IFRS第17号およびIFRS第9号の影響に関する保険業界の最新情報~先行する保険会社グループが公表した開示情報の考察すべき3つのポイント~

IFRS第17号およびIFRS第9号の影響に関する保険業界の最新情報~先行する保険会社グループが公表した開示情報の考察すべき3つのポイント~


日本の保険会社によるIFRS適用の検討、IFRS適用域内の保険子会社の財務分析、IFRS適用地域への投資判断の際、保険業界で先行する開示事例の分析は有用となるでしょう。


要点

  • EYはグローバルに活動する保険会社30社の公開情報からIFRS第17号およびIFRS第9号の適用に関する開示情報を分析した。
  • 開示事項の考察すべきポイントは、「IFRS第17号および第9号開示のハイライト」「各社の開示のタイムライン」「代表的な業績指標への影響」の3点である。
  • 日本の保険会社におけるIFRSへの移行の検討、IFRS適用域内の保険子会社のIFRSに基づく財務数値の分析、および同地域への新規投資の検討等に際して、先行する事例の分析は参考になると考えられる。

欧州を中心に多くの保険会社が2023年1月1日からIFRS第17号の適用を開始したとともに、IFRS第9号の適用も同時に開始しました。

EYはグローバルに活動する保険会社30社の投資家向けプレゼンテーション、2022年度アニュアルレポート、2023年度第1四半期報告およびプレスリリース等の公開情報におけるIFRS第17号およびIFRS第9号の適用に関する開示情報を分析しました。レポート ”Market updates on the impact of IFRS 17 and IFRS 9(PDF、英語版のみ)” では、その分析結果について、詳しく考察しています。

同レポートでは、2022年1月1日におけるIFRS第4号およびIAS第39号に基づく株主資本と同時点のIFRS第17号およびIFRS第9号に基づく株主資本の比較、2022年1月1日と2023年1月1日のIFRS第17号およびIFRS第9号に基づく株主資本の比較、2022年度のIFRS第4号に基づく営業利益と同時期のIFRS第17号に基づく営業利益の比較、2023年第1四半期期間におけるCSMの増減等が分析されています。なお、EYでは、各社の2023年上半期の中間報告書の公表後により多くの開示情報が利用可能になり次第、分析の更新を予定しています。

日本の保険会社によるIFRS適用事例はまだ少ないですが、今後、自社におけるIFRSへの移行の検討、IFRS適用域内の保険子会社のIFRSに基づく財務数値の分析、および同地域への新規投資の検討等に際して、先行する事例の分析は参考となるものでしょう。

レポートの全文は、「Market updates on the impact of IFRS 17 and IFRS 9(PDF、英語版のみ)」をご覧ください。

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サマリー

多くの国および地域で、2023年1月1日よりIFRS第17号の適用が開始され、その影響について投資家を含む利害関係者へ丁寧な説明が行われています。基準の理解が進むにつれ、さらなる説明や新たな業績管理指標の開発も必要になると予想されます。これらの動向の把握は日本の保険会社にとっても有用なものでしょう。


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