タイ、特定の受領者に対する寄付の2倍控除措置 他

タイJBS ニュースアップデート 2023年8月

本アラートでは以下の内容を取り上げます。

  • 特定の受領者に対する寄付の2倍控除措置
  • 外国人投資家に対して生産拠点のタイ国移転を促す税制措置の延長
  • 電気自動車の使用及び製造を促進するための追加措置
  • 刑余者の雇用を奨励するための税制軽減措置の延長
  • 預託証券を通じた外国証券投資に係る所得税免除及び源泉徴収税率の引き下げ
  • 投資トークンの新規発行及び取引の免税措置
  • 電子取引の要件
  • タイ国の2023年共通報告基準(CRS)実施を受けた情報交換及び緊急対応
  • 外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)順守のための新たな税制立法

1. 特定の受領者に対する寄付の2倍控除措置

2023年8月15日、電子寄付を通じた特定の受領者に対する寄付の2倍控除を認める4つの勅令が官報に掲載されました。さらに、2023年8月29日、仏暦2566年勅令(第771号)に基づく免税措置の基準及び要件の規定に関する歳入局長官告示(第49号)が公布され、会社又は法人格を有するパートナーシップによる、タイ赤十字社及びその他の12財団への資産による寄付の基準及び要件が規定されました。詳細は次のように要約されます。

1)研究、開発及びイノベーション基金への寄付

2)特定の教育機関への寄付

3)スポーツ支援のための寄付

4)タイ赤十字社及びその他の12財団への寄付

寄付の受領者

  • 計量システム開発基金
  • 公衆衛生システム開発基金
  • 科学技術開発基金
  • 科学研究イノベーション基金
  • 公共教育機関
  • 私立学校(非正規の学校を除く)
  • 私立高等教育機関
  • タイ政府と国連専門機関との間の条約又は協定に従ってタイ国内で設立された教育機関
  • 教育管理開発委員会により、閣議の権限で高い潜在能力を持つ教育機関として承認された高等教育機関
  • タイスポーツ庁
  • 地方スポーツ委員会
  • 地方スポーツ協会
    「タイ国(Thailand)」という用語を使用するスポーツ協会又は国家スポーツ開発基金
  • 体育局
  • タイ赤十字社
  • チュラポン財団
  • バドラマハラジャヌソーン財団
  • シリラートがん財団
  • 小児病院財団
  • プラモンクットクラオ財団
  • ラジャウィティ病院財団
  • 熱帯病院財団
  • クイーンシリキット病院財団
  • サンドク病院財団
  • 神経学研究所財団
  • ソムデットプラピンクラオ財団
  • シリラート財団

寄付の対象期間

2023年1月1日から2025年12月31日まで

2022年1月1日から2024年12月31日まで

2023年1月1日から2024年12月31日まで

租税インセンティブ

個人所得税:現金で寄付した金額の2倍。ただし、寄付総額は純課税対象所得の10%を超えることはできない

法人所得税:現金で寄付した金額の2倍。ただし、公共慈善、公益及び教育又はスポーツのために発生した費用を控除する前の純課税所得の10%を超えることはできない

法人所得税:現金又は資産で寄付した金額の2倍。ただし、公共慈善、公益及び教育又はスポーツのために発生した費用を控除する前の純課税所得の10%を超えることはできない

寄付に基づき行われた資産移転、販売取引又は文書の締結から所得が発生する個人、会社又は法人格を有するパートナーシップに係る所得税、付加価値税、特定事業税及び印紙税が免除される。ただし、これらの取引に基づいて発生した資産/物品の原価は、個人所得税又は法人所得税のいずれの目的でも、控除可能な費用として扱われない

基準

基準及び要件の詳細は、それぞれの補足規則又はガイダンスによって与えられる

施行日

2023年1月1日から2025年12月31日まで

2022年1月1日から2024年12月31日まで

2023年1月1日から2024年12月31日まで

出所

仏暦2566年勅令第770号

仏暦2566年勅令第768号

仏暦2566年勅令第772号

1)仏暦2566年勅令第771号
2)歳入局長官告示(第49号)

2. 外国人投資家に対して生産拠点のタイ国移転を促す税制措置の延長

2023年8月15日、外国人投資家に対して、生産拠点のタイ国移転を促すことを目的とする従来の税制措置(以下、「タイランドプラス・パッケージ」)を延長する3つの勅令が官報に掲載されました。詳細は次のように要約されます。

自動化システムへの投資

高度技能を有する労働者の雇用

高度技能を有する労働者の人材開発

費用発生期間

2023年1月1日から2025年12月31日までの期間(従来の措置は2022年12月31日で終了)

法人所得税インセンティブ

  • 自動化システム、すなわち機械装置及びその機械装置で使用されるソフトウェアの設置(ただし、修繕・保守費用を除く)につき発生する費用/投資額の100%の追加的控除
  • 科学、技術、工学又は数学(STEM)の分野で高度な技能を有する労働者の給料費用につき、150%の追加的控除
  • 特定政府機関が承認したカリキュラムに関して発生した研修費用につき、150%の追加的控除

基準

  • 原価償却可能な機械装置及び償却可能なソフトウェアは、2025年12月31日までに取得し、使用できる状態になっていなければならない
  • 雇用主は、競争力向上に関する法律に規定される対象業種において事業を行う会社及び法人格を有するパートナーシップでなければならない
    新規の高度技能を有する労働者は、2023年1月1日から2025年12月31日までの期間に業務を開始する必要があり、業務開始前1年以内に雇用する会社又は法人格を有するパートナーシップの従業員であったことがあってはならない
  • 既存の高度技能を有する労働者もこの税制措置の対象となる
  • これらの研修費用は、他の税制インセンティブ措置と併用することはできず、また、投資奨励法、対象業種の競争力向上に関する法律及び東部特別開発地域に関する法律に基づく租税免除事業において、その全部又は一部を費用として取り扱うことはできない

施行日

2023年1月1日から2025年12月31日まで

出所

仏暦2566年勅令第776号

仏暦2566年勅令第777号

仏暦2566年勅令第778号

3. 電気自動車の使用及び製造を促進するための追加措置

電気自動車(Electric Vehicle、以下EV)の使用を促進するための措置に基づくインセンティブを申請するための基準、方法及び要件に関する2022年3月21日付け物品税局告示、並びに電動オートバイの基準及び要件に関する2022年6月8日付け物品税局告示に従い、2023年8月15日、2022~25年までの会計年度におけるタイ国内の電気自動車(EV)の使用及び製造を促進するため、仏暦2566年勅令第773号が官報に掲載されました。以下はその要約です。

  • 会社又は法人格を有するパートナーシップは、物品税局告示に従い、インセンティブを申請する会計期間の補助金から発生する所得に係る法人所得税の免除対象となる。
  • 物品税局告示に規定される基準、方法及び要件の順守を怠った会社又は法人格を有するパートナーシップは、インセンティブを申請した会計期間の法人所得税の計算に補助金から発生する所得を含めなければならない。

施行日:2023年8月16日
出所:仏暦2566年勅令第773号

4. 刑余者の雇用を奨励するための税制軽減措置の延長

2023年8月15日、刑余者の雇用を奨励するために仏暦2566年勅令第774号が官報に掲載され、仏暦2564年勅令第726号に基づく税制軽減措置を2022年1月1日から2025年12月31日までの4年間(前回の措置は2021年12月31日に失効)延長しました。詳細は以下のとおりです。

  • 法人所得税目的において1人当たり月額15,000バーツを超えない金額で、釈放されてから3年以内の刑余者を雇用するために支払った実際の賃金費用の50%の追加的な控除が与えられる。
  • この税制措置は、刑余者の雇用に関連する他の租税インセンティブと組み合わせることはできない。
  • 手続を順守しなかった会社又は法人格を有するパートナーシップは、インセンティブが行使された会計期間の法人所得税計算において申告された当該追加的控除を、益金として加算しなければならない。

施行日:2022年1月1日から2025年12月31日まで
出所:仏暦2566年勅令第774号

5. 預託証券を通じた外国証券投資に係る所得税免除及び源泉徴収税率の引き下げ

2023年8月15日、仏暦2566年勅令第775号が官報に掲載され、以下に要約されるように、預託証券(Depositary Receipt、以下DR)発行者の所得税免除及びDR保有者の源泉徴収税率の引き下げが規定されました。

  • DR発行者(会社又は法人格を有するパートナーシップ)は、DR発行のための外国証券の保有から生じる所得について、法人所得税計算上、費用として扱わないことを条件に、法人所得税を免除される。
  • DR保有者(個人)は、(1)非課税のDR発行者によって支払われる配当相当所得、及び(2)外国証券の保有から生じる配当、配当相当所得又は株式配当相当所得により、非課税のDR発行者によってDR保有者に追加発行されるDRからの所得、に係る源泉徴収税率の減免の対象となる。いずれの場合も源泉徴収税率は10%が上限となる。
  • 個人は、源泉徴収税率を10%とし、全部又は一部にかかわらず税金還付又は税額控除を請求しないことを条件に、上記の所得を年間の個人所得税計算に含めることを免除される。

施行日:2023年8月16日
出所:仏暦2566年勅令第775号

6. 投資トークンの新規発行及び取引の免税措置

2023年8月15日、投資トークンの新規投資及び取引に係る免税措置を与えるため、仏暦2566年勅令第779号が官報に掲載されました。発行者やトレーダーである納税者が、以下に要約するような恩恵を受けます。

適用取引

関連する納税者

免税措置の詳細

発行市場における投資トークンの発行

法人発行者

法人所得税免除が、新規発行プロセスにおける投資トークンの発行時に投資家から受け取った資金について与えられる

付加価値税免除が、投資家への投資トークンの譲渡に適用される

流通市場における投資トークンの取引

法人及び個人の販売者

付加価値税免除が、投資トークンの譲渡に適用される

  • 上記の法人所得税及び付加価値税の免除は、2018年5月14日(デジタル資産事業に関する緊急命令の施行日)から遡及的に発効することになります。

施行日:2018年5月14日
出所:仏暦2566年勅令第779号

7. 電子取引の要件

2022年12月、通知を必要とするデジタルプラットフォーム・サービスの運営に関する仏暦2565年勅令(以下、「勅令」)が、仏暦2544年電子取引法に基づいて公布されました。勅令はデジタルプラットフォーム・サービスプロバイダーに対し、その事業運営を通知し、電子取引開発局(Electronic Transactions Development Agency、以下ETDA)が規定する義務を順守することを求めています。

2023年8月、以下のようないくつかの告示が勅令に基づいて発出されました。

1)簡潔な報告が必要なデジタルプラットフォーム・サービスの特徴に関する電子取引委員会告示

勅令第8条第3及び第4段落に基づき、本告示に定める会計期間終了後60日以内に、(i)デジタルプラットフォーム・サービスプロバイダーに関する情報、(ii)デジタルプラットフォーム・サービスに関する情報、及び(iii) 利用者に関する情報の概要を、ETDAに報告する必要があるデジタルプラットフォーム・サービスのリストを提供します。以下のデジタルプラットフォーム・サービスの種類は報告対象となります。

  • 費用を控除する前の国内収入が年間180万バーツ(個人の場合)又は年間5,000万バーツ(法人の場合)を超えず、国内ユーザー数が月間5,000人を超えないデジタルプラットフォーム・サービス。
  • 1)掲示板プラットフォーム、2)ハイパーリンク又はバナーを含むウェブサイト、などの機能を特徴とするウェブサイト又はアプリケーションサービス。

施行日:2023年8月21日
出所:簡潔な報告が必要なデジタルプラットフォーム・サービスの特徴に関する電子取引委員会告示

2)デジタルプラットフォーム・サービスの利用規約変更通知の基準、手続及び期間に関する電子取引委員会告示

勅令に基づいて発行された本告示は、勅令第16条に規定される義務を負うデジタルプラットフォーム・サービスプロバイダーに対し、デジタルプラットフォーム・サービスの利用規約の変更について、本告示に規定されるとおり、利用者及びETDAに通知することを求めています。

施行日:2024年1月3日
出所:デジタルプラットフォーム・サービスの利用規約変更通知の基準、手続及び期間に関する電子取引委員会告示

3)サービスの利用に起因する損害又は利用者保護のため必要なその他の事案が発生した場合に、事業者が利用者に補償又は救済を提供する基準、方法及び要件に関する電子取引委員会告示

勅令第16及び第18条に従い、本告示は、サービスの利用に起因する損害又は利用者保護のため必要なその他の事案が発生した場合に、事業者が利用者に補償又は救済を提供する基準、方法及び要件を規定しています。これらの措置は、デジタルプラットフォーム・サービス事業の停止を認める通知を出す前に整備されるべきであり、例えば、事業停止前に、利用者に配慮する計画又は措置が整備されるべきです。

施行日:2023年8月21日
出所:デジタルプラットフォーム・サービスの利用規約変更の通知の基準、手続及び期間に関する電子取引委員会告示

施行日:2023年8月21日
出所:通知を必要とするデジタルプラットフォーム・サービスの運営に関する仏暦2565年勅令

8. タイ国の2023年共通報告基準(CRS)実施を受けた情報交換及び緊急対応

2023年3月31日に施行された税務目的の政府間協定を順守するための情報交換に関する仏暦2566年(2023年)緊急勅令(以下、「緊急勅令」)の公布に続き、タイ国では2023年9月までに共通報告基準(Common Reporting Standard、以下CRS)基づく他の国・地域との2022年の金融口座情報の自動交換を開始する予定です。

緊急勅令で言及される政府間合意には以下が含まれます。

1)国が他の国・地域と締結している租税条約
2)国が加盟している税務行政執行共助多国間条約

2023年8月15日、CRSに基づく報告及びデューディリジェンス手順の効果的な実施及び順守を確保するため、2023年8月16日を発効日とする関連国内法令、すなわち、財務省令、財務省告示及び歳入局長官告示が官報に掲載されました。

以下は、タイ国におけるCRSに関する主要事項の要約です。

トピック

詳細

CRSとは?

経済協力開発機構(OECD)のウェブサイトに掲載されているように、「G20の要請に応えて開発され、2014年7月15日にOECD理事会により承認された共通報告基準(CRS)は、各国・地域に対し、金融機関から情報を入手し、その情報を毎年、他の国・地域と自動的に交換することを求めている。交換される金融口座情報、報告が必要な金融機関、対象となる種類の口座と納税者及び金融機関が従うべき一般的なデューディリジェンス手順を定めている。」

報告対象者

  • 預金機関
  • 保管機関
  • 投資事業体
  • 特定保険会社

CRSの対象外となる事業体

  • 政府機関、国際機関及び中央銀行
  • 広範参加退職基金、限定参加退職基金、適格クレジットカード発行者、及び前段に述べた事業体の年金基金
  • 脱税リスクの低い事業体
  • 報告を免除される集団投資ビークル
  • 信託の受託者が、信託に代わって必要な情報を報告する報告金融機関である場合の信託

報告対象となる口座

  • 預金口座
  • 保管口座
  • 現金価値保険契約
  • 年金契約
  • 金融機関における特定の資本又は負債持分

CRSにおける報告対象外口座には次のものが含まれる

  • 特定の退職金又は年金口座
  • 特定の非退職税制優遇口座
  • 定期生命保険契約
  • 遺産管理口座
  • エスクロー口座
  • 未返還の過払金による預口金座
  • その他の規定の低リスク口座

報告対象となる情報

  • 氏名
  • 住所
  • 税務上の居住地
  • 納税者番号(Taxpayer identification number:TIN)
  • 生年月日及び出生地(個人)
  • 口座番号
  • 口座残高
  • 口座に支払われた当期支払総額
  • 口座に支払われた又は入金された金融資産の売却又は償還による総収入の合計
  • 口座解約の事実

タイ歳入局に報告する期日

  • 翌年の6月30日まで

文書保存期間

  • 報告対象者は、金融口座に関するデューディリジェンス手続が完了する暦年の末日から6年間、関連情報及び文書を保管する必要がある

報告対象国・地域

  • タイ国はCRSに基づく報告対象情報を113の国・地域と交換する予定である

罰則規定

違反行為

罰則規定

  • 新規口座開設時に、顧客に対して税務上の居住地の通知と確認を求めない
  • 翌年6月30日までにタイ歳入局に報告対象情報を提出しない
  • 既存口座のデューディリジェンスを行わない
  • 命令された行為を規定された期間内に実行する
  • 20万バーツ以下の罰金
  • 報告目的で虚偽情報の開示を意図する
  • 5万バーツから50万バーツの罰金
  • 規定された期間に従い関連文書及び情報の保管を行わない
  • 30万バーツ以下の罰金
  • 収集した情報の不正な開示(職務上の情報開示を除く)
  • 10万バーツ以下の罰金もしくは1年以下の禁固、又はその併科

2023年に必要な緊急対応は下表に要約されます。

タイムライン

必要な緊急対応

2023年8月16日以降
財務省令施行日以降に開設される口座

報告対象者は、新規口座開設のCRS自己証明フォームを取得する必要がある

2023年9月16日まで
財務省令施行日から1カ月以内

報告対象者は、高額な既存個人口座(2022年12月31日時点で報告対象者が保持する3,000万バーツ以上の口座)に係るデューディリジェンス手続を完了し、財務情報をタイ歳入局に報告する必要がある

2023年9月30日まで

タイ歳入局が報告対象国・地域と財務情報の交換を開始する

2024年6月30日まで

報告対象者は、残りの既存口座に係るデューディリジェンス手続を完了し、財務情報をタイ歳入局に報告する必要がある

報告対象者はCRSデューディリジェンスを実施する際に、口座保有者の税務上の居住国・地域に関係なく、すべての口座保有者に関する情報を収集・特定するという、より広範なアプローチが適用される点に留意することが重要となります(すなわち、報告対象外の国・地域の税務上の居住者の詳細も収集される)。

施行日:2023年8月16日
出所:
1)税務目的の政府間協定を順守するための情報交換に関する仏暦2566年財務省令
2)情報の自動交換のための多国間権限ある当局合意に基づく参加国に関する財務省告示
3)情報の自動交換のための多国間権限ある当局合意に基づくCRSの基準、方法、要件及び様式に関する歳入局長官告示

9. 外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)順守のための新たな税制立法

FATCAとは、外国口座税務コンプライアンス法(Foreign Account Tax Compliance Act)の略で、米国外の金融機関又はオフショア投資商品を使用する米国の納税者による脱税を防止することを目的とした米国の法律です。

税の透明性を向上させ、外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)を実施するために、タイ国と米国の政府間協定(Intergovernmental Agreement、以下IGA)が2016年3月4日に調印されました。IGAを順守するために、タイ政府は、金融機関及びその他の特定の事業体及び個人(同法では「報告義務者」という)が米国内国歳入庁と情報交換するために米国人の財務情報をタイ歳入局に報告することを義務付ける、仏暦2560年FATCA法として知られる補助法を制定しました。

2023年8月18日、タイ政府官報は、仏暦2560年(2017年)国際的税務コンプライアンス向上のためのタイ王国政府と米国政府の間の協定のコンプライアンスに関する法律(「仏暦2560年FATCA法」)に基づいて公布された2つの財務省令を掲載しました。これらの省令は、金融機関及び税務当局に、FATCAに関連する国際協定に基づく税務情報の交換に関連する規則を提供します。

以下は、2省令がカバーする主要事項の要約です。

  • 報告義務者としてのステータス証明書の申請及び発行に関する仏暦2566年財務省令

    ステータス証明書の申請者は、所定の方法により電子的に申請しなければなりません。省令の施行日前に終了する暦年(すなわち、2022暦年)については、係る施行日から2カ月以内(すなわち、2023年10月18日以内)にステータス証明書の申請を提出しなければなりません。将来的には、当該申請は翌年の1月31日までに提出されなければなりません。

  • 報告対象情報の収集及び税務当局への提出に関する仏暦2566年財務省令

報告義務者の義務

口座所有者又は支配者に関する詳細(氏名、住所、米国の納税者番号など)及び金融口座情報(口座番号、口座残高/金額、その他口座に関連する所定の金融情報を含む)を含む税務当局への報告が必要な情報を入手し、デューディリジェンス手続を行い、税務当局に報告対象情報を提出する

期限

前暦年に係る情報を翌年6月末日までに提出しなければならない

方法

情報は、国際データ交換サービス(International Data Exchange Service: IDES)システムを通じて提出される

データ保管期間

データは、報告対象情報を受け取った暦年の末日から6年間保管しなければならない

施行日:2023年8月18日
出所:
1)報告対象情報の収集及び税務当局への提出に関する仏暦2566年財務省令
2)報告義務者としてのステータス証明書の申請及び発行に関する仏暦2566年財務省令


このニュースアップデートの目的は提案事項の理解を容易にすることであり、事前に専門家に相談せず、税務計画のためだけに使用しないようご留意ください。


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Business Tax Services

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Kamolrat Nuchitprasitchai (Partner)
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