生成AI時代のデジタルガバナンス  第三者認証による信頼性の確立
生成AI時代のデジタルガバナンス 第三者認証による信頼性の確立

生成AI時代のデジタルガバナンス 第三者認証による信頼性の確立


生成AIのリスクに対し、社会からの懸念が高まりつつあります。

企業は、生成AIから価値を引き出しつつ、社会からの信頼に応えてゆくために、テクノロジーやデータに対するガバナンスを強化する時期に差し掛かっています。


要点

  • 社会の変化:各国でAIへの法規制やガイドラインが制定されつつあり、生成AIの技術や利用結果に対する社会や消費者からの懸念が高まっている。
  • 企業が取るべきアクション:トップダウンかつ全部門横断により法規制順守や社会・消費者の期待・懸念へ真摯(しんし)に応えられる「守りの体制づくり」と、AIを介して社内外のデータを正しく適切に利活用する「攻めの環境づくり」の両面に着手するべきだと言える。
  • 第三者による認証・保証を得ることの重要性:AIに関わる体制・活動が適切であることに対する客観的な確認が重要。

世界的に注目を集めている、生成AI。その流れは日本においても同様であり、多くの生成AIサービスが提供されつつあります。

しかし生成AIの普及が進む一方、その潜在的な影響の大きさから規制の検討が世界中で進められている状況です。OECDのAI原則に沿って基本的な考え方や対応方針が検討されていましたが、生成AIの出現によりその動きは加速しています。特に、2023年のG7による広島AIプロセスなどを契機に、法規制やガイドラインの策定に向けた具体的な取り組みが進行中です。

企業は経営戦略におけるAIの利活用・開発の方針を踏まえ、これらの規制を考慮した対策を講じることが肝要です。また、今後の制定改廃の傾向を見据えながら対応し続けることが求められています。

さらに生成AIの普及に伴い、信頼性と正確性、プライバシーとセキュリティ、コンプライアンスなどにまつわるトラブルも多く報じられていることから、AIを開発・提供・利用する組織はベネフィットとリスクの両面をコントロールする必要があると言えるでしょう。

本レポートでは、生成AI時代に企業に求められるAIガバナンス、すなわち経営ビジョンや事業戦略に基づきAIを有効に利活用するために、AIが有するリスクを適切にコントロールするための仕組みをいかに構築・運用すべきかを解説するとともに、そのガバナンスに対して第三者による保証・認証を得ていくことの重要性についてお伝えします。


図表: EYが定義するResponsible AIフレームワーク

EYでは、第三者による保証・認証の枠組みの中でも今後最も早く実業務の開始が期待できるISO42001について、認証業務やトレーニング業務の提供に向けた準備を鋭意進めています。グローバルなISO認証機関であるEY CertifyPointでは、AIの分野においても世界中の企業への業務提供を通じて最先端の知見を集積し、企業のAIガバナンスへの信頼性を付与することでその先にある企業価値の向上に貢献していきます。

企業のAIガバナンスへの信頼性の付与

【執筆】

市原 直通 (EY新日本有限責任監査法人 AIリーダー アシュアランスイノベーション本部 パートナー)
吉村 拓(EY新日本有限責任監査法人 Technology Risk事業部 パートナー)
佐藤 賢(EY新日本有限責任監査法人 Technology Risk事業部 シニアマネジャー)
川勝 健司 (EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 リスク・コンサルティング パートナー)

※所属・役職は記事公開当時のものです。



本レポート全文は、以下ページにてダウンロード可能です。


サマリー 

生成AIの活用による業務効率化や顧客満足度向上の実現は、もはや経営における喫緊の課題となっています。例えば財務報告プロセスなど、生成AIが扱う業務の重要性が高まるにつれて、AIガバナンスの重要性は増します。また、自社のAIガバナンスに対する顧客や社会からの信頼を得るためには、第三者によるガバナンスの保証が必要となります。生成AIを企業価値向上につなげるためには、もはやAIガバナンスやそれに対する保証は必要不可欠なものであると言えるでしょう。


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EY.ai ― 統合型プラットフォーム(人工知能サービス)

EYが考えるAI活用の方向性

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