非支配株主がいる子会社の債務超過

Question 

非支配株主がいる子会社が債務超過になった場合、どのように会計処理をするのでしょうか。

Answer 

子会社に欠損(マイナスの剰余金)が発生した場合、通常は非支配株主の負担すべき額は非支配株主の出資額に限定されるため、非支配株主がマイナスになることはありません。
株式会社の株主は株主有限責任の原則により出資額を限度とする責任を負えばよいこととなっていますが、親会社は子会社の債権者に対して、保証債務等の契約に基づく責任を負う場合が多いだけでなく、親会社の経営責任や信用保持のための経営判断等から当該子会社の債務の肩代わりなどを行う可能性も高いため、非支配株主の負担すべき額は非支配株主の出資額に限定されると考えられることによります。
しかし、特定の非支配株主と親会社等の間で、子会社の債務引受など出資を超えた非支配株主による負担が合意されている場合があります。このようなケースにおいて、子会社に欠損が発生した場合には、当該負担額まで非支配株主持分に欠損の負担を行わせ、それを超える欠損額について親会社が負担することになります。そして、その後当該子会社に利益が計上されたときは、親会社が負担した欠損が回収されるまで、その利益の金額を親会社の持分に加算することになります。

根拠条文

      • 連結財務諸表に関する会計基準 第27項
      • 連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第50項、第69項

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