ベトナム - 新型コロナウイルス感染症対策等に関する政府決議84号について

ベトナム タックスアップデート - 2020年6月26日

このほど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の流行を背景とした企業活動の支援等に関する政府決議84号(Resolution no. 84/NQ-CP)がベトナム政府により公布されました。

労働許可証の発行や税務調査の計画など、皆さまの企業活動においてもご関心のある内容かと存じますので、以下の通り主な項目の要約を共有いたします。

ベトナム政府は、新型コロナウイルス感染症パンデミックに関連して、2020年5月29日付政府決議84号(Resolution no. 84/NQ-CP)を公布しました。本決議に関する主なポイントは以下の通りです。

1. 政府の権限下での課題と対策

i. 新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響により、生産および事業活動の休止に追い込まれた企業、組織、世帯、個人で、管轄当局の決議および契約に基づき、国から直接土地を借り、年間賃借料を支払う者について、2020年の土地賃借料の支払いを15%減額する。

ii. 国内消費を刺激するため、国内で生産・組み立てされた自動車の登録料を2020年末まで50%減額する。

iii. 国内で生産・組み立てされた自動車にかかる特別消費税について、2020年3月以降に発生した税額の納付期限を延長する。

ただし、支払い猶予期限は2020年12月31日までとする。また、国内生産の発展を支援するため、特別消費税に関する規則の修正を検討する。

iv. ベトナムでの投資および事業プロジェクトに関わる外国人労働者、企業経営管理者、投資家、高度技術者について、企業活動を維持するためのベトナムへの入国が許可される。

これらの者は、感染拡大防止に関する規則を遵守しなければならない。また、ベトナムに駐在する外国人に対する差別を厳しく禁ずる。

v. ベトナム企業に勤務する外国人労働者、企業経営管理者、高度技術者に対して、労働許可の期限延長を認める。

ベトナムへの入国または再入国が認められない者については、その代わりを務める外国人労働者、企業経営管理者、高度技術者に新規の労働許可証を発給する。

vi. 新型コロナウイルス感染症対策関連の寄付金について、法人税の計算における損金算入を認める。

vii. 政府および省庁の調査官は、政府による企業の発展支援に関する2016年6月30日付政府決議35号(Resolution no. 35/NQ-CP)および2017年5月17日付首相指示20号(Directive no. 20/CT-TTg)を厳格に実施し、2020年3月4日付首相指示11号(Directive no. 11/CT-TTg)に基づき、コロナ禍の税務調査活動を減らすこと、計画外の税務調査を実施しないこと、事前調査に代わり事後調査を行うことを含め、税務調査計画の見直しを行う。既に実施されている税務調査については、結果の通知および規則に基づく改善要求事項の提案を迅速に行う。

2. 政府は国会および常任委員会に対し、以下の問題の検討を提言する。

i. 水源開発を行う企業について、水源開発の権利取得にかかる手数料を免除する。

ii. コロナ禍の企業活動の支援として、2020年の小企業および零細企業に対する法人税を30%低減する。