規定されました。購入対象期間は、2023年11月21日から32年12月31日までとなります。詳細は次のとおりです。

税制優遇措置
  • タイESGファンド投資ユニットの年間購入額のうち、課税所得の30%を超えず、かつ年間10万バーツを超えない部分(係る10万バーツは他の節税ファンド又は退職投資と合算する必要のない追加部分となる)について、課税所得から控除。
  • 個人投資家が購入日から少なくとも連続して8年間投資を維持する場合における、タイESGファンドの投資ユニットの償還から得られるキャピタルゲイン又は利益に係る所得税の免除。投資ユニットの償還は、先入先出法(First In, First Out: FIFO)で計算される。
要件
  • 証券取引法に基づいて設立されたタイESGファンドの投資ユニットの購入であること。
  • 購入は個人によって行われ、法人格を有しないパートナーシップ、社団又は財団によって購入されるものではないこと。
  • 2023年11月21日から32年12月31日までの期間に購入されること(継続投資は要求されない)。
  • 投資ユニットが、個人投資家の障害又は死亡の場合を除き、購入日から連続8年以上保有されること。
  • 順守しなかった場合、所得控除を受ける権利は失われ、申告済みの所得控除分について所得税を支払わなければならない。

出所及び施行日:
1)タイESGファンドへの投資の所得税免除の規則、手続及び要件に関する所得税に係る歳入局長官告示(第442号)(施行日:2023年12月20日)
2)財務省令第390号(仏暦2566年)(施行日:2023年12月8日)

現金及びe-印紙税システムによる印紙税納付制度の期間延長

2023年12月27日、印紙税に関する2本の歳入局長官告示である(第68号)及び(第69号)が勅令に基づき公布され、23種類の電子文書及び紙ベースの文書(すなわち、仲裁判断書、文書の謄本又は副本、基本定款、付属定款及び新規付属定款、並びに修正された基本定款又は付属定款の写しを除くすべての文書)に対する印紙税の納付期間が延長されました。
歳入局支局における現金による印紙税(特定の電子文書の場合)及びe-印紙税システムを通じた印紙税(特定の紙ベースの文書の場合)に係る納付制度の期間は、2023年12月31日から25年12月31日まで延長されます。
これら2本の告示は、2022年8月19日から25年12月31日までの期間に締結される規定の電子文書及び紙ベースの文書に適用されます。

施行日:2023年12月27日

出所:
1)電子文書に係る印紙税現金納付の手続規定に係る印紙税に関する歳入局長官告示(第68号)
2)紙ベースの文書に係るe-印紙税システムを通じた印紙税納付の手続規定に係る印紙税に関する歳入局長官告示(第69号)


特別勘定の提出に電子プラットフォームが求められる

2023年12月27日、歳入法第17条第1項及び財務省令第384号(仏暦2565年)に基づき、特別勘定の提出に電子プラットフォームを使用する要件に係る所得税に関する歳入局長官告示が公布され、特別勘定の作成及びオンラインプラットフォームから得た所得に関する情報を電子チャンネルを通じて歳入局へ提出することが規定されました。

重要な点は、以下のとおり要約されます。

  • 歳入局に提出する特別勘定には、オンラインプラットフォーム上で物品又はサービスを販売する加盟店から得られる電子プラットフォーム又はオンラインプラットフォームの事業者の所得が含まれる。
  • タイ国の法令に基づき登録され、1会計期間における収益が10億バーツを超えるオンラインプラットフォーム事業者は、歳入局に特別勘定を提出する目的で、歳入局のシステムとの接続を歳入局に申請しなければならない。
  • オンラインプラットフォーム事業者は会計期間終了後150日以内に、電子チャンネルを通じて歳入局に所定の特別勘定を提出しなければならない。
  • 当該告示は2024年1月1日以降に開始される会計期間から施行される。
  • オンラインプラットフォーム事業者又はオンラインプラットフォーム事業者が指定するサービスプロバイダーは、電子情報の提出に責任を負う。

施行日:2023年12月27日

出所:
特別勘定の提出に電子プラットフォームを使用する要件に係る所得税に関する歳入局長官告示


譲渡手数料率及び抵当権設定登記料率の低減期間の延長

2024年1月2日、タイ政府官報において譲渡手数料率及び抵当権設定登記料率の低減期間を24年12月31日まで延長する2本の財務省令が掲載されました(従来の税制措置は2023年12月31日に失効)。これは販売価額及び査定価額が1契約あたり300万バーツ以下、並びに抵当権設定額が1契約あたり300万バーツ以下の住宅用不動産に適用されます。詳細は以下のとおりです。

不動産の種類

税制措置(2024年12月31日まで)

一戸建て住宅、セミ・デタッチド住宅及びテラスハウス又は商業ビル及び建物付き土地


アパート/コンドミニアム

  • 譲渡手数料率が2%から1%に引き下げられる
  • 不動産譲渡と同時に行われる抵当権設定登記の手数料率が1%から0.01%に引き下げられる

注:不動産の部分売却を除く

施行日:2024年1月2日

出所:
1)個人に対する支援及び救済を目的とした売買による不動産譲渡及び抵当権設定に係る事務手数料の規定に関する仏暦2566年財務省令
2)個人に対する支援及び救済を目的とした売買によるコンドミニアムの譲渡及び抵当権設定に係る事務手数料の規定に関する仏暦2566年財務省令

このニュースアップデートの目的は提案事項の理解を容易にすることであり、事前に専門家に相談せず、税務計画のためだけに使用しないようご留意ください。



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