Tax controversy update vol. 3 ― ローカルファイル(45日?)について

最近、近々税務調査が始まるということで、対応の準備をお客様と一緒に行っている際に多く共通して受ける質問があります。それは、「作成が義務化されているローカルファイルは、調査官から提出を求められてから45日以内に提出すればいいんですよね」というものです。これはきっと、「義務化文書は45日、それ以外は60日」という部分のみが印象に強く残っているからだと思いますが、ちょっと違います。

措置法66条の4第8項では、「45日を超えない範囲内において・・通常要する日数を勘案して当該職員が指定する日までに」とされています。義務化のものは、申告期限までに当然に作成し保存しておかなければなりませんので、「1~2週間以内」という期限が設定されることがほとんどです。一方、「義務化でない」ものは、申告期限までの作成は前提とされていませんので、「まだ作成していないので、60日は待って欲しい」とリクエストしていただいても不自然ではありません。

弊社の多くの税務調査立会い経験からいいますと、ローカルファイルの提出が求められる基準は、「義務化文書か否か」ではなく、「所得移転の可能性がある取引か否か」の判断がベースとなっていることが多いようです。したがって当然に、「義務化対象でない文書」が含まれる場合もあり、その場合には、2カ月以内に作成して提出するということになります。

いずれにしても、指定された期限を守れるかどうかは、同条第9項の「推定課税規定」発動と連動しますので、税務調査対応の重要なポイントとなります。


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