EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EUは、国境を越えて展開される積極的な租税回避の可能性のあるタックスプランニングを検出するために透明性を高めることを目的として、義務的開示規則に関する指令を導入しました。EYは自らのグローバルネットワークや最新のツールを活用し、クライアントと連携してクロスボーダー報告義務を把握・管理します。
欧州連合(EU)の義務的開示制度(MDR)により、最低金額基準といった免除規定の無い、幅広いタックスアレンジメントに関する広範囲な報告義務が生じることとなります。納税者や仲介者は、開示義務に該当する取引の詳細を認識、把握するためにポリシー、手順及び手続を実施しなければなりません。複雑なアレンジメントがある場合は、納税者はアドバイザーに相談する必要があります。重大な罰則が課されることが予想されます。
EYは世界中で、納税者や仲介者がMDRの義務を認識し、管理することを手助けすることができます。具体的には以下のとおりです:
また、MDR・Web—ビデオで説明しているEYのクロスボーダー評価ツール—は、国境を越えたアレンジメントを評価、記録及び報告するために設計されました。ツールを使って、租税分野の行政協力に関する欧州改正指令6(DAC 6)や各国の法制度の解釈に関するEYのテクニカルガイダンスへアクセスすることもできます。
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EU全体にわたって税務の透明性を高めるため、DAC 6は2018年6月25日に発効しました特定の基準(受取人レベルでの課税を免除される控除可能な支払いなど)に基づいて、仲介者—EUを拠点とする税務コンサルタント、銀行、弁護士など—に対し、EUが潜在的に租税回避に積極的であると見なす、国境を越えた取引やアレンジメントを報告するよう求めています。報告可能な仲介者がいない場合には、報告義務は納税者へと移ります。
MDRの下では、2018年6月25日から2020年7月1日の間にファーストステップが取られたクロスボーダー・アレンジメントは2020年8月31日までに報告が必要となり、対象となるアレンジメントの情報が加盟国間で自動的に交換されます。2020年7月1日以降、仲介者と納税者は、タックスアレンジメントに関し発端となった事象から30日以内に報告することが求められます。
加盟国は、2019年12月31日までにDAC6に準拠する国内法を採択し、公表しなければなりません。加盟国の中には、指令よりさらに早期の報告や国内法による対象の範囲を広げる国もあります—例えばVATや国内におけるアレンジメントを対象に加えることや、追加の判断基準の導入があり得ます。
EY Japanの視点
欧州連合(EU)の義務的開示規則は広範囲なタックス・アレンジメントの報告を仲介者と納税者に求め、当該情報を各国税務当局間で交換するためのものです。各国で規則実施のための法令が定められています。義務的開示規則を着実に実施するためには、どのような情報がどこに提供されているのかグループとして把握することは不可欠です。日系企業にとっては、欧州に存するグループ企業のみならず、本社におけるグループ税務管理の面からも対応が求められています。
須藤 一郎
EY Japan 金融サービス・タックスリーダー 国際税務・トランザクションサービスリーダー EY税理士法人 パートナー
2020年7月1日から適用されるDAC 6の洞察や技術情報について、ニュースレターと以下の一覧で紹介しています。
DAC6 deferral and reporting details (pdf) (last updated 22 April)
DAC6 local country status and reporting trends (pdf) (May 2020)
Designing and implementing your long-term compliance program for the EU mandatory disclosure rules (MDR) (pdf) (January 2020)
MDR関連の分析の最新情報を掲載しています。以下より最新の動向や国別の情報をご確認ください。